見出し画像

映画の感想 死後の世界を事後検証

ハンガリーはコーヒーはグロス、たっぷり飲みます。
以前バラトン湖を訪れた折、東西に分かれたドイツ人の親戚縁者が夏休みに出会うのがハンガリーの避暑地で、コーヒーのメニューもドイツ風だったと記憶しています。
ちょっと変わったハンガリー製のホラー映画を観て思い出しました。

死体と遺族を撮影する「遺体写真家」の男が、無数の悪霊が取り憑く呪われた村の謎に挑む姿を描いたハンガリー製ホラー。第1次世界大戦後のハンガリー。戦争から瀕死の重傷を負って帰還した元兵士のトーマスは、死者と遺族の最後の写真を撮る遺体写真家として生計を立てている。彼は仕事の依頼を受け、戦争とスペイン風邪で大量の犠牲者が出た村を訪れるが、そこは死者が悪霊となって棲みつく呪われた村だった。トーマスは村の少女アナと協力しながら、霊を写真に捉えることでその秘密を紐解いていく。

宣伝資料

考えようでは斬新なホラーでした。
特撮がより効果的に使えて精度があがりました、というとこの国の映画人はこういう使い方をします。(ホメてます)
「マリグナント」は、わざとアナログに戻して撮るような手練が使われますが、ハンガリーでは新しい技術は、けっこうキマッタ「ショット」の中で使います。ポルターガイストが観客に媚びるわけがない、というのがハンガリーのホラー映画の意見。技術のために画面や撮影方法を変えません。
これと比較するとロシア製の魔界探偵ゴーゴリくんはマーベルDC系に近く見えます。「妖婆死棺の呪い」の精神を忘れないでほしいものです。
誰もいない扉のシーンが先日山田五郎動画で拝見したハンマースホイに似たところがあって、興味深いなあ。すると同じようなコーヒーのシーンが。
小学校教師だったマルチャの家の棚にはミルが3台。
そしてポルターガイスト現象の聞き取りにいった家ではチコリをごちそうになります。
土地が凍って墓地に埋められず、春が来るまで埋葬できない村、チコリでもないよりまし、と振る舞ってくれます。

改めて、ホラー映画とかオカルト映画とか、「映画」と付けば、映画のジャンルのひとつであって、ホラー、オカルトのために映画が使われるのとは、やはり違うものです。

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集