今日はNISAの日らしい。
投資計画を立てるには良い時期?
2月13日、語呂合わせでNISAの日と金融庁が制定して10年が経過したらしい。至極どうでも良いが、明日の製菓業界で大々的に行われる販売促進イベントよりは、何ら害はない分だけ真っ当かも知れない。
一介の個人投資家としては、1月はご祝儀相場で株価が上昇傾向にあるため、買いで物色することなく、NISAの日を過ぎた辺りから、年間の非課税枠をいかにして使い切るかの計画を立てることを思い出す日として機能している。
とはいえ、時期的に確定申告が迫っているため、それをやっつけるのが最優先事項で、色々と重なると投資計画は後回しにしがちで、現行の一般NISAは非課税期間が5年の縛りがあることも相まって、最近はもっぱらインデックスファンドを、クレカの上限である月5万円まで積み立て最大限ポイントを受け取りつつ、差分の60万円をスポット買いするだけなので、計画なんて有って無いようなものだが。
しかし、それも2023年までの話で、来年からの新NISAになると、制度の恒久化により非課税期間が無期限となり、売却しても翌年に非課税枠が復活することから、無難にインデックスファンドを積み立てるのが最適解ではなくなる可能性もあり、再びNISAの日に投資計画を立てる日が来るのかも知れない。
NISAのメリットは非課税である点は言うまでもない。このメリットを最大限活かすためには、特段、税制上の優遇がない金融商品で積極的に利用した方が良く、外国株式に優先して使いたくなるのは必然である。
税制を知ると、NISAの使い所が分かる。
個人的に日本株は、高配当株でインカムゲイン狙いでの保有が大多数を占めているため、現行の税制が踏襲される限り、配当所得を確定申告により、個人の税率である総合課税を適用し、配当控除を活用した方が、実効税率が住民税の7.2%だけとなるため、この7.2%のために非課税口座でNISAで運用するメリットはあまり感じられず、損益通算可能な特定口座の方が、何かと使い勝手が良い。
配当控除の背景として、配当は企業の税引き後当期純利益から、剰余金の配当に振り替えられるため、法人側で一度「法人税、住民税及び事業税」が徴収された原資から、再度、個人に対して所得税と住民税を課するのは二重課税となってしまうため、個人側で控除を設けている。
だから、配当控除が適用できるのは上場企業の配当のみで、配当性向を90%超とすることで、法人側が非課税となっているREITの配当は、配当控除の対象にならないのである。
日本の金融商品でNISAを利用したいのであれば、REIT若しくは、キャピタルゲイン狙いでの上場株式の保有が妥当な線だと個人的には考えている。これらは何をしても利益に対して20.315%の税金が課されるため、これがゼロになるのは無視できないメリットだからだ。
大切なのは期待値。手段の目的化に注意。
とはいえ、キャピタルゲイン狙いでNISAで保有中の個別株がそこそこ含み損を抱えており、REITは人口が毎年60万人規模で減少している日本で不動産に投資しても、超長期的に考えれば旨みがないと考えていることから保有していない。
結局のところ、非課税枠云々よりも、投資商品そのものが魅力的であるとか、投資手法が自分自身に合った手法で、出すべくして利益を出せているかの方が重要であり、非課税枠を有効活用したいからと投資方針を変えてしまうのは、手段が目的化している感が否めず、ナンセンスではある。
そう考えると、日本企業そのものがPBR1倍割れが常態化していたり、ROEが米国株式などと比較すると見劣りしており、かつ人口減少社会の背景があることから、将来的に成長が見込める業種は限定的である。
これは上場企業3,800社超の中から適切な銘柄を選定するセンスが要求されることを意味し、投資初心者には至難の業で、国内の投資マネーが全世界株式や米国株式のインデックスファンドに流れてしまうのは、致し方ない側面があると思う。
日本企業は投資妙味のある経営に舵取りして頂きたいだけでなく、個人でも金融教育を通じてリテラシーを高める心掛けが、正解のない時代に必要となってくるのかも知れない。
投資の世界に絶対はない。大きな利益を得られる可能性もあれば、損をする可能性もある。大切なのは統計や確率の考えで、あくまでも論理的な期待値の多寡に応じて、感情的にならずにオッズを増減させることである。
例えばサイコロで1〜4の目が出た時に、掛金の倍額が貰えるような構図であれば、2/3の確率で元本が2倍になるのだから、期待値133%となる。一時的に5や6の目が連続しても、継続的に続けて愚直に試行回数を増やすことで、収益は次第に期待値である133%に収束していく。
つまりNISA口座では損益通算が出来ないデメリットはあるものの、課税口座で損益通算した時の税額以上に、非課税メリットが活かせる期待値の高い投資であれば、NISA口座で損切りしてもトータルでは非課税メリットの方が上回る可能性が高い。投資の場合、期待値が数値でキッチリ算出できない難しさはあるものの、継続すれば勝てそうな手法であれば、損切り覚悟で保有するのもひとつの手かも知れない。
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