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旅と写真と後悔と

大学生の頃は海外旅行に、よく行った方だと思う。

本当に行ってよかったし、楽しかったし、少しずつではあるけど、考え方が変わるきっかけをもらって来れたと思う。

でも、その頃のことを思い出すと、実は複雑な気持ちにもなる。

あの頃、スマホもなくて、Wifiを持ち歩く習慣もなくて、当たり前のように海外では通じないガラケーと、親から借りたコンパクトカメラ、いざというときの写ルンですを持って旅をしていた。

そんな時代だったから無理もないって自分に言い聞かせているけど、そもそも、その頃のわたしには旅先で写真を撮ろうって発想が、実はあんまりなかった。

今、正直、誰に言われたのかすら、覚えてないんだけど、多分、大学の先生かなぁ?恐らく不特定多数の人に言われたんだと思うんだけど…

カメラばっかり覗き込んでないで、せっかく、その場に来たんだから、自分の目で見なさい。

って、よく言われていた気がするんだよね。

きれいな言葉だけど、正直、鵜呑みにしちゃいけなかったなぁと今は思う。

2000年代初頭の話、確実に2010年より前の話だから、今思えば、まだバブル時代のエコノミックモンキーって言われてたような、眼鏡かけて、カメラ提げて、ブランド品買って、みたいな日本人に対する反抗の姿勢もリアルにあったのかもしれない、社会のムードとして。

でも、今思えば、
あの頃もっと撮っておけばよかったなぁと思う。

当時は、撮って、それを自分の作品として発表してっていうような発想、わたし全然なかった。
自分の目で見ずカメラ越しにばっかり見て、何も感じず終わる、いかにもな日本人って思われたくなかったんだ。

だから、枚数としてはそれなりに撮ってたかもしれないんだけど、芸術的に写真を撮ろうとか、誰かに伝えるための写真があるとか、全く考えつかなかった…

馬鹿だったな…

もちろん、そんなインフラが整ってなかったかもしれないけど、アメブロやmixiだってあったし、Facebookも日本に入って来た時期でもあった。

馬鹿だ、というのは、自分に対して、あまりにも可哀想だと思うけど、決して先進的ではなかったよね。

モノだってそう。
モノより思い出って、きれいな言葉だけど、本当に自分が気に入ったモノだったら買えばいいし、またそれを今だったら、それこそ写真撮って、BASEで売って、とかいろいろできるのに…

せっかく行ったのに…
ホントはもっといっぱい持って帰れるものあったのに…

だから、旅と写真と後悔と。

いろんなことに気づくのが遅過ぎて、アーリーアダプターにはなれなかったけど、でも、やってみたいと思ったら、今からやればいいよね。

それを教えてくれたのも、きっと旅だ。

まずは、家の中でできることからのスタートになるだろうけど、それでも、少しずつ前に進める。

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