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panda_119:胸を張って自主研修を

 私たち教員は、教育基本法および教育公務員特例法で、「研修」について定められている。

第九条 法律に定める学校の教員は、自己の崇高な使命を深く自覚し、絶えず研究と修養に励み、その職責の遂行に努めなければならない。
                              (教育基本法)
第二十一条 教育公務員は、その職責を遂行するために、絶えず研究と修養に努めなければならない。
                         (教育公務員特例法)

 「〜ねばならない」の書き方をされていることからも、教員にとっての研修は権利というよりもむしろ義務であることがわかる。

 そして、研修の機会についても法律で定められている。

第二十二条 教育公務員には、研修を受ける機会が与えられなければならない。
2 教員は、授業に支障のない限り、本属長の承認を受けて、勤務場所を離れて研修を行うことができる。

教育公務員特例法

 教員それぞれが、自主的・自発的・主体的に研修を行う機会の保障について述べられています。制限がかかるのは「授業に支障がある場合のみ」です。

 にもかかわらず、教育公務員特例法22条に基づく、いわゆる「自主研修」に制限をかけられることが多くなっているように肌で感じています。

 前任校では、積極的に「職務としての研修」に励むことができたし、制限をかけられたことは一度もありませんでした。しかし、最近は何かと研修内容や研修場所について注文をつけられることが多くなっており、強い問題意識を持っていました。

 そのような中で、2002年に茨城県高等学校教職員組合が出した「法令の趣旨に従った研修で 教育活動の充実をめざそう」という資料を発見しました。非常によくまとまっているので、紹介します。(https://ihsfu.net/site2020/kenshuu/kenshuu1.pdf)

 要点は以下の3つかと思われます。


 ① 授業が行われない長期休業期間中は、「授業に支障がないこと」は明白であり、 研修という職務に従事する旨が「研修計画」として示されていれば、校長が研修を承認するうえで特に難しい問題はないこと。

 ② 日本国憲法の「思想・信条の自由」および教育基本法が禁じている「不当な支配」に相当するような指示は認められないこと。(例:研修の「成果物」の添付、書籍名などの個人情報の記録を強要する)

 ③ 教員の研修の目的は、教科の授業や特別活動などの教育活動を充実させることにあること。研修の成果は教育活動の場において結実するのであって、研修の直後つまり授業実施以前に文書の形で校長に提出できるようなものではないこと。 


 特に、③が重要だと思いました。研修の成果はすぐに形にできるものとは限りません。例えば、社会科教員が「巡検」という形で史跡を見学に行ったとしましょう。その成果を研修直後に目に見える形で出せというのは難しいと思います。しかし、確実に社会科教員としての血肉となり、中長期的に教科指導の充実に繋がることは明白でしょう。

 不当な圧力に屈せず、これからも「職務としての研修」に励み、教科で採用された高校教員として、研鑽を積んでいきたいと思います。たくさんの人たちがあとに続いてくれることを切に願っています。

  


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