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リクルート流売上数字管理方法(ヨミという名の呪縛)

◆はじめに
こんにちは、今回はリクルート流営業数値管理についてお話し致したく思います。この観点は、営業のみならず、ビジネス上において全てのシーンで汎用できる考え方にもなりますので、企画部門、バックオフィス、技術者などでのKPI設定を考える時の参考にいただければと思います。

私はリクルートにて営業現場に10年おりました。
当時のリクルートという企業は、結果至上主義の文化でございまして
売上達成率100%以下はカスと言っていいほどの扱いだったと記憶しております(言い過ぎかも、、、、)。
例えば、達成率99%で未達だった場合、他社では「よく積み上げたね」「よくここまで挽回したね」など労いの言葉があるかと思いますが、当時のリクルートでは「なぜ1%届かないの?」「どういう営業シナリオだったの?」等、リクルート用語で申し上げますと「詰められる」原因となり、胃が痛くなったものでございます。

前置きが長くなりましたが、リクルート流の数値管理(以後ヨミ管理)についてご説明させていただきます。

◆ヨミ管理とは
営業プロセス進捗を管理する事が目的の手法とでも言いましょうか、誰でもわかりやすく同じような基準にて売上進捗共有するものです。

◆分別の仕方
まずは営業プロセスの整理を行います。
マーケティング要素を細かく入れると細分化しすぎる為、大枠以下6分類を推奨いたします。
①リスト作成、②アプローチ、③リード獲得、④アポイント、⑤商談、⑥契約

6分類定義の説明は以下となります。
①リスト作成
 目的:アプローチ先のリスト作成
 ・対象エリア内での優良企業リサーチ
 ・約200社を目処にリスト化
②アプローチ
 目的:リード獲得に向けたアプローチ対応の整理
 ・電話(テリクリ)アプローチ
 ・HPからのアプローチ
 ・飛び込みアプローチ
③リード獲得
 目的:アプローチ手法別×対応者の区別(アポイント獲得の優先順位付
 ・決済者、担当者といずれかと接触
④アポイント
 目的:クライアントのお困り事課題等の情報収集の場
 ✔︎アポイントの定義(飛び込みとの差別化を明確に)
 ・会う人の名前がわかっている
 ・会う日時が確定している
 ・席に座らせていただく
⑤商談
 目的:クライアント課題に対して、自社プロダクト(ソリューション)
    を通して解決策の提案
 ✔︎商談の定義
 ・課題理解ができている
 ・課題解決策企画の明確化
 ・課題解決策の見積額
⑥契約
 契約申込(押印をいただけている状態)

次に実施するのが、何がどの状態にあるのかの整理が必要なのですが、
今回の主題はヨミ管理でございますので、プロセス管理は別の機会にnoteさせていただきます。

◆ヨミ管理
ヨミはA〜Cヨミ、アタックヨミと4つに分類されます。
プロセスから見た読みの配置は以下のようなイメージです。

ヨミを数値化すると以下のような確率数値となります。
Aヨミ:90%以上の確率で契約
Bヨミ:70〜89%の確率で契約
Cヨミ:50〜69%の確率で契約
アタック:49%以下の確率で契約

ただ、ここで問題となってきますのが、数値解釈の属人性。
人によって数値捉え方が10人10色でございます。
*当時のリクルートでは、その辺の定義化はなされていなかったと思います。今はどうか知りませんが。

ここで必要になってくるのが、数値の定義化となります。
私がマネジメントしている時は以下のような定義にて管理しておりました。
ご参考にしてみてください。

◆ヨミの定義
Aヨミ:90%以上
先方決済者が企画提案見積契約時期全てに納得している。
契約書への印鑑待ちの状態。
・課題解決の提案ができている
・決済者と話ができている
・提案・見積金額に先方が納得している
・企画開始時期が明確になっている
・契約書(押印・捺印)の返信期日が確定している

Bヨミ:70%〜89%
先方担当者が企画提案見積契約時期全てに納得している。
契約する事が前提ではあるが、決済者確認が必要な状態
・課題解決の提案ができている
・担当者と話ができている
・提案・見積金額に先方が納得している
・企画開始時期が不明確になっている→担当者一存で確定できない
・契約書(押印・捺印)の返信期日が不確定→担当者一存で確定できない

Cヨミ:50%〜69%
先方決済者・担当者問わず企画提案見積契約時期いずれかに
納得できていない状態。契約する意思はあるが、競合コンペ次第
・課題解決の提案ができている
・決済者、担当者いずれかと話ができている
・提案・見積金額に先方が理解している
・企画開始時期が明確になっている
・契約書(押印・捺印)の返信期日は未確定。→競合状況次第

アタック:49%以下
先方決済者、担当者から情報収集をし課題認識できている状態。
      日程調整含めこれから提案する状態

上記のようにヨミの数値を言語化し、各営業進捗と照らし合わせる事で
営業数値の現状把握ができ、数値達成に向けた戦略を構築できる形となります。

◆まとめ
以上のように数値整理・数値の定義化を明確に取り決め
その内容を管轄メンバーへ周知し、運用するだけで
細かい状況確認の時間を割く事にも繋がり、とても生産性の高い営業組織運用ができます。特にマネジメントする立場からすると、全体戦略を上方・下方修正を司る上流業務の時間確保にもつながり、より生産性を高く上げ続けるスパイラルを作り上げる事が可能です。

売上が中々伸びない、管理の仕方がわからないなど現場課題を持っている方は是非一度トライしてみてください。

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