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たくさんの御霊に捧げたいバイオリン~さだまさし「精霊流し」2024年8月5日

「精霊流し」は長崎のお盆の行事

「精霊流し」は、長崎を中心とした九州地方のお盆の行事で、その風景は。ある意味ではとても美しい夏の風物詩となっています。

長崎出身のさだまさしは、水難事故で亡くなった親族のためにこの曲を作ったそうです。

冒頭、さだまさしは、バイオリンを弾きます。
後奏で弾くこともあります。

御存知の方も多いと思いますが、さだまさしは本格的にバイオリンを学び、コンクールにも入賞するなど、将来はクラシックの演奏家になる道を進んでいました。

子どもの頃に才能を認められて長崎から関東の中学進学し、東京藝大附属高校を受験しますが、受験に失敗してしまいます。

実は、私が個人的にバイオリンを教えていただいていた先生の奥様が、さだまさしと同じ先生に教えてもらっていたそうで、バイオリニストを目指しているころのさだまさしの様子を少し聞かせてもらったことがあります。

クラシックの音楽を目指すには相当に無味乾燥な技術練習も必要なのですが、早熟なさだまさしは、歌心が先に出て、それが決まった通りの演奏技術を身につけるのには妨げになってしまっていたようです。

私は、音楽をジャンル分けするのが好きではありませんし、クラシックも歌謡曲もポップスも映画音楽も、何でも好きです。

それに、音楽の大切なことは、聴き手との関係をどのように結ぶかだと思いますので、私自身は演奏する側としては主にクラシックや合唱や吹奏楽をやっていますが、聴く側としては民族音楽から現代音楽まで、受け止めることを大切にしています。

さだまさしの「精霊流し」は、もちろん、曲全体に、歌詞も曲調もとても好きです。

「線香花火」「レコードもいっしょに」「あなたの舟のあと」「小さな弟」「はなやかに始まる」「さびついた糸」「浅黄色」「しずかに時間が通り過ぎる」・・・

その上に、さだまさしがバイオリンをさらっと手にして弾くと、その短い時間に、さだまさしの人生の一面が凝縮されているように感じます。

夏の曲としてこだわらなくても、いつ聴いてもいい曲だと思います。

明日は広島に原爆が落とされてから79年目の8月6日です。
長崎は79年目の8月9日です。

79年前は、沖縄や東京、全国各地で、たくさんの戦争犠牲者が出ました。


私の夏の曲には、やはり

今も戦争や紛争に苦しんでいる人たちを早く当たり前の人間としての生活が送れるようになって欲しい

原爆も含めて、これまでに世界で戦争のために亡くなった無数の方々の御霊が、少しでも安らぐようなこれからの地球になって欲しい

そのような気持ちを込めて、

さだまさし「精霊流し」を入れたいと思います。

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