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◆ふれた思い

あの時、ふと、見上げた空から、
静かに、そして、しんしんと、
心の形をした、君の意識が
まるで、雪が舞い落ちるように、
そして、行き先を求めるかのように、
右へゆらゆら、左へふらふら、
僕の心内を、知ってか知らずか、
まるで、母親が子供の頬を摩るように
やわらく、あたたかく、
そして、愛情にあふれる、その手が
僕の塞ぎ閉じ、開くことの無かった
心の扉を、いとも容易く、
静かに、そして、優しく、解き放った。

君は誰ですか?

僕の目には、眩し過ぎて、よく見えない。
僕の耳には、静か過ぎて、何も聞こえない。
僕の手には、天を仰ぐかのように、空をきる。

暖かい・・・
浮かぶようだ・・・

何かしたの?
ここは夢なの?

苦しさから解き放たれた僕に
何も言わずして、伝わってくる思い
何も動かずして、伝わってくる感情

・・・もし、僕に翼が有ったのなら
・・・迷わず、天に向かうだろう
・・・決して君を見るためじゃない
・・・地を見下ろすためじゃない

過ぎ行く時の流れに
 逆らいながら、
ありし日の君の笑顔に
 手を伸ばして、
思いの流れに変えつつ
 僕の時へと流れたい

あの日、あの時、あの瞬間へと、
翼を広げ、迫り来る闇に、
我の身を、変わりに・・・

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