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日がな一日言語学

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認知言語学者の日常的ことば遊び場的ななにか
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#日記

silent、フィクションで障害を扱うことによせて

silentが終わった。いろいろあったけど「優生」のことは、さすがに看過できなかった。それ以外はまあ、アップデートがあったのかなと思って見た。豊川悦司が孤独なろうの青年を演じて手話ブームを起こした「愛していると言ってくれ」が1995年だというから、四半世紀を経て、何が起こるか確認しなければと思っていたこともあり、silentはリアルタイムでないにせよ、週1のペースで拝見した。 声でしゃべれない人を扱うと画面が見てもらえる「聞こえない人」を扱うと言うより、「(声で)しゃべれな

キツネはワンワン

大福丸の最初のことばは「パパ」だったとは思うのだけれど、「ワンワン」というのもほぼ同時に覚えた語だった。当初、タブレットで見せていたミッフィーのアニメーションに出てくるスナッフィーっていう犬(ミッフィーはウサギのくせに犬を飼っている)のことだと思っていたけど、おそらくミッフィー動画を見たいという意味で定着し、親がタブレットをいじっていると手を伸ばして「ワンワン」と言っていた。最近はなんでも語尾に「チ」がつくので「ワンワンチ」といっている。 同じくミッフィーのおもちゃである入

モチ語

1歳児はモチのようなので「大福丸」と呼んでいる。彼女の話すことばは「モチ語」という名前で呼んでいる。モチの妖精だか妖怪だかよくわからないけど、とにかくもちもちしているからである。 さて、モチ語の特徴は、ときどき日本語の借用があるということである。しかしどうも日本語とはかなり違う。 たとえば「パパ」。どうやらこれは理解しているようで、初期の頃は「ぱぁぱ」とか言っていたのが、下降調の「ぱぱー」になり、最近はなぜかよくわからない接尾辞がついて「パパチ」といっている。 この語尾