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食品添加物の誤解を解く キサンタンガム
普段スーパーで気になった食品(加工食品)を手に取り、原材料表示を見た時「おや?何この原料?うーん、まーいーかっ」・・・と、読み流す表示名(原材料)ってありませんか?w
「だって見ても良く分からないし。どうせ全部身体に悪いんでしょ!」とか開き直り、流してしまってはいけません!w家族やご自身の食の安全、健康管理の為、原材料が何であるかを知っておく事はとても重要ですから。
で、その様な原材料表示の中で「キサンタン(ガム)」って目に入るけど知らんぷりしている方、多いのではないでしょうか?w
実はむちゃくちゃ多くの加工食品に使われているのですが、ガン無視してません?w
皆さんの中で「キサンタンガム」ってなんだかご存じの方いらっしゃいますでしょうか?
という事で今回は食品添加物「キサンタンガム」に関して記載していきます。
キサンタンガムとは
「ガム」だからかみかみする食べ物と思た方、間違いですw
キサンタンガムは、天然多糖類です。おっといきなり聞きなれない単語w
天然多糖類とは、自然界(樹木、果物、海藻、微生物、他)から採取(抽出)可能な、多くの糖類(単糖)がつながった大きな分子(高分子)のことです。単糖の種類やつながった形(直鎖上、側鎖上)によって多糖類の種類や性質が変わります。
その中の1つがキサンタンガムです。
天然多糖類にはキサンタンガムの他に
澱粉、ペクチン、カラギナン、アルギン酸、セルロース、コンニャクマンナン、グアーガム、等多数有ります。
この中にはよく目にする食品、食品添加物が有るかと思いますが、全て天然多糖類の仲間です。
キサンタンガムの製造方法は「キサントモナス キャンペストリ」と言う名の微生物が糖類を原料に発酵法で製造し抽出、精製し乾燥したものです。
現物は、白い粉上の物質です。
この様に沢山ある天然多糖類の中でも、モーレツに数多くの加工食品に使用されているエース的な存在がキサンタンガムです。その理由は後程ご説明します。
キサンタンガムが使われている食品とその用途
先程もお伝えしました様に、キサンタンガムは数多くの加工食品に使用(利用)されています。
![](https://assets.st-note.com/img/1736876012-g9BcSnswDtE7okamMO0v4dJq.jpg?width=1200)
主に使用されている食品は以下の通りです。又( )内は用途になります。
・ドレッシング (増粘、乳化安定、固形物の沈殿防止)
・タレ、ソース (増粘、照り出し、分離防止、固形物の沈殿防止)
・缶詰 (照り出し、離水防止)
・漬物 (離水防止、乾燥防止、増粘)
・レトルト食品 (増粘、固形物の分散)
・冷凍食品 (冷凍解凍耐性、離水防止)
・インスタント食品 (スープ増粘、油脂の分散)
・飲料 (増粘、固形物分散、濃厚感付与)
・ゼリー (離水防止、弾力向上)
・フィリング (離水防止、ダレ防止、照り出し)
・スポンジケーキ (老化防止、保水力向上、固形物分散)
めちゃくちゃ使われてますよね!
![](https://assets.st-note.com/img/1736877907-QpSJsuLIwzHh2qyFWA1rtCbv.jpg?width=1200)
実は他にも例えばハムやソーセージにも使われていますし、あげるときりが有りません。
主な用途は増粘(とろみ)です。そこから派生して、照り(ツヤ)を付けたり乳化を助けたり・・・と様々な料理に利用されています。
家庭料理だと、澱粉(とろみ、乳化を助ける)や砂糖(照り)で付与する効果ですよね。
その澱粉や砂糖の代わりに使われているのが「キサンタンガム」なんだと思って頂ければOKです。
又、表示に「増粘剤(キサンタン(ガム))」と記載がなく「増粘多糖類」と表示されている加工食品の増粘多糖類とは2種類以上の増粘剤を使用していると言う意味で殆どの増粘多糖類の主成分はキサンタンガムです。
でも、なんでこんなに加工食品では澱粉や砂糖の代わりにキサンタンガムが利用されているのか?
それには大きな理由が有ります!
何故そんなに「キサンタンガム」は使用されているのか?(2つの大きな理由)
1、最大の理由は市販されている加工食品は「家庭料理」ではないからです。
・・・・・
ん?だから?
ってなりますよねw
ではもう少し詳しく説明していきます。
家庭料理と加工食品の異なる点は、家庭料理は作って直ぐ(もしくは数日)で食べます(最大の理由は、食中毒防止の為)が、加工食品は賞味期限が長く、賞味期限内で一定の品質、味、色、安全性(食中毒防止)が求められます。
ところが、澱粉糊は皆さんご存じの様に、放置しておくと固くなって行きますよね?これは老化現象と言うのですが、長期間保存する加工食品に澱粉でとろみをつけると澱粉が老化してしまい長期間の保存が出来ません。
又、砂糖を使って照りを出すと、長期間加工食品を保存すると、原料中に蛋白質と砂糖とが反応して色が赤く焦げたように色(褐色)に変化していきます(メイラード反応)。味も少し変わってしまいます。これでは安定した加工食品とはなりません。
2、2つ目の大きな理由はキサンタンガムのとろみの特徴にあります。
キサンタンガムでとろみをつけた液体(水溶液)は、かき混ぜたり、降ったりすると粘度が下がり、放置していると粘度が上がると言う特徴を持っています(チキソトロピー)。
この性質が実に加工食品にとっては優れた性質なのです。
例えば、市販のすりおろした玉ねぎ入りのドレッシングなどを思い出してみて下さい。最初に玉ねぎが均一に混ぜる為に振ってから野菜にかけると思いますが、その際は粘度が低くて簡単にかける事が出来ますが、放置しておいてもなかなか玉ねぎ沈みませんよね?それがキサンタンガムの特徴です。
同じ様なドレッシングを手作りすると、一回一回野菜に掛ける時混ぜないと直ぐに玉ねぎ沈んじゃいますよね。
既に皆さん、この市販のドレッシングの便利さを、知らず知らずのうちに受け入れて当たり前の様に食べているのが現代社会です。
(受け入れるか、受け入れないかはあなた次第ですww)
では、受け入れるか否かを判断頂く為に次はキサンタンガムの安全性について記載していきますね。
キサンタンガムの安全性
結論から言うと全く心配いりません!
天然多糖類の多くは(一部海藻由来の物を除き)安心して食べて頂いて問題ありません。
絞り出せば、大量に摂取するとお腹が緩くなることが報告されている位です。
以上です。
今回の内容はいかがでしたでしょうか?
ここまで読んで頂き有難うございます。
読んで楽しかった方よろしければ「いいね」をよろしくお願いします。
又、食品、食品添加物でご質問、疑問がありましたら
コメントでリクエスト頂ければ幸いです。
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