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「もめごと」や「困ったこと」は、子どもたちが主体的になれるサポートを!

「先生、あんなちょっと聞いてよ!」

担任をしていると、子どもたちがこんな風に荒い息で話をしてくることがありますよね?友達とのことで困ったことがあって、話をしに来る子は、先生に聞いてもらいたい、何とかしてもらいたい・・・と考えていることは間違いありません。当然その中には、大人が守ることが必要な時がありますので、そんな時は、絶対的に介入することが必要です。


しかしながら、息を荒くして話をしに来る中にも、いろいろな種類があることに注意を払う必要があります。関西でよく、「言うたろ、言うたろ、先生に言うたろ♬」と節をつけて歌う子どもがいますが、まさにそれ。

先生に「言いつける」ことで、困ったことを何とかしようと思っていることがあります。場合によっては、「先生に話す」ということが、「相手にいやな思いをさせ、やり返す」ための一つのツールになってしまっている・・・・ということがあるのです。

そんな時の子どもたちは非常に巧妙で、役者のようにふるまい、時には泣きながら相談にくることもあります。そして、こちらが話を真剣に受け止めて問題を引き受け、相手の子に真剣に話をしている横で、相談に来た子が悪い笑顔でニタニタと相手の子を見ている・・・ということがあります。

子どもたちが相談に来ることのねらいは様々ですが、いずれにしても、できることなら、子どもたち自身が行動することで、困ったことに対処することができるようになってもらいたいものです。

子ども達が主体になれるサポートを!

困ったことがあって相談に来る子どもたちは、ただただ大人に頼っている・・・のではありません。教室の子どもたちを見ていると、困ったことを自分で解決できるといったイメージをもっていないことが多いようです。

困ったことがあっても、どうしていいか分からない・・・、自信がない・・・という感じです。だから、どうすることもできなくて、相手に対する怒りをそのまま表現したり、教師に問題を肩代わりしてもらったりことで解決する・・・という行動を選択するのでしょう。

では、子どもたちが自信をもって解決に向かうことができるようにするためにはどうしたらいいのでしょうか?おそらく、子どもたちはすぐにうまくできるようになるということはないでしょう。失敗も含めて、たくさんの経験をすることが求められるでしょう。そのための先生の役割は、子どもたちの問題を引き受けて解決してしまうのではなく、子どもたち自身が解決することをサポートする支援者になり切ることが大切です。できれば、「あなたならできる!」という信念をもってできることをサポートしたいもの。


しかし、「自分でやりなさい!」と言ったからといって、すぐにうまくできる・・・というものではありません。スキルも自信もないのに、丸投げしてしまったら、どう考えても結果はよくはなりません。初めのうちは、うまくいかないことも多いので、先生がサポートすることが必要でしょう。そこで、教室で確実に使えるオススメサポートを2つ紹介します。

オススメサポート①「選択肢」を示す


1つ目のオススメサポートは子どもたちができる「選択肢」を示すということです。子どもたちが友達の批判や文句を言って来たり、相談しに来たりした時に「選択肢」を示して、この中から選んでもらいます。オススメの選択肢は5つ。

① 友達に助けてもらって、話をしに行く。
② 先生に助けてもらって、話をしに行く。
③ 先生に代わりに話をしてもらう。
④ 教室の議題箱に入れる。
⑤ とりあえず様子をみる。

 この「選択肢」を、子どもたちが話をしに来る度に示すことで、話を先生が問題を「引き受ける」ということを避け、子どもたち自身がいくつかの「選択肢」から自分が決めて、自分で行動するということをサポートすることができます。


この5つの「選択肢」を示すと、③を選ぶ・・・と予想される方も多いと思いますが、意外にも、子どもたちの多くは①と②を選びます。つまり子どもたちは、サポートがあればチャレンジしようと感じることが多いようです。

オススメサポート②「オタスケマット」

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2つ目のオススメサポートは「オタスケマット」です。先ほどの「選択肢」の中だと、①や②の時に使います。図のように話し合いをしたい二人が向かい合って立って話し合いをするためのものです。

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 マットは、段ボール(1m×80cmくらい)に3つの足形を書き込んだら完成!驚くほどすぐできますので、教室に常備しておくことがオススメです。必要な時にサッと差し出すようにすることで、楽しく意識付けすることができます。

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マットの真ん中には、図のように「かいけつの4つのステップ」など、話し合いの手順を書いたものを貼っておくこともオススメです。「オタスケマン」はやってみると意外と難しいので、セリフが書いてあるこのような手順を示しておくといいでしょう。初めはうまくいかないかもしれませんが、「オタスケマット」で楽しみながら、話し合う経験を積み重ねていくことで、子どもたちが力をつけていくことができます。

友達の批判や文句を言ってくる・・・というときは、子どもたちが力をつけるためのチャンスです!いつでも、子どもたちが行動できるように教室にちっとしたサポートを準備しておいて、子どもたち自身が解決することを支援し、子どもたちが困ったことに対処できるスキルや自信が身につけられるように勇気づけていきましょう。

店長敬白。

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