【#読物語:マンガ】「ばらかもん」(作:ヨシノサツキ)
主人公は、東京で書道界のエリートコースを歩んでいた青年書道家・半田清舟(せいしゅう)。
自らの作品をめぐってある騒動を起こしてしまった彼は、不本意ながら長崎県の離島・五島列島に飛ばされることになる。
そこで一人静かに自らの書を究める日々を……と思いきや、地元の「ばらかもん」、つまり元気な子どもたちに大人たち、そして自然までもが彼の平穏を乱しにかかる。
何もかも思い通りにならないことにわめきながらも、彼はあれよあれよという間に地元民のペースに呑み込まれていくのであった。
とはいえ、そんな日常ドタバタ劇の中から、清舟は少しずつ、自らの生きる道にとって大切なものを見つけていく――。要所で現れる、彼の新たな「書」は鮮烈。ただし、そんなシーンは一巻に1つあるかどうかだが……。
山形とはまるで異なる、西の果ての愉快な島国ライフが描かれる。原作マンガもよいが、アニメ版も秀作。演技も楽曲もよい。ぜひEテレで再放送してほしい。昨年テレビドラマ化もされたが、好評のようだ。
〔出版社公式サイト(試し読みあり)〕