【横瀬町/協力隊】4月【桜の名所編】🌸忘れられない約束🌸春が来たら、私たちはまた長留のしだれ桜で会いましょう~横瀬町の人々がご縁をつなげてくれた埼玉県秩父郡小鹿野町の物語~
みなさん、こんにちは
横瀬町地域おこし協力隊
ウェルビーイング担当のやすこです。
今回は横瀬町のお世話になっている方々に
「長留のしだれ桜」にお誘い頂きました。
目まぐるしい日々を過ごしていたので
長留の満開の桜を観て
春の美しさに
心癒したいと考えていましたが……
なんと「長留のしだれ桜」の名所を
守ってきた関係者から
インタビューをさせて頂けることになり
急遽、取材の準備をして
現地に向かいしました!!
名所の背景には想いをつなぐ
人々の輝くエピソードがある
長留には
穏やかで
しなやかで
優しい時間がながれていました。
1.長留のしだれ桜とは?
秩父地域に来てよく横瀬町の方々が
1市4町と言っていて
最初は意味が分かりませんでしたw
1市4町とは
秩父市、横瀬町(私の町)、皆野町、長瀞町、小鹿野町のことを言います。
私は普段「横瀬町」一色なので
他の秩父地域へ行く機会はほとんどありません。
なので私が他の地域に行くときは
横瀬町の方がご縁を運んできてくれたときだけです。
今回の長留という場所は
埼玉県秩父郡小鹿野町(おがの)にあります。
人口は 10,207人(令和6年4月1日現在)
横瀬町に比べ2,500人ほど多い町なんですね。
小鹿野情報はこちらから↓ 小鹿野町HPより
「長留のしだれ桜」の名所は
横瀬町からは車で24分くらいの場所にあります(近い!!)
GoogleMap
検索:長留のしだれ桜
住所〒368-0102 埼玉県秩父郡小鹿野町 県道 43 号線 長留川沿い
春になると長留川に沿って約2、3kmにわたり
しだれ桜が咲き誇るそうです。
それを支えているのが上長留14区の区民のみなさまです。
今回、急(当日)に
取材をさせて頂くことになったので
長留について事前に
情報収集はしていませんでした。
あとから調べようと思い
Webで検索をしましたが
「長留のしだれ桜」の名所に関する
詳細な情報があまりありませんでした。
名所なのになぜだろう……と
検索し続けていましたが
その理由として
インタビュー内容と合わせ
私なりの回答をだしました。
それは
小鹿野町の名所である
「長留のしだれ桜」は
上長留14区のみなさまの想いによって
築かれ、守られてきた場所だったからです。
春になると桜が満開に咲き
人の心を感動させるのは
上長留の人々の生きざまが
そうさせるのかもしれません。
背景的な資料が少ない中で
今回のインタビューの機会が
すごく貴重だったことに
改めて気づかされました。
いつも無茶ぶりだけど
素晴らしい機会を与えて下さる
坂本区長に心から感謝申し上げますw
それではご紹介させて頂きます。
2.【長留のしだれ桜】愛が名所をつくる
今回インタビューをさせて頂いたのは
2名の長留桜保存会の方々です。
お忙しい中、お時間下さりありがとうございました!!
①.長留桜保存会事務局長笠原敏彦さんの想い
Q長留のしだれ桜が名所となった経緯と笠原事務局長について教えて下さい!!
A(長留桜保存会 笠原事務局長)
今から37年前(1987年)くらいに長留川の河川工事をすることになりました。開発が進み、インフラが発展する一方で「自然が失われる」「自然を守りたい」という想いから、地元の有力者を含めた親の代が中心となり「何かしよう」ということがきっかけとなり河川敷にしだれ桜を植え始めました。こちらに影響されたのか下流の方々も桜を植えるようになり約2、3kmまでに広がり、現在「長留のしだれ桜」と呼ばれる名所となりました。
この時代(親世代)に桜を植えようという発想はあまりなかったんですよ。産業は農業が盛んで、経済的にも桜を植える余裕はなかったはずでした。だから桜を植えることは、先見の明を持った、先進的な取り組みだったのだと思います。
6年(2018年)くらい前に桜が大きくなり、見ごろを迎えました。そんな時、病気がちな桜があったので「それを何とか保存しよう」「親の代が植えてくれた桜を守っていこう」ということで、今の会長である笠原国夫さんが発起人と成り長留桜保存会を立ち上げました。その際、会員はどうするかと言うことで、地区の総会にて、全戸(23)約60名を対象に会員になって頂きこの会ができました。全員から賛成を頂き、会費2,000円を平等に納めて頂きました。この会費によって、草取りや肥料等を購入しました。そして、全員で協力して「長留のしだれ桜」を管理し、今現在まで守ってきています。
5年(2019年)くらい前に長留川しだれ桜まつりを開催し、このイベントが大成功でした。地元に歌手がいてコンサートをしたり、水墨画展、写真展などを催しました。ただ、2020年にコロナになり、開催できなくなり、現在となります。
Q長留桜保存会としてつなげていきたいことは何かありますか?
A(笠原事務局長)
これからも長留のしだれ桜を残していきたいという想いがあります。有料化等の観光地にはしないで、ここでしか見れない自然の風景を大切にしていきたいと考えています。何もないかもしれないけど、桜を観に来て頂いて、長留の景色で、日頃の疲れを癒して頂けたらなと思っています。会長としては、桜を病気にさせないで、守っていきたいという想いがあると思います。
Qこんなにもたくさんの人が来る桜の名所なのに、なぜ、観光地化しないのですか?事務局長としての想いはありますか?
A(笠原事務局長)
それは、親の代の想いをつなげ、この風景、桜たちを残していきたいという想いが一番強いからですね。ここに来てくださった方が、この場所は、変に観光地化されていないからとても良いと言ってくれます。ロケーションも良いですし、春になると一斉に桜とともに他の花々も咲きます。
事務局長としては、これからももっとたくさんの桜を植えていき、後世につなげ、長留の命をつなげていきたいと思っています。課題は、地域高齢化により来て頂いた方々の受け入れが今まで通りでは段々と難しくなりつつあることです。ただ、今やれることを精一杯させて頂き、多くの方々がここ「長留のしだれ桜」に来て、知って頂けると嬉しいなと思っています。
笠原事務局長、本日は貴重なお話を聞かせて頂きありがとうございました!!
②.長留桜保存会 会員 坂本唯一さんの想い
Q長留のしだれ桜への想いと坂本さんについて教えて下さい!
一本桜休憩所で美味しいコーヒーと和菓子を頂きました。
笠原事務局長に「なぜ無料でコーヒー&和菓子を提供しているのですか」とお聞きしたら「オーナーの坂本さんにお話しを伺うと良いよ」と言われました。こんなにもたくさんの方が訪れたら、クオリティの高いコーヒーと和菓子だけに有料でも喜ばれると思います。収益化できるのに、なぜ無料で提供しているのですか? これだけの集客があれば普通利益を求めると思うのですが……。それをあえてしないのはどのような想いが坂本さんにあるのですか?(私は長留桜保存会の会員のみなさんのボランティア精神に感銘を受け質問をさせて頂きました。地域活性化は経済を回すためにどのように利益を産み出すのかと考えるのが一般的。しかし、なぜ、坂本さんは無料でコーヒーと和菓子を長留にきた方々におもてなしし続けているのか……。)
A(長留桜保存会会員 長留写真クラブ 坂本さん)
この地域には約350年前から住んでいます。百姓として、農業をしていました。私は土地家屋調査士でもありました。
年1回「長留のしだれ桜」の時期に、多くの方々に来て頂き、楽しんでもらいたいと思っています。そして、長留は良いところだと感じて頂き、また、来て頂きたい。そのために約2、3kmの春花遊歩道とともに、訪れた方々に喜んで頂けるよう、相乗効果として、写真展や観音寺で水墨画展も開催しています。私は長留写真クラブの担当者でもあるので、写真展を多くの方に見て頂きたいと願っています。写真展に来て頂いた方には、コーヒーと和菓子の無料券を配布しています。楽しんで頂いた後に、この一本桜休憩所に来て頂き、美味しいコーヒーと和菓子を召し上がって頂ければと思い、ご用意しています。14区のボランティアの方々がお手伝いをして下さっていて大変助かっています。
実は、この一本桜は私の母が植えた桜なんです。なので、この場所で長留に来て頂いたみなさまに喜んで頂きたいという想いでおもてなしをさせて頂いています!
坂本さん、本日は貴重なお話を聞かせて頂きありがとうございました!!
3.長留のしだれ桜に想いを馳せる人々と出会い、横瀬町地域おこし協力隊の私が感じたこと
実は、長留のしだれ桜を観に行く前日に東京で研修がありました。
研修内容はマーケティング。講座の中でWSがあり、即興で観光をテーマにした企画書を作成し、講師にコメントを頂きました。
どのようなコメントだったかと言うと、
①稼がなくていいという考えは持たない方が良い②参加費は5000円(企画書は500円)が妥当。例えば、東京から秩父に行くにはお金がかかる。それでも行きたいと思ってもらい、行動に移せるようなクオリティの高いコンテンツを提供することが重要とアドバイス頂きました。
この資本主義社会の中で、稼がなければ生きてはいけない。稼ぐことは重要。でも、私は今まで稼ぐことに執着するより、生き方を大切にしてきたので当たり前のことを言われたと感じつつも、なんだか釈然としない気持ちで横瀬町に帰ってきました。
「稼ぐことは大切」「きれいごとじゃ食べていけない」分かる! ちゃんと理解している!
と自分を納得させようと思っていたのに、翌日、小鹿野町の長留の人々に出会い、生きざまって重要だと改めて思わせて頂くよい機会になりました。
前日からの翌日展開。なんて日だ! と自分に突っ込みを入れたくなりました。どちらの考えも大切です! でも、私の心はどっちよりか自分の気持ちは知っているような気がしました。
ウェルビーイング担当として、「人の幸せとは何か」をテーマにして活動している中で、長留の人々に出会い、生きることに対して大切なことを改めて学ばせて頂く機会になりました。
印象に残った言葉と姿勢……
●親の代からの桜を残したい。
●長留のしだれ桜は名所と呼ばれるようになったけど、あえて、観光地化せず、長留に来る人に喜んで欲しい。
●母が植えた一本桜の下で、長留の景色と美味しいコーヒー&和菓子を楽しんでもらいたい。
地方の課題解決の合言葉のように言われる
地域活性化
経済の循環
でも長留の人たちは
ここを目指しているのではないんだなと
思いました。
人口問題
少子高齢化
同じ地方の課題を抱えつつも
長留の人たちは
今、この瞬間に
自分が何ができるかに目を向け
大切に日々を生きている
素敵な人たちでした。
長留のしだれ桜の始まりは河川工事。
裕福だったから
桜を植えることができたのではない。
長留の人々が
この地域を愛し
後世に希望を残したいという
願いがあったから
桜を植え続け
親の想いを子どもたちも引き継ぎ
今、小鹿野町を代表する
桜の名所になったのではと感じました。
この場所には
長留を想う地域の人々の
深い愛情がありました。
忘れられない約束。
春が来たら、
私たちはまた長留のしだれ桜で会いましょうと
思わせてくれる、優しく、癒される場所でした。
親子愛でしょうか……。
長留桜保存会のみなさま、
ご協力ありがとうござました!
心から感謝申し上げます!
長留のしだれ桜、おすすめです!!
最後に、このご縁を下さった
チーム横瀬のみなさんと記念撮影!
本日も、長文を読んでくださりありがとうございました^^
では、また、次回。
リールで動画をつくりました!↓
みなさまにたくさんの愛と幸せが訪れますように!!