電車に揺られながら読んだ本のこと
今日は休みだけれど、用事があって名古屋まで出かけた。
用事っていうのは、美術予備校での三者面談。
予備校でも懇談があるらしい…
大きな駅には、(東京駅と名古屋駅しか知らないけれど(笑))おしゃれなパン屋さんとコーヒースタンドがあって、いろんな国の人たちがパンを食べたり、コーヒーを飲んでいたりする。
ここのところ、お腹の調子が良くなくて、今日もお昼を食べずにいたら、お腹が減った。
ので、クロワッサンとカフェ・オ・レを頼んでひと息つく。
今月は、新幹線に乗ったり、電車に乗ったり、が多くて読書がはかどっている。
今、読んでいるのは、川上弘美さんの新刊『恋は、はかない、あるいは、プールの底のステーキ』。
(新幹線の移動中に読み終えたのは、垣根涼介さんの直木賞受賞作『極楽征夷大将軍』。
こちらもとても良くて、ぐいぐい引き込まれた。)
わたしは江國香織さんに次いで、川上弘美さんの本が好きだ。
お二人とも作品のタイトルのつけ方も似ている。
何気ない日常が描かれているところも。
この本は、目次だけでも見ていて楽しくなってくる。
『あれから今まで一回もマニキュアをしたことがない』とか『小面、若女、増、孫次郎、万媚など』とか『水でぬらすと甘い匂いがする』だとか。
読み始めは、なんとなく馴染めなかったけれど、途中からはスイスイ読めた。作中の小説家と川上さんが重なって、エッセイを読んでいるような心地に。
使われていることばたちにも妙に気が惹かれるのは、何なのだろう?どれもきれいな日本語たち。
普段使わないけど、どこかで使ってみたいな…
(たとえば、「魚心に水心」「森の中を逍遥する」とか。)
美味しいものも、たくさん。
白身、貝、イカ、ひかりもの、マグロの赤身。
トマトと卵の炒めたの。プリンとポカリスエットと冷凍みかん…キムチの豚バラ炒め、ナポリタン。
そういえば、やっぱり川上さんの別の小説だったかエッセイだったか…「ネギを刻んで卵焼きに混ぜる」みたいな一文も、読んですぐに食べたくなって作ったな、と思い出す。
ところで人はいくつになっても恋したりするんだな。
大人の、おだやかな恋のはなしでもあった。
ついこの前まで、わたしは南北朝時代にいた。
足利尊氏と弟の直義、高師直の絆に感心したり、晩年の争いには心を痛めていた。
(すぐに本の世界に影響されるので、語尾に「〜でござる」をつけて、しゃべっていたりもした。←家族にね)
室町幕府が開かれたのは1338年。
685年後の世界はこんな風。
不思議だ。
本を読んで、時代を旅した気持ちになっている。
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