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未経験から始める人事力向上委員会      ◆労働憲章◆

今回のテーマは「労働憲章」です。そもそも憲章って何よ?という点から噛み砕いてご説明できればと思っております。

労働憲章とは、労働基準法第1条〜第7条を基本7原則と位置づけ、
基本的人権の保証(憲法第11条)をより具現化して明示しているものです。
※「憲章」とは重要かつ根本的なことを定めた取り決めで、基本的な方針や 
 施策などをうたった宣言書や協約の事をいいます。

前提としまして、日本の法体系について押さえていきましょう。
日本の法体系は以下のようなピラミッド構造となっています。
憲法は国の最高法規であり、法律は憲法で定める方法にて
国会議決を経て制定されます。
※国内全ての法令は憲法違反はできません。


労働憲章では、日本国憲法が宣言する基本的な原則や権利の具現化を実する為、以下憲法の5条項を労働憲法への汎用を実しております。

また、古く悪質な労働慣行(人身売買、強制労働、ピンハネ等)を排除するために以下の労働憲法が実施られております。

◆労働条件の原則
 憲法25条第1項「全ての国民は、健康で文化的な最低限の生活を営む権利
 を有する。」という内容からこれに紐づく労基法第1条の定めは以下のよ
 うになります。

✔︎労基法1条1項「労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための
 必要を充たすべきものでなければならない。」

 ・労働条件 → 職場における一切の待遇(賃金、労働時間、解雇、
  災害補償、安全衛生、寄宿舎等の条件も含む *雇入は含まれません)  
  を指します。
 ・人たるに値する生活 → 労働者だけでなく、その「標準家族」の生活
  も含めます。
 *標準家族の範囲は「配偶者」「子供」「両親」などを軸に範囲は時代に
  よって変化します。モデルとしては、夫が働き収入を得て、妻は専業
  主婦、子供2人の4人世帯。
 
✔︎労基法1条2項「労働基準法で定める労働条件の基準は最低のものである
 から、労働関係の当事者はこの基準を理由として労働条件を低下させて
 はならないことはもとより、その向上を図るように務めなければなら
 ない」

 ・休憩に関する定め → 労働時間6時間を超えたら45分の休憩
            労働時間8時間を超えたら60分の休憩
  上記のように労働基準の条件を低下させてはならないと事業主側へ釘
  を刺している労働者に対しては、守られた素晴らしい条項です。

 ・この基準を理由 →社会経済情勢の変動など、他の理由の場合は本条
  に抵触しない。例えば、国際紛争や、急激な円安など、社会経済情勢
  の変動などが原因で労働条件を変更せざる得ない場合は、本条に抵触
  しなくなります。

 ・補足 → 「人たるに値する生活」の基準は曖昧の為、罰則規定なし

◆労働条件の決定 
  憲法28条「勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をす
  る権利は、これを保障する」
  
  このような条項がある背景には、使用者と労働者の立場が平等ではな
  い事を国は認めている、その為、憲法で認める労働者の団結権を行
  使し、労使対等の実現に繋げてます。それを労基法に落とし込むと
  以下のようになります。

 ✔︎労基法2条1項「労働条件は、労働者と使用者が、対等な立場において
  決定すべきものである。」

  ここで留意いただきたいのは「決定すべきものである」という点です。  
  これは労使関係にある中で必ずしも対等の立場での決定は求めません。

 ✔︎労基法2条2項「労働者及び使用者は、労働協約、就業規則及び労働契約 
  を遵守し、誠実に各々その義務を履行しなければならない」

 ・労使協定
  ここでのポイントは「労使協定」は含まれない、そもそも「労使協定」
  は労働者と使用者が合意し労働基準法の基準と異なる形での労働とな
  るが、罰則免除するというもの(免罰効果を発生させる行為)
  その為、遵守義務には入らない。

 ・補足 → この条項は訓示的内容の為、罰則規定はございません。

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