【8月CCCレポート】 柑橘から焼酎から微生物から、ぼんたんサウナのお話まで。
8月20日(土)はサーキュラー・シトラス・クラブ(以下CCC)の第3回目でした🍊
朝イチで集まってくれた参加者は11名!
参加者の方々から伺ったお話が興味深く、今回のレポートは長編となっております(笑)気分転換にどうぞ🍊
アメリカから鹿児島市内から阿久根から川内まで...色んなご縁が重なったスペシャルメンバーの回となりました。
(午前参加の皆さま、集合写真が撮れずごめんなさい!)
朝一のエクササイズ
今回は、初めてレストアにいらっしゃる方が多かったので、アイスブレイクのエクササイズからスタート!
壁掛けで収納されている椅子を一人一個組み立てます。
蒸留①:レモン・グレープフルーツ・温州みかん
春に川内の地域おこし協力隊に就任されたムーンさん。
爽やかなシトラスミックスの皮を冷凍して持ってきてくださいました!
(集めてくれたんだな〜とほっこり。我が家も柑橘の皮が冷凍されてます・・・)
今までは一種類の柑橘で蒸留していたので、
ピンク・オレンジ・黄色が層になっているのがまた美しい♪
焼酎の蒸留について知りたい!
今回集まったメンバーは、それぞれに面白い活動をしていて、蒸留中のフリートークが盛り上がりました。
田苑酒造さんで働く、だいごさんから焼酎の作り方を教えていただきました!
「焼酎は、アルコール度数17〜20度くらいに発酵がすすんだ「もろみ」を蒸留します。もろみを仕込んでから完成までにかかるのは、約15日〜1ヶ月。 わたりの形(太さや長さ)の違いでも味が変わるんです。
焼酎の蒸留でも、油分(柑橘でいうところの精油にあたる)が出ます。 油分は熟成期間を長くしたときに悪臭を放ってしまう場合がある為、通常はその油分を濾過します。 現在では濾過技術の発達により、どこの蔵元の焼酎も綺麗で美味しいものになっていますが、一方で濾過すると消えてしまうクセや雑味をそのまま残した「無濾過」を売りにしているの焼酎もあったりします。
蒸留をするとまず最初にアルコールが揮発し、度数の高い蒸留水が出てきて、段々とそれが薄まっていきます。酒税法でアルコール度数45度以下が本格焼酎と定義され、度数は商品によっても異なります。焼酎の中に含まれる香り成分はほんの少しで、1%未満です。 時間をかけて熟成させると、貯蔵容器の影響も受けながらまろやかな味わいになります。」
Q. 最近の焼酎に流行りはある?
A. 焼酎は「おじさんの飲み物」のような印象がまだまだ強いので、若い方向けに炭酸に合うものや、華やかな香りのものなどを開発しています。
Q. 柑橘の皮を焼酎づくりに使える?
A. 焼酎にはもろみとして使って良い材料が定められていて、柑橘の皮などはその対象になっていませんので使用することはできません(もろみ作りにも、蒸留の工程でも)。 減圧蒸留という方法で蒸留すると華やかな香りになったり、酵母の種類や製造・熟成方法によっても香りに違いを出しています。
人の感情で味が変わる菌の世界
酵母の話をひろげてくれたのはイサオくん。
鳥取県にあるタルマーリーという自然採取の天然酵母を使ったパン屋さんの話をしてくれました。
「パンというのは、保存ができないもの。パン生地が膨らんでいるのはイースト菌が糖分を食べて元気にしているからで、糖分を食べ尽くしてしまうとイースト菌が死んでしまい、生地も萎んでしまう。
それを解決しようとした、タルマーリーの渡邉さんが発見したのは「ビール酵母」が糖を作り続けられるということ。つまり生地の中にイーストとビール酵母が居れば、その中で一つの循環が生まれて、生地が生き続けられる。
それゆえ、タルマーリーではパンを作るために、ビールも作っています。
パン作りは、目で見るだけでなく、食べて、嗅いで、と五感を使って菌の声を聴く。渡邉さんはカビも食べて「これは大丈夫・やばそう」と判断してしまうんです・・・!
驚くのは、スタッフが辞めそうになると黒カビが出たり、恋に悩むと納豆菌が出たり。繊細に環境に呼応する「菌の声」を聴いていたら、自然とたどり着いたのが、無肥料無農薬の材料にたどり着いたそうです。」
うちには柑橘の木が17本!
お近くから参加してくださったトシさんは、家になんと17本の柑橘の木があるということで!
「農家ではなく、普通の庭に17本の柑橘の木があります。
父が植えたので、どれが何の柑橘かは全てはわからないんです。私が手を入れ出したのが3年前で、実のなる時期などから徐々に特定していきました。
父が亡くなった昨年、不思議なことに全ての木が今までにないくらいたくさん実をつけました。そして今年は花がすぐ落ちてしまったりと、あまり実はならないかもしれません。不思議ですね。」
とお話をしてくださいました。
月読み晩柑のマーマレードパン!
前回晩柑味噌をつくってきてくれたまゆみさんが、今回月読み晩柑のマーマレードを作ってきてくださいました!
近所で買ってきたコッペパンに、贅沢にたっぷり塗って。
イサオくんが、パン屋仕込みの包丁さばきを見せてくれるというキャスト揃い(笑)
ランチを食べたはずのみんなも「おいしいおいしい」と一瞬で頂きました!
マーマレードは苦味をとる下処理に時間がかかるんですよね。二回ほど下茹でをしてくださったとのことで、強い苦味はまったくなく、
マイルドでちょうど良い苦味だけが残っていました!
蒸留②:ボンタンの蒸留
腹ごしらえを終えた午後は、下園薩男商店のみのるさんが持ってきてくれた、ボンタンの蒸留です。
下園薩男商店は、阿久根で新しく始まったボンタンサウナの仕掛け人!!
ボンタンの活用としてボンタンクラフトコーラを作りたいというところがスタートだったそうなのですが、コーラだけでなく、五感でボンタン体験を深めて欲しいということで、ぼんたんプロジェクト*との共同企画でボンタンサウナにたどり着いたそう。
先日阿久根市内の川で、ボンタンサウナのお試し会が開かれ、今後は鹿児島市内や全国にも広げていきたいという思いを語ってくれました。
(一般へのオープンまではしばしお待ちください!)
ぼんたんプロジェクト
ボンタンは、甘く煮て砂糖をまぶした「ボンタン漬け(文旦漬)」や、
私も駄菓子屋さんでよく買っていた「ボンタンアメ」で知られる柑橘。
鹿児島県では阿久根が主な産地となっています。
特徴は大きな実...ではなく、白いワタの部分が分厚いこと。
ボンタン漬けに使われるのもこのワタの部分で、商品として今一番使われているのがワタであるという、考えてみれば不思議な柑橘です。実や外皮(黄色い部分)の活用が今までは見出せておらず捨てられていたという課題感を抱えていました。
ボンタンの栽培は山の斜面で行うのが特徴で、農家さんの高齢化などにより栽培量がかなり減っているのが現状。
そんな阿久根のボンタンの未来を作りたいと立ち上がったのが、
『Bプロジェクト(ぼんたんプロジェクト)』
今回持ってきてくださったものも、普段ボンタンの精油づくりに使われているものということで、油分が集まった表面の黄色い部分だけがきれいに剥かれていました!
圧搾法で採った精油はオレンジ色!!
今日は3種類の精油を嗅ぎ分けました。
① 蒸留した「レモン・グレープフルーツ・温州みかん」シトラスミックス精油
② 蒸留したボンタンの精油
③ 圧搾したボンタン精油
普段CCCでやっている「水蒸気蒸留法」で採れる精油は透明ですが、みのるさんがもってきてくださった、圧搾法の精油はオレンジ色!
果皮を圧力をかけて絞るので、生のままに近い香りが採れるのが特徴です。
蒸留した香りは洗練された香り、圧搾法はそのままのフレッシュさを感じられる香りという感じでしょうか。
「一致しない感覚」
「机上の空論がモノになったとき初めて体感ができる」
感想もたくさんいただきましたのでご紹介。
「来るたびに違うメンバーに会えるからとても新鮮!」
「普段は気候変動の活動の軸で自分の言葉を発するし、一緒に活動している友人メンバーともそのような話ばかりしがちだけれど、
レストアで、五感を使ったコンテンツを通して話すことで、友人がとても楽しんでいる一面を見られたし新鮮で楽しかった。」
「柑橘のオイルなのに、ツナ缶のような香りを感じた瞬間があった!(くさいという意味ではない)香りの記憶が予想もしないところから引き出されたり、色・香りが私の中で一致しなかったりが面白かった」
「哲学的な机上の空論で生まれたものが100あっても、その中からモノになった瞬間に初めて、それを五感で味わえる体感できるということを思い出した。感覚ってモノを感じるためのもの!」
【次回はスペシャルゲスト回!!】
次回の日程は9/11(日)の11:00スタート!
阿久根のぼんたんプロジェクトとのコラボ開催をします!
午後は13:30より、LIVE KIRISHIMAメンバーをお迎えしてトークセッションや、「サーキュラー文化をつくろう!」と言うテーマで、みんなでディスカッションをしますよ〜!
午前午後とも、申し込み不要、飛び入り参加大歓迎です!
川内に、阿久根そして霧島から先駆的な面白い活動をされているメンバーが集まるスペシャル会!ぜひぜひ遊びにきてくださいね。
▼イベント詳細はこちら▼
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