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村上春樹著「サラダ好きライオン・村上ラジオ3」より

……GO!GO!LA!という映画が十年くらい前にあった。

イギリスの脚本家志望の青年が、アメリカから来た女優の卵に恋をし、すべてを捨ててハリウッドまで彼女を追いかけていって、そこでいろいろととんでもない目にあう。

ちょっと変てこな、オフビートなコメディだった。もちろんハリウッド文化を徹底的におちょくっている。

その中でレストランのウェイトレスが注文をとりながら、

「スーパーサラダ?」と質問する場面がある。

青年は「それがいいな。スーパーサラダをもらうよ」と言うんだけど、

ウェイトレスは不機嫌な顔をして「スーパーサラダ!」と早口で繰り返すばかりだ。

青年は「だから、そのスーパーサラダが欲しいんだよ」と言うんだけど、話がぜんぜん通じない。

要するに彼女が言いたかったのは

「Soup or Salad ? スープかサラダか、どちらかが料理につくんだけど、どっちがいいの?」ということだったんですね。

それを早口でせかせか言われると、英国人の耳にだって「スーパーサラダ」としか聞こえない。

このシーンはおかしかった。

僕もアメリカのレストランで、何度か同じような目にあってきた。ほんとに不機嫌そうに早口でしゃべるんだから。

***

これ、日本人がアメリカ行ってウェイトレスの英語が聞き取れないのとは違って、イギリス人がアメリカ英語をバカにしているんですよね。

彼らはブリティッシュ・イングリッシュに誇りを持ってますので…

同じアメリカでも、日本の方言と一緒でアクセントの違いから、アメリカ人同士でも「?」と意味が通じ無いこと、よくあるみたいです。

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ササピー
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