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panda_38:しんどいときには

 『私は私のままで生きることにした』の著者であるキム・スヒョンさんの文章を少し長いですが引用します。

(前略)
 しんどいのにしんどくないふりをして、感情をごまかしていると、自分に対する感覚が鈍くなる。その鈍くなった感覚は、他の感情も鈍らせて、自分が限界まで来てもそれに気づかずに、エネルギーが底を突いた自分を放ったらかしにすることになる。
 
 だから、誰もわかってくれなくても、状況が変わらなくても、しんどいときには、しんどいと言って駄々をこねよう。耐えられなければ、ちょっと立ち止まろう。いつもいつも大丈夫だと言って、気を引き締めてばかりいられないし、いつもいつも強い人間でいることもできない。
 
 だから、人生でやるべきタスクが多すぎたり、責任感で溺れ死にそうになったり、家に帰った瞬間に涙があふれそうになったりしたら、「しんどい」と言おう。

 誰もあなたの代わりにあなたを守ってくれない。耐えがたい犠牲に耐えるのは、自分を虐待しているのと同じ。もう少し自己中心的になっても、もう少し無責任になっても大丈夫。責任があると言いながら、窒息するまで自分を放っておくことほど、自分に対して無責任なことはない。

キム・スヒョン『私は私のままで生きることにした』より

 冷静に読めば、ここでは当たり前のことしか言っていない。ただ、「しんどい」ときに読んだからか、涙が出てきた。
 
 私は「しんどい」とか「辛い」とか「苦しい」といった感情を出すのがとても苦手である。溜め込まずにどんどん吐き出せればいいのだけど、我慢に我慢を重ねて、心が限界を迎えてしまうことがある。

 「耐えがたい犠牲に耐えるのは、自分を虐待しているのと同じ」という指摘にはハッとさせれた。毎日毎日、私は自分を痛めつけていたのかもしれない。

 キム・スヒョンさんはこの文章に「しんどいときには、しんどいと言おう」というタイトルをつけている。その通りだと思った。

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