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【ハウツー】感情に寄り添うな、課題に寄り添え
あなたが最も心を許している人、信頼している人は誰ですか?
その次は?その次は?その次は?
家族や友達、恋人、会社の同僚、取引先等、社会には様々な人間関係があります。
あなたが困っている時、その全員が全く違うアドバイスをくれたとしましょう。
この時、あなたは誰の意見を採用しますか?
あなたに強い意思や信念などがある場合、またはアドバイスの中に非の打ち所がない策が存在した場合は別ですがそうでない場合、おそらく最初の質問の上位にいた人の意見を採用するのではないでしょうか。
さて今回のお話は、販売員、営業マン向けです。
冒頭の話で何を言いたかったのかと言うと、顧客の立場に立った時、あなたの言葉の優先順位など超絶下位だと言うことです。
そりゃそうです。
所詮いち店員さん、いち営業マンですからね。
大切な家族や恋人より優先される事はありません。
しかしながら、実際の現場はどうでしょう?
売るために相手の気分を良くすることを目的とし、小手先の共感を演じて感情に寄り添う人間関係を構築する例がしばしば見られます。
共感の演出を悪いとは言いませんが、そもそも、買い手と売り手とは『安く買いたい』『高く売りたい』と言う、立場的に相入れぬ目的を抱えているものです。
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つまりそれぞれの目的の上では、真の意味で共感する事はありません。
顧客の感情を理解したような共感演出によって買ってもらおうと目論んだところで、購入を検討する段階であなたより心の距離が近い人間からアドバイスがあった時点で、あなたの目論見はもろく崩れおちます。
【アクションプラン】
『なぜ?を3回聞け』
あなたが何かしらの販売店の小売、もしくは営業をしているのであれば、きっと顧客より1段階上のノウハウをお持ちでしょう。
これまでに色々なご事情、環境、目的を持った顧客を相手にしてきたはずです。
そして目の前にいる顧客にもまた、固有のご事情、環境、目的があります。
顧客が何かを欲しいと言っている場合、"それ"を手に入れなければ解決できない課題があります。
しかしその課題は、それを手に入れなくても解決できるかもしれないし、それを手に入れても解決できない事かもしれません。
発生している課題の解決方法を、顧客はそれを手に入れることしか知らない可能性があるのです。
ここまできて初めて、あなたの知見が役に立ちます。
『こんな解決方法もありますよ』と言うあなたの言葉が、顧客にとって、自身の判断力を凌駕した”プロの言葉”に変わります。
この変化があった瞬間、あなたは顧客の課題解決の伴走者となるのです。
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このレベルの顧客の潜在的な欲求は、なぜ、なぜ、なぜと、要求を掘り下げなくては引き出せません。
逆に言うと、このレベルの対応はプロにしかできないので、あなたの言葉の重みは、家族や恋人の言葉を凌駕する可能性を持ちます。
残念ながら近しい人間に同業者がいた場合は負けるでしょうが、そんなことでもない限り、潜在的な欲求を解決に導いたあなたの評価はうなぎ登りです。
ここに”共感演出”をそっと添えることで、顧客にとってパーフェクトなアドバイザーが完成します。
これをメインの生業にするのがコンサルタントです。
普段の小売りや営業にプラスアルファして、一つ上のステージにチャレンジしてみては?
Rethink MAACo
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