医療ソーシャルワーカーが多職種への発表するときの留意点
地域連携が進むなか、MSWが、多職種に対して発表をすることが増えてきていると思う。
ルーブリック等では、多職種に対して、MSWが実践を発表することができるのは、ベテランの領域。
ただ、入退院支援加算を背景とした担当病棟制が推進されている。
関連する病棟や専門診療科であれば、ベテランではなく、それらを担当する中堅者でも発表の機会がある。
MSWの発表には、非常に気になる点がある。
それは、”はじめに”というところで、病院の概要や機能など、病院全体の解説を挿入するMSWが非常に多い点である。
”はじめに”は、発表をする内容、研究動機や研究への課題(問い)などを説明するために使われるものである。
病院の概要や機能が、発表の内容に深く関係していれば問題はない。しかし、ほとんどの場合、病院全体を解説することを必須としていない発表であることが多い。
多職種への発表は、他の医療専門職も発表している機会が多いと思うが、他の医療専門職が、病院全体を解説することはほとんどない。敢えて言うなら、病院長であろう。
病院全体を挿入するのは、蛇足である。これについては、
発表を指導しているベテランや教授からも、反論もいただくことも多い。しかし、発表にはもう一つ重要な留意点がある。
それは、発表時間の遵守である。
「時間を守れない発表は、評価をしない」というひとも多い。
MSWは、地域という単位で活動する。
地元で、比較的近隣のひとが参加するところでの発表は、多少、時間がオーバーするぐらいは、許されるかもしれない。
ただ、県外や海外などの学会では、そうはいかない。時間超過は、帰りの飛行機や新幹線などに乗れないリスクがある。高額なキャンセル料や予定外の宿泊料金などが発生するリスクである。
つまり、病院全体について、イントロに挿入するのは、構わない。ただし、それが、「自分が多職種に伝えたい内容に沿っているのか?」が問題となる。
限られた発表時間のなかで、相手に要点を伝えるためには、本質以外の部分が削る必要がある。
稀に時間を気にせずに、丁寧な質疑応答を含めるベテランもいるが、ソーシャルワークは、相手の立場に立つ仕事である。
発表時間遵守は絶対。
本質以外の部分は削る。
この2つの点を理解するには、発表の反復、削る努力、相手の立場に立つ気持ちが必要であると考える。
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