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俺か、俺以外か。ローランドという生き方

きっかけはkindle unlimitedであったから、という以外にない。そもそもRolandという存在は知っていたけれども、それ以上でもそれ以下でもなかった。でも、自分とは違うであろう異質の存在だから、手に取ってみようと思った。

ところが読んでみると随分印象が変わる。何よりこの人は真面目に生きてきた、という印象である。もちろん、それでも異質なことには変わりないのだが、相当な努力や考えがあって、今の地位を築いたのだなと思わせられる。

数々の金持ちが、人の心を金で買おうと必死になっているのを見てきた。すべてを金で買えると、金に洗脳されてしまったのだろう。でもそれで心からの愛が買えた人を、俺は一人も知らない。どれだけお金があっても、人の気持ちだけは絶対に買えない。心からの優しさや愛は、金では買えないものだ。

Roland、俺か俺以外か。ローランドという生き方、5章より

お金を持っている人だからこそ言えるセリフである。ある意味、真理に近いが、現代を生きる人でもこういう言葉が出てくるんだなと感心する。ちなみにこの章のタイトルは「金で買えないものの価値は、金で買えるたいていの物を手にして初めてわかる」である。はい、その通りですね。

一番良い物が、一番売れるかと言ったらそういうわけじゃないんだ。世間を見渡せば、ロールス・ロイスよりもプリウスが走っているじゃないか。(中略)売れなかろうと堂々とショーウインドーの中に佇んでいるからこそ、ロールス・ロイスなのだ。

Roland、俺か俺以外か。ローランドという生き方、4章より

これもそうだなと思わせられる。価値あるものが最も売れるかと言ったらそういうわけでもない。本当に価値あるものは、本当にその価値を認められる人にとっての価値である。そんな風に思える。

みんなに優しいホストは、正直二流だ。そういうホストに大金を使おうと思うだろうか。大金を使ってファーストクラスを選んだのに、エコノミークラスがフルフラットシートだったら、もう誰もファーストクラスを選択しないだろう。(中略)それが大金を使うお客様に対してのマナーであり、気づかいだから。それは差別ではなく、区別だと思っている。

Roland、俺か俺以外か。ローランドという生き方、7章より

みんなに平等ということが、かえって平等ではない、ということを示している。やはり、誰を重んじるかというのは意外と大事なのだと思う。ここではお金を使う人という観点で、それはビジネス的な考えだと思う。どう接客すればよいか?という、大きなヒントになっている一文である。

そんな感じで、Rolandの本から学べることは結構ある。自分とは違うやと思っている人ほど、読んでみたほうがいいと思える一冊である。

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