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ここ数十年の純文学の流れを一気に掴むための新書二冊

りの雑談ページを開いてくださりありがとうございます。りと申します。
自己紹介以外の投稿は本投稿が初めてとなります。文章構成や誤字脱字がありましたらすみません。(投稿前には確認しますが…)

早速、今回のタイトル「ここ数十年の純文学の流れを一気に掴むための新書二冊」と題して、二冊の新書を紹介します。
実際、現代の国内純文学を論じた本は少ないです。そのなかでここ最近になって出版されたのが、高橋源一郎さんと斎藤美奈子さんの『この30年の小説、ぜんぶ』(河出新書)と、同じく斎藤美奈子さんの『日本の同時代小説』(岩波新書)です。
ではそれぞれの作品の説明を簡潔に書いていきます。

この30年の小説、ぜんぶ(河出新書)

30年とタイトルには書いてありますが、ここ10年から15年くらいの作品が多く取り扱われています。それでも、平成後期の純文学の流れと世の中と文学の関連を掴むには、非常に役に立つ一冊です。

著者は高橋源一郎さんと斎藤美奈子さんです。(本書は2人の対話形式)
このお二人は、本読みのプロとこの本のカバーにも書いてある通り、素人の自分とは全く別の視点で作品を扱っていました。そして、二人とも知識量が豊富で、様々な別の作品と関連させて、文学を語るので説得力もずば抜けています…

これだけ純文学を深読みできればいいなと思いつつ、色んな作品に触れて深読みできるように努力しないとなと思います。


日本の同時代小説(岩波新書)

こちらは斎藤美奈子さんが書かれた新書となっています。1960年代から2000年代にかけての国内純文学の流れを一挙に追っていくスタイルの構成になっています。

この本は、昭和から平成にかけての純文学の変遷と当時の作家の意識の変わり方を知りたい人にはおすすめです。『この30年の小説、ぜんぶ』では2010年代が中心でしたが、こちらの本は半世紀をカバーしているので、さらに俯瞰して見ることができます。

岩波新書からかなり昔ですが、『日本の近代小説』という中村光夫さんが書いた本がありますが、戦前が対象なので、それ以後の文学の流れについて読むのであれば、『日本の同時代小説』が当てはまります。


おわりに

この二冊をここ数十年の純文学の流れを一気に掴むための新書として紹介しました。

この二冊を十分に読めば、日本の文学の流れや風潮を八割方理解することができます。残りの二割は、実際に紹介された作品を自分で読んで、エッセンスを感じ取ってみてください。

やはり、書評や解説書を読むだけではなく、実際に自分で読まないと文学の深淵にはたどり着かないと思っています。

「作品を読んでなんぼ」とまでは言いませんが、やはり読んだ量がものを言うと思います。

以上で今回の投稿を〆させていただきます。ありがとうございました。



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