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読書の感想 図書館で読んで感想を書いた

ヨネザワ記念図書館でBD展、「レベティコ」鑑賞
米沢氏というコレクターの情熱屋敷で、翻訳家の原正人氏の情熱を見るといった展覧。といっても、書籍の展示はやはり美術関係からすると不利。文学館の展示とも違います。ささやかなもの。
ただ、貸出不可ですが、どこか「貸本屋」の風合いが漂って好い。
結局「レベティコ」を読んできました。
「レベティコ」は、クラウドファンディングで製作されたらしい。バンドデシネ系の翻訳本出版会社もできたらしい。
原氏の解説によると、「レベティコ」の判型は原版と同じ。世界のグラフィックノベルは判型様々らしい。それでも活字が小さく手こずりつつ、一片のヨーロッパ映画のような「レベティコ」を鑑賞。
レベティコは、ギリシャ人から見たトルコ系またはトルコ帰りのならず者のことらしい。そしてレベティコがトルコから持ち込んだとされるメディテラネな響きを蔑んでレベティコとレッテル貼り。アメリカではギリシャ系の移民の間で愛すべき故郷の歌らしい。重要な楽器はブズーキ。そうアイルランドでも使われているアレ。
そして、レベティコはハシシを愛用するので、ダルビッシュにも例えられます。えっ?ダルビッシュは、トルコのスーフィズムの回旋舞踊の踊り手の修道僧のことでギリシャ側では同義語に使われているらしい。
「アコーデオン弾きの息子」は小説のよさを活かした回想録風でしたが、「レベティコ」は複雑な歴史を1日の出来事に集約した形式。こういう作品で思い出すのは島虎でしょうか。

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「レベティコ」の出版社の本2冊
映画の「制作委員会」方式?
昔の出版社の事前予約方式?
クラファン手数料がいくらかかるのか、また最終的に黒字だったのか、なんともいまだによくわかりません。
出版界にとってよい方向に行きますように。
全国の図書館が常備してくれれば----でも微妙なポジションの本でどうなりますか。

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図書館の中高生向き開架書庫に。
「レベティコ」で気になった出版社の本。「リズムがみえる」を探して。
ミシェル・ウッドという画家の表紙、マックス・ベックマンとかエルンスト・キルヒナーかと思いました。
「リズムがみえる」かといわれると、まだ鑑賞不足ですが、印象派の絵に対置させる意味での表現派の、表現派的メッセージはなんとなく突き刺さります。
内容も、テーマの語句について、ウッドの絵とまつわる年表。手際よくまとめていて、編集はリズミカル。30分で目を通せます。実際の音楽なら、一定時間がかかってしまうものを、圧縮した、絵の強みかしら。

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同じコーナーに「ゼノビア」も。
先日ミャンマーにまつわるNスペを見たばかり。
人類はもう少し賢く平和的になったのかと思っていましたが。

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ちなみにゼノビアの肖像。作者はよくわかりません。毅然とした表情に見えます。

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ゼノビアはローマへと連行され、274年にガリア帝国もローマへ統合したアウレリアヌスの凱旋式でローマ市内を引き回された。ゼノビアの身体は黄金の鎖で縛られ、ローマ市民への見せ物にされたという。

よみがえるのは星野之宣の「妖女伝説」ですが、ビルキス、ハトシェブスト、クレオパトラ、ゼノビア----スーチーさんも----。閑話休題ゼノビアといえば----オペラがというわけ。

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