ギルド機能の設計で気をつけるポイント
今回は、ギルド機能を設計するときに気をつけるポイントについて書いていきたいと思います
基本無料(F2P)のゲームにおいては、理不尽な設計をすると、離脱の原因になってしまうので、基本的にはうまく工夫をして理不尽に感じないように配慮をするのですが、ギルド機能に関しては、ギルドが結成できる仕組みさえあれば、熱量高いユーザーは多少の理不尽をものともせずに楽しめるので、表面化しづらいため、理不尽な設計が時々生まれてしまいます。
なので、今回はその対策について、簡単な現実でのグルーピングでのケーススタディについて解説していきたいと思います
よくあるギルドの機能
よくあるのギルド機能だと、例えば2日ログイン無しで除名など、予めある程度の決められた条件を提示して入ってもらうみたいなことが出来たりしますし、自由に参加できるものだけでなく、完全に招待制のところもあります
もちろん、リーダーの権限もあるので、退会や役職への任命なども出来ます
このように、ギルドに参加するメンバーも、主催側も、お互いがどういう目的を持ってギルドを形成していくのか、そのあたりの権限と義務もしっかりセットで付いてきていることが多いです
しかし、これらが理不尽だったら、どうでしょうか
私が最近リアルの取り組みで遭遇したものがあり、それをゲーム風にアレンジしてお伝えさせていただきますので、どう改善すればよいのか、一緒に考えてみましょう(誇張などももちろんあります!)
理不尽なギルド機能の例
例えば、あなたはやる気のあふれるプレイヤーだとします。
このゲームにも課金をしていて、ギルドイベントも積極的にやっていこう、という温度感でした
そこで、あるアクティビティをギルドで行うことになりました。例えば、ボスの撃破などが良い例かと思います。もちろん成績上位者であれば報酬ももらえます
普通のゲームだったら、やる気のありそうなギルドを探して、それで報酬を獲得するために、コミュニケーションを取って行う
となりますよね
しかし、今回のギルドは、運営側からの強制的なギルド加入となります
まぁ、とりあえず全員課金ユーザーの括りだし、みんなやる気あるだろうから自分も頑張ろーと思い、ギルド掲示板でやり取りをしていると、メンバーの一人がボス攻撃をせず、応答もありません
あれ?全員課金ユーザーのはずなのに何故だろう…
まぁ、それでも自分が頑張ればなんとかなるかな、と思いつつ、アクティビティに取り組むことにしましたが、ここで得点のレベルデザイン設計が悪く、さらなる理不尽な思いをします
途中経過ランキングが発表されましたが、なんと、「ボス攻撃参加率」がランキング寄与度として高いロジックになっていました
つまり、4人ギルドのうち、1人でも完全不参加メンバーがいたら、他の3人がどんなに頑張っても詰む設計だったのです‥
逆に、そこまでアクティビティがなくても、全員とりあえずボスを攻撃すれば、上位に行ける設計でした…
このままでは、上位の報酬はもらえない…もちろん、ギルドリーダーに除名などの権限はありません…
最初は、この仕組みのせいで報酬が取れないことに怒りを感じていましたが、徐々に諦めの気持ちが勝ってきて、課金していたものの熱が冷め、やがてこのゲームを辞めることにしました…
さて、今回のケースはどう改善すればいいでしょうか?
ポイントは3つありまして、
・ギルドの組ませ方
・除名などの権限
・ギルドアクティビティの得点ロジック
が論点になるかと思います
ギルドの組ませ方
初歩的ではありますが、まずはギルドを有志にするというのが一つあります。これでやる気のないメンバーは集まらないので、これをすれば良さそうに見えますが、逆を言うと自分でメンバーを見つけないといけないので、知り合いがいなかったり、メンバーを見つける手段がない場合、この方法でやってしまうと、一人ギルドがたくさんできてしまい、ギルドの意味自体がなくなってしまいます
ちなみに、F2Pゲームでも、任意でギルド設立できるものの、設立されたギルドへの誘導を行ったり、募集するためのゲーム内の仕組みがないために、一人ギルドが乱立してしまうゲームはよく見かけます(体験談)
必要な権限を付与する
こちらは、参加状況が芳しくないメンバーに対して除名やチェンジなどの権限を行使できる権限を付与するというものです。前述のギルドを有志に変えたとしても、途中でやる気なくしたりする可能性もあるので、同様の措置は必要です
この場合は、権限発動条件の制限を考える必要があります。例えば、簡単に権限が発動出来すぎると専制君主化するので、例えば敵ボスへの攻撃を一定時間行わなかったり、ログインがなかったり、のような条件とセットで行うことが出来るのが望ましいです
ギルドアクティビティの得点ロジック
最後はこれになりますが、これが一番難しいものでもあります
例えば、ギルドで一番頑張っている人の得点がギルドの成績に反映される、みたいな極端なロジックにしてしまうと、一人でやっているのとかわらないので、ギルドの意味がなくなってしまいますし、みんなボスを1度でも攻撃するかどうか、みたいな、今回の例のような極端なロジックでも、やる気が削がれてしまいますよね
なので、この場合は、例えば、
ギルドの得点=個人の得点の合計&ギルドで一番頑張った人の得点を2倍にする
のような、個人での頑張りも、みんなの頑張りも、両方バランスの取れた得点ロジックを組むことが解決策になってきます
まとめ
今回は、あえて、リアルでの理不尽な設計をテーマに、アプリゲームで同じことが起こったらどう対策すればいいか?を書いてみましたが、あまりゲームでここまで理不尽な設計は見かけないですよね…
理不尽な設計という観点だと、実はリアルで実名でかつ、同じ目的や趣味を共にする人の集い(ギルド)のほうが、他に選択肢がなかったり、実名なので本音を言いにくく、理不尽要素がその分そのまま放置されがちなので、すが、F2Pゲームのように、容易に離脱できてかつ匿名だと、ちょっとでも理不尽さがあると離脱に繋がってしまいます
逆を言うと、アプリゲームでのギルド機能はかなり洗練されているとも言えるので、是非ギルド機能に触れる機会があったら、理不尽対策をどのようにしているのか、分析してみてくださいね
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