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「『クラス会議』を学習指導要領に位置づけるってことにこだわってきた理由」その②

「クラス会議」の課題は「いつやるのか?」ってこと。

おそらく「クラス会議」に取り組んだことがある人だったら、その良さを実感されている人が多いと思います。でも、いざやるとなると、課題になるのは「いつやるのか?」ってこと。

「クラス会議」のことが書いてある「Positive Discipline in the Classroom」には、「短時間もいいから毎日する方がいい」ということが示されていることと、学校で毎日の時間を設定しようと思ったら、朝の会が一番良いのではないかということで、朝の会での実践をしてきました。

ただ、学校によっては、朝の会でさまざまな活動が設定されていて実践できない…という課題があり、「『学級活動』や『道徳』の時間を使ってやっています。」という方もおられます。おそらく、こういった授業の時間を割くと、批判されるか指摘をされると思います。

「なんでこんないい活動なのに批判するのか?」

そんな声を聞くこともありますが、授業時間を割くのであれば「批判はあって当然」です。なぜかというと、アタリマエだけど、授業時間は学習指導要領に縛られているからです。

つまり、「学級活動」の時間にやるのであれば「学級活動」の指導要領の中で、「道徳」の時間にやるのであれば「道徳」の指導要領の中で、説明ができければ批判されるか指摘をされます。

いくらいい活動だと主張しても、納得してもらえるところまでは辿り着かないのです。素晴らしい活動だと思ってもらえたとしても、実践することが広がらなかったり、公的には応援してもらえません。

極論ですが、「算数の時間に『どんな計算でもすぐにできる計算機』を使うと計算がバッチリできるようになる!」とか「国語の時間に『絶対にハマる本を教材にして学べば力がつく!』」と主張しているようなものと同じになってしまうのです。

きちんと位置付けることができれば、間違いなく広がっていく。

教育センターでS先生に会うまで、ボクはこれが全く理解できていなかったのです。教育課程に位置付ける、つまり指導要領の中のどこに位置づく活動なのかを説明できて初めて、みんなが話を聞いてくれたり、広げてもらえたりするのです。

教育センターでの研究の後、滋賀県教育委員会の「児童生徒が絆をつむぐ学校づくり」という資料に大きく取り上げてもらうことができました。また、滋賀県内の「特別活動部会」の行事でも、シンポジウムのパネリストとして招かれたこともありました。

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「クラス会議」は本当に素晴らしい活動です。ただ、どうしても、各教科の「『学習指導要領』には位置付けられず、ぶつかってしまうもの」というイメージが出てきてしまいます。それではもったいないので、ぜひしっかりと位置付けを説明し長ら広げていってもらいたいと思うのです。

「クラス会議」は、学級活動の活動内容(2)に位置付く。

「小学校学習指導要領特別活動編」の学級活動の学習内容は、以下の10個の項目があります。

(1) 学級や学校における生活づくりへの参画
 ア  学級や学校における生活上の諸問題の解決
 イ  学級内の組織づくりや役割の自覚
 ウ  学校における多様な集団の生活の向上
(2) 日常の生活や学習への適応と自己の成長及 び健康安全
 ア  基本的な生活習慣の形成
 イ  よりよい人間関係の形成
 ウ  心身ともに健康で安全な生活態度の形成
 エ  食育の観点を踏まえた学校給食と望ましい食習慣の形成
(3) 一人一人のキャリア形成と自己実現
 ア  現在や将来に希望や目標をもって生きる意欲 や態度の形成
 イ  社会参画意識の醸成や働くことの意義の理解
 ウ  主体的な学習態度の形成と学校図書館等の活用

(1)にいわゆる「学級会」を含みます。年間35時間で行うので、この内容を網羅しないといけません。つまり、「学級会」ばかりをすることさえできないのです。「クラス会議」はというと、(1)には位置付けられません。なぜなら、「学級会」は、ふさわしい議題を選定し1時間をかけて話合い、「集団目標を集団決定する」話合いだからです。みんなの問題を話合い、みんなの目標を、みんなで決めるます。

「クラス会議」は…?というと、(2)のイ「よりよい人間関係の形成」に位置付けることができます。ただ、この「学級活動」の時間に「クラス会議」をやるのではなく、みんなに共通の問題を「題材」にして、それぞれの個人目標を1人1人が「意思決定」します。

題材としては、
・「悩みや困ったことを解決しよう!」
・「ありがとう」を伝えよう!
・「ルール」を守って活動しよう!
など、みんなに共通する課題について、話合った後にそれぞれが「個人目標」を決めて、その目標を意識しながら、「クラス会議」の活動に取り組んでいく…といった感じです。

どの学年であっても、「よりよい人間関係の形成」についての学習の練習の場であったり、意識して実践する場として「クラス会議」を設定します。このことは、指導要領にも以下のようにしっかりと書いてあります。

学級活動に充て得る時間にも限りがあることから,年度の途中で偶発的に発生する問題を全て学級活動として取り上げるのではなく,例えば朝や帰りの時間などを活用して随時指導するなどの配慮をすることが大切である。

偶発的に発生する問題についても、「クラス会議」の時間の「議題の話し合い」として対処していくことで、「学級会」の「議題の話合い」とも関連させて取り組むことができます。

このように位置付けつつ、「クラス会議」を実践していくことで、学級の雰囲気を高めていくことができるのです。


この話、またちょっと続けていきたいと思います。
もしも、ご意見等ありましたら、ぜひ店長までお知らせください。


店長敬白。


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