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『女は好きなことを仕事にする』-「ファティマ モロッコ」創業者、大原真樹さんの 「好き」を「仕事」にする生き方-

中東雑貨の不思議な美しさに魅せられて、「こんな素敵なものを日本に持って来れたらいいなぁ」なんて、こっそり思っている、はぴび(@hapibi_nile)です。

って言っても、何から始めたらいいか全然わかってないので、中東のなかでも、お洒落度抜群といわれるモロッコ雑貨輸入の先駆者である大原真樹さんの本を読んでみました。

大原真樹さんが経営されるブランドはこちら!
(ECの充実度合いがハンパないです)

大原真樹さんとは?

アパレル会社バイヤー、スタイリストを経て、2006年にモロッコ雑貨のブランド、ファティマ モロッコを設立された方。スタイリスト時代は映画やドラマの衣装セレクトも担当されたそう!すごい!

そして、20代後半から魅せられていたモロッコに36歳で初訪問。42歳のときにバブーシュ(モロッコでは外履きですが日本ではスリッパとして人気の履物)を中心としたモロッコ雑貨ブランドを立ち上げされています。

NHKで放送された、世界を旅するトップバイヤーに密着した旅のドキュメンタリー、「世界はほしいモノにあふれてる」にも出演され、女性の新しい働き方、仕事の作り方が大きな反響を呼びました。

『女は好きなことを仕事にする』で印象に残った部分

まず、冒頭の写真がめちゃくちゃ綺麗!やっぱりモロッコってすごいなぁ。雑貨たちがどんな場所で作られているのか、思いを馳せることができました。個人的には「リヤド 」と呼ばれるモロッコの伝統的な邸宅を活用したホテルの写真がどストライク!

そして、ビジネスとしての現実的な部分も、しっかり書いてくださっているのが、とても印象的でした。

例えば、

モロッコの雑貨を日本に持っていっても売れないだろう

という部分。どんなにモロッコに魅了されていたとしても、シビアな視点は、常に持っていらっしゃるんだな。このへんって、変に、現地のものをそのまま伝えなきゃ、って思ってしまうこともあると思うから、やっぱりプロは違う!って思いました。

本当に心からいいと思うものでないと、売ることってできないんだろうな。

雑貨店でなく、ファッションを扱うセレクトショップに置いてもらう、というゴールも明確。でも、ビジネス的な意味でゴールを描くというよりは、もっと感覚的な強い気持ちとのこと。

このシビアさと感覚のバランスが絶妙。全体を通して、「好き」の情熱を女性的なものとして、肯定的に捉えていらっしゃる感じがします。実際には、論理的な考えも人並み以上に持っていらっしゃる方なんだと思うけど、「だって、私、女だから」って言い切っちゃう強さ。

男性と女性は違ってもいいって考えも潔いな。勝手に思っているんだけど、ムスリム文化圏も、男女は違うものと認めているところがある気がして、その感覚もモロッコに合うものがあったのかもしれない、って感じたり。

なんだろう、私、うまく言えないんだけど、「男らしさ」「女らしさ」に縛られる必要はないと思うし、「男=論理的」、「女=感情的」みたいのも、大体の人、両面あるやろって思ってるけど、身体的な違いなどが本当はあるのに、ないもののように扱うのってなんか、余計に不公平になるような気がしてさ…。だから、男女を別として扱うことに、ある種の潔さも感じる。

でも、モロッコの女性の立場についてもしっかり書いてくださってて、それに対して「かわいそうという視線を向けるべきではない」ってところも、すごく好きだと思いました。

後は、原価がいくらで関税、送料がいくらで、みたいなお金のことについても、書かれてて、思った以上に具体的だったのもびっくり!

嫉妬との向き合い方の章も好きだったな。なきものとして封じ込めるんじゃなくて、向上心として自分に向ける。

モロッコを自分の専売特許かのように扱ってしまっていた、っていう部分もすごく響きました。国という軸でブランディングしていくと、そうなっちゃう部分もありますよね。自分も、別にそこまでエジプトのこと詳しくもないのに、そうなっちゃいそうで怖い部分もある。

最終的に、その国や地域に、より多くの人が興味を持ってくれるのが、本当のゴールだよね。別に、難しいこと知ってなくても、ただ「おしゃれー」とかで手に取って欲しいです。
例えば、ヨーロッパの雑貨って、「歴史的背景も知らないくせに使うなんて申し訳ない」みたいなの、あまりないと思うんだよね、すでにスタンダード化してるから。(もちろん知った方がより楽しいし、値段によっては申し訳なさを感じるものもあるだろうけども)
どんどん裾野を広げていくためにも、私も中東関係で発信している方を見つけたら、一緒に盛り上げていきたいな、って、さらに思うようになりました。

という感じで、非常に内容が詰まった本でした!
特に雑貨やインテリアに興味がある方は、絶対楽しく読めると思います。タイトル的に女性向けっぽいですが、男女問わず、勇気をもらえる本だと思います。

私も、またエジプトに行けたら、そのときはスーツケースいっぱいに雑貨を詰め込んで持って帰って、BASEか何かで販売したいな。
販売するなら、関税も払わないといけないと思うけど、そのへんも調べて。(ちなみに化粧品は正式に営業する場合、薬監証明がいるようで、なかなか難しそう)

そこからビジネスに繋げていくことは簡単ではなさそうだけど、せめて1回だけでも、やってみたい。私の新しい目標です。

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