土用丑の日
今日は土用の丑の日。
平賀源内のアイデアによって鰻を食べる日、として有名ですが
鰻だけじゃなく『う』のつく物を食べると良い、という本来の風習も知られるようになりました。
土用って夏だけじゃなく、春夏秋冬それぞれにあります。
立春、立夏、立秋、立冬の18〜9日前の期間のことで、
次の季節に移り変わる前の準備期間のようなものです。
真夏なのに次の季節?
はい、今年の立秋は8月8日。
夏真っ盛り!
その季節の一番盛りの頃に次の季節の芽が出る、と考えているからです。
なので立秋に向かっている今の時期がいっちばん暑いとき。
今年も猛暑が続くのもうなずけます。
鰻は、「氣=生命エネルギー」や「血」を補う作用が優れた食材。
この激しい暑さで汗をかき、「氣」や「陰液(血液や水分)」を消耗するので、それを補ってくれるので、この時期に鰻を食べるのは理にかなったこと。
けれど鰻の蒲焼は、脂っこく甘く味が濃いので、胃腸の働きを弱らせてしまうこともあります。
なので、消化を助け胃もたれを防ぐ作用のある山椒をかけることでバランスを取るのが良いのです。
でも、暑さやエアコンの冷気にやられてしまい、胃の調子がイマイチ
食欲もないんだよなぁ
なんて方は、無理に鰻を食べることはありません。
実は夏は、胃の働きが弱くなりやすい季節でもあるのです。
生命の科学アーユルヴェーダでは、夏という季節は「ピッタ=火・水のエネルギー」が増えると捉えます。
まさに燃えるような暑さ、そして日本の夏は湿気がたっぷり。
ピッタは消化や代謝機能の原動力。
人の身体の消化の力は「アグニ」=消化の火。
人も自然の一部なので、自然界の状態に影響を受けます。
外気温が高くなりピッタが上がると身体はバランスをとり、
自分の身体の中の消化の力=アグニが一年のうちで最小になります。
暑さがアグニ(消化の火)を弱めるので消化力が落ちる。
「氣」や「血」を補う作用が優れた鰻や身体に良い食べ物を食べても、
胃腸が元気でなければ、消化吸収して身体が使える氣血に変えることが出来ず、未消化物=アーマ=老廃物となって、身体に溜まってしまいます。
胃が重だるくなったり、便秘や下痢をしたり。
もし、今、胃の具合が今ひとつだな〜と感じているならば、
鰻で精をつけようとせず、胃を労り休めてあげてくださいね。
さっぱりしたものが食べたいならば、「う」のつくウリ科の食べ物や、梅干し、うどんがおすすめです。
スイカ、メロン、きゅうり、冬瓜、ゴーヤなど。
キンキンに冷やすのではなく、流水や氷水で冷やした程度。
ミネラルを含んだ天然塩で頂くとなお良いです。
きゅうりや紫蘇、梅干しをトッピングに加えたうどんも良いですね。
ウリ科の食べ物は身体にこもった熱を冷まし、汗で消耗した水分を補ってくれます。
身体を冷やす食材なので、お腹に冷えを感じている方や下痢気味の方は控えた方が良いでしょう。
そんな時は、甘酒がおすすめ。
米麹で作った甘酒です。
おろし生姜をトッピングにすると完璧。
土用の時期は白くて自然な甘さのある食べ物が食薬になります。
今日も猛暑。
適度に暑さを避けて、健やかにお過ごしくださいね。
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