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The End

夜の帳も下りた頃
轟音と共に
左右に交錯する
黄色の帯
美しくて
漠然と
見つめる
轟音と鐘の音
螺旋状になって
黄色の帯へ
吸い込まれ
私も一緒に
吸い込まれ
ばらばらの
只の物体になり
私は私でなくなる
背後では
何やらざわめきが
起こっていて
黄色の帯は
帯ではなくなっていて
人々は
忙しく立ち働いていて
轟音も鐘の音も
いつしか
聞こえなくなった
でも
其れは
私だけが
聞こえていないのであって
忙しく立ち働く
人々にも
何の感謝ひとつしていない
申し訳ない気持ちも
有りはしない
The End
其れは
呆気ない終焉などでなく
多くの人の手を
煩わした
愚かな選択だったのだ
The End
私は
後世まで語り継がれる
愚か者

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