悔いが残らないように 〜暑かった一日と美味しいものへの思い〜
4カ月ぶりにに東京へ行ってきた。
娘が進学を希望する学校へ行き、寮の見学もしてきた。
東京へ行くとよく歩く。
普段、車生活で、暑い中を歩くということはあまりないので、身体に堪えた。
何年か前に、
「50代女性…帰宅後涼しい部屋で休んだが数時間後に熱中症で死亡…」
という記事を読んだことがある。
高齢者じゃなくてもそんなことが!
数時間後に?
涼しい部屋で休んでそのとき大丈夫でも安心できないのか。
以来、暑い日にはそれを思い出し、用心している。
コワイ、コワイ。
無理は決してしていない。
長時間外を歩き続けたわけでもなく、日傘も使用していた。
しかし、この暑さ。
日傘をさしていても、身体に触れる空気が熱い。
涼しい建物や電車内にいる時間もあった。
それでも、身体の中に溜まった熱が取れない感じ。
普段、暑さに慣れていない私のような人は危ないのだろう。
頭が痛くなってきて、コンビニに避難。
はぁ、助かった。ありがとう。
心からそう思う。
命拾い。
大袈裟でなく。
イートインコーナーで水分と栄養を補給しながら、しばらく涼む。
娘はおやつにおにぎりを食べた。
この子は中学生の頃、おやつによく納豆ご飯を食べていたな。
懐かしく思い出す。
帰りの東京駅は、いつもながらすごい人だった。
はぐれないように娘の手を引く。
娘が幼児の頃を思い出し、その頃のように、守らねばという気持ちになって手を繋いで歩く。
小さい頃は、必ず手を繋いで歩いていた。
いつから繋がなくなったんだろう。
東京駅の人混みありがとう…。
お土産にお菓子を買った。
見た瞬間に「美味しい」と思ったので、迷わずこれに決めた。
実は、行く前に他のものを買おうと決めていたのだが、それはまた次回にしようということで娘も了承。
買ったのは初めてだが、前に誰かに貰ったことがあった気がする。
だから、目に入った情報から、「これは美味しいものだ」という既にあった情報が引き出されたのだろうか。
家に帰ってからも暑くて暑くて仕方がない。
飲んでも飲んでも乾いた感じがする。
ああ、数時間後に死んだらどうしよう。
そうだ、悔いが残らないようにこれ食べておこう。
そう思ってキャラメルウィッチをひとつ食べた。
美味しかった〜。幸せ。
ひとまず、万一のことがあっても、このお菓子については悔いることはないだろう。
食べたかったのに食べれないまま死んでしまったら…。
そのことをずっと悔いている霊にはなりたくない。
もっと他に悔いることはあるのだ。
「あのとき、あれが食べれなかった。」
こういう思いは意外とずっと残るものだ。
娘の中学生最後の給食が、大きなじゃがいもの入ったカレーだったそうだ。
じゃがいも大好きな娘は楽しみにしていたが、なんと、自分のお皿に盛られたカレーにはじゃがいもが入っていなかった!
それから2年半経った今も、
「カレーというと、あのときじゃがいも食べれなかったことを思い出す。」
と残念がっている。
私の父も、食べれなかったと悔いているものがある。
私の結婚披露宴の、料理の最後に出たマスクメロン。
さあ、食べよう、というときに、
「お父様、こちらへ。」
と呼ばれ、その後、席に戻れず、食べることができなかったそうだ。
そのことを何年経っても、何度も言っていた。
…私たち家族が、美味しいものに執着があるというだけだろうか…。
ミナサン、ドウデスカ。
冗談じゃなく、本当に死んだりしないよう、その後、アイス枕を首に当ててしばらく休んだ。
寝る頃にもまだ首周りを中心に火照りを感じたので、アイス枕を使用。
明け方、目が覚めたら、首から脇にかけて妙に熱くて辛い。
まさかと思い熱を測ったが、いつもより低いぐらいだった。
自律神経の乱れか。
子どもが小さい頃、熱を出したときに使っていた、やわらかい小さい保冷剤を持ってきて冷やす。
こんなに後を引くのか。
暑いって本当に怖い。
そんなふうではあったが、
次の日も無事にキャラメルウィッチを食べることができた。
この暑さなので冷蔵庫に入れておいたが、冷えてとろけないのもまた美味しい。
幸せだ。
また近いうちに東京へ行く予定があり、少し外を歩く。
日傘、ネッククーラーだけでは足りなかったので、もう少しできることはないか調べて対策したいと思う。
どなたさまも、無事に夏を乗り切り、幸せに過ごせますように。