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あまりに細かすぎる箱根駅伝ガイド!2022

今年も「あまこま」の季節がやってきた。12月10日に一次エントリーを迎えると、一気に箱根駅伝の雰囲気が押し寄せる。その前に、今年1年の出来事を振り返るには、この本を読むといいかもしれない。ただし、明らかに"細かすぎる"ので、今まで箱根駅伝関連の本を読んできて、もうその辺の情報はいいよという人に限る。選手名鑑などは、月陸や陸上競技マガジンに譲り、楽しく駅伝を観戦したい人が情報を補充するために使用するべきである。

インターネットがここまで発達する前は、箱根前に発売する雑誌で選手の情報や今シーズンの成績をチェックするしかなかったが、今は違う。調べれば色々なところに大会の結果は載っているし、Twitterなどでも各大学が持つ陸上部のアカウントが大会結果などを発信してくれている。では、ガイドブックをわざわさ買うのは何故なのか?その役割は何なのか?その答えの一つを提示してくれるのが、あまこまであると思う。

今回の目玉は、何といっても三浦しをんさんとの対談だろう。風強こと、「風が強く吹いている」は映画化もされた同氏の代表著作(小説)である。架空の大学、寛政大学を舞台に陸上の素人たち(一部はトップランナーだが)が箱根駅伝を目指す1年間を描いた小説である。自分もこの本を当時手にした時に、「なんと楽しい小説なんだろう…」と深く感銘を受けたのを覚えている。当時から箱根駅伝自体は大好きであったが、この本を読んでより一層沼にハマったというのが正確なところだと思う。

Ekiden News(の西本さん)との対談の後半では、風強を執筆した当時の取材の思い出が語られている。1本の小説を書くために、何年もに渡りたくさんの取材をしていることがわかり、小説家とは大変な仕事であることが伺えた。三浦しをんさんが持つ才能によるところも大きいのかもしれないが、いい仕事をするためにはいい準備が必要であることを思い知らされる内容となっている。

今年も語句集は相当に細かい。年々細かくなっているので、そのうち見えなくなるんじゃないかというくらい。しかし、これまた"あまりに細かすぎる"所以であろう。駅伝を本気で楽しむには、細かい情報まで知っておく、ある意味、こちらとしても準備が必要であることを示していると言ったら、言い過ぎだろうか。

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