見出し画像

急がば飛ばせ瀬田の唐橋 成瀬が教えてくれない大津観光案内 ④

前回の記事


大津中南部観光の拠点石山駅

JR琵琶湖線石山駅・京阪石山坂本線京阪石山駅は、互いの駅構内が繋がっている。石山駅は乗り換え駅であるとともに、JRは新快速が止まるので、石山寺を含めた大津観光をするには、まず石山駅を目指すといい。駅周辺には、成瀬とコラボキャンペーンを展開するオープンしたばかりのうなぎの成瀬 大津石山店(大津市内には堅田店もある)や、

『成瀬は信じた道をいく』にも登場する近江牛の名店松喜屋などがある。

ここから先が私の案内になるが、まず一つ検討しなければならないことがある。石山寺に行くのが目的の方は、南口から京阪バスに乗り換えて、石山寺山門前バス停で下りるのが最も早く着く。既に京阪大津線のフリーきっぷを買った方は、石山駅を通過して京阪石山寺駅で下りてから、しばらく瀬田川沿いを1kmちょっと歩くか、石山寺駅から山門前まで京阪バスに乗るか、体力と相談して選ぶといい。

瀬田川をずっと南に下ったところに、和菓子で有名な叶匠壽庵かのうしょうじゅあんが手がける里山の苑地寿長生すないさとがある。寿長生の郷へは石山駅から無料シャトルバスが出ている。
このシャトルバスは寿長生の郷に直行するが、帰りの便の発車前に申し出れば、瀬田川沿いの各観光施設や駅・バス停で下ろしてくれる。下りた後も京阪バスで石山駅に戻ることができる。

そういうわけで、石山駅と石山寺駅の間にある瀬田の唐橋一帯は、時間帯を問わずに見て回れる場所が多いので、石山寺駅以南の各地での観光を済ませてから、戻りがてら行くのが良いかもしれない。身も蓋もない記事のタイトルは、正確に言うなら「急がば後から回れ瀬田の唐橋」であって、行かなくても良いと言うつもりはさらさらない。
石山寺や寿長生の郷などについては、次回以降で順次詳しく紹介するが、今回は敢えて石山寺駅から石山駅に戻る形で、その間にあるスポットを案内するぞ。

ルートマップ(瀬田の唐橋)↓

瀬田川

琵琶湖から流れ出る唯一の川がこの瀬田川だ。大津市域を流れるまでは瀬田川と呼ばれるが、その後は宇治川、そして淀川と呼び名が変わる。琵琶湖は河川法の上では淀川水系の水源地ということになるそうだ。琵琶湖には何百本の川が注ぎ込むのに、出て行くのは瀬田川ただ一本のみってところが面白いね。
瀬田川を歩くと気づくのが、自分が立っている目線と川面が近いことだ。私がこの界隈を気に入っているのは、おそらくこの水を湛える様なんだろうな。
瀬田の唐橋から南郷までは、瀬田川ぐるりさんぽ道として国交省が整備している。この散策路や近辺の施設については、のちの回で詳しく案内する。

住友活機園

第2代住友総理事の伊庭貞剛の別荘として建てられた、ハーフティンバー様式の洋館と数寄屋造りの邸宅だ。普段は住友グループの迎賓館として使われており、一般は事前予約制の特別公開でしか見学できないので、ホームページをチェックして早めに申し込みたい。希望者が多い場合は抽選になる。修学院離宮を見学するようなもので、VIP気分を味わえるぞ。

ちなみに、安土にも伊庭家住宅が所在し、こちらはウィリアム・ヴォーリズが設計を手がけている。年中一般公開されているので、活機園の特別公開が待てない方は、訪れてみるのもいいだろう。

瀬田の唐橋

唐橋前駅・バス停で下りて東に向かえば、「急がば回れ」という有名なことわざで知られる瀬田の唐橋に出る。

ことわざは、平安時代の歌人源俊頼か、室町時代の連歌師宗長(そうちょう)が詠んだとされる和歌「武士(もののふ)のやばせの舟は早くとも急がばまわれ瀬田の長橋」に由来する。

 琵琶湖上を行く渡し船より、遠回りでも瀬田橋を通る陸路の方が確実ということだ。

中日新聞web
矢橋の渡しよりも、唐橋を渡るべき理由

瀬田の唐橋は壬申の乱など、数々の歴史の分岐点の舞台になった。「唐橋を制する者は、天下を制す」と言われるほどで、興味がある方は碑や看板の説明書きを読み込むと楽しめるだろう。

山崎太郎(山崎橋)、勢多せた次郎(唐橋)、宇治三郎(宇治橋)が日本三古橋で、長男の山崎太郎はとっくに架かっていない。なお、なぜこの並び順かは今もって謎である。これからは唐橋を気軽に「次郎」と呼ぼうぜ。
瀬田の唐橋が架かる瀬田川は、近江八景勢多夕照せたのゆうしょう」として、古くからその風光明媚な姿が、旅人を惹き付けてきた。

歌川広重「近江八景図・瀬田夕照」

私は、唐橋には中之島があり、大橋と小橋が繋がっているのが好きだ。現在の唐橋は自動車が通るためにコンクリート製になっているものの、欄干の擬宝珠などに往時の雰囲気を残す工夫がなされている。

オムライスケンゾウ

瀬田の唐橋を渡って、建部大社に程近い場所にあるオムライス専門店。とろとろハヤシを注文したが、美味しくて大盛りにすれば良かったと軽く後悔しちゃったよ。バーとしても営業していたようで、店内は結構オサレだ。

お値段も手頃でメニューの種類が多いので、何を注文しようか大いに迷ってくれ。

建部たけべ大社

近江国一宮の由緒ある古社だけど、大国近江の一宮ならさぞかし立派なのかと思いきや、規模的には村の神社と大差なくて拍子抜けした。普段は地域の守り神として親しまれているのだろう。しかし、さすがに別格の神社だけのことはあり、境内の至る所がしっかりと手入れされており、参拝すれば気持ちが整うこと請け合いだ。一宮マニアでなくとも、スルーする手はない。

雲住寺・龍王宮秀郷社りゅうおうぐうひでさとしゃ

大ムカデ退治伝説の藤俵太(藤原秀郷)を祀った神社と寺。瀬田の唐橋には藤俵太の像や解説された看板があるので、後からじっくり見るがいい。お寺に電話でお願いすると「夕照の間」から瀬田川を眺められるが、観光寺院ではないので控えめにね。

境内にはムカデ供養の百足堂がある。神社は唐橋東詰のたもとなのでさっさと立ち寄ってみよう。

オステリアチエロアルト

瀬田川を眺めながらのイタリアンランチはなかなかいい気分だ。

ここのパスタは美味しかったが、おまかせコースのジビエ料理が自慢ということ。

こちらは食べていないが、時間をゆっくりとって注文すれば良かったと後悔している。
次は鹿肉でリベンジしたる。

伽藍堂からんどう

かき氷が名物で夏には行列ができる。いくつものかき氷の店に行った人に言わせると、ここが一番美味しいとのこと。「お前はどう思ったんだ?」とツッコミが入りそうだが、かき氷を食べると頭が痛くなるタチなので、10月の途中までらしいかき氷の提供が終了した後の秋に行ったんだな。お汁粉も美味しかったよ。八女茶を販売する店なので「緑茶氷」が1番人気らしい。

緑茶氷

雑貨も扱っていて、店内を見ているだけで楽しいよ。

石山駅に戻る際には、こんな感じで気ままに寄り道することをおすすめするぞ。


次回の記事

マガジン



この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?