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『Boys In Blue』

 「バンプが好きならバーガーも抑えておけ」

 というのは孫子の言葉だったか。やはり昔の人の書き残した教えは今を生きる我々とって大きな助けになる。

 私はメジャーレーベルで活躍している”BUMP OF CHICKEN”しか知らなかったが、彼らと同じ2000年代初頭を駆け抜けたロックバンド”BURGER NUDS”の作り出す音楽も私の琴線に触れる。現在交流があるかは知らないが、駆け出しの頃には同じツアーを回ったバンド達だ。

 今日紹介するのは強烈な個性を持ちつつもなぜか親しみ安い一曲『Boys In Blue』だ。彼らの唯一のアルバム『Shymphony』の8曲目、前曲の『遺失物取り扱い係り』からの流れが素晴らしいんだがしょうがない。今回は単品で行ってみよう。(非公式動画です)

 ちょっとセンチメンタルなスリーピースが堪能できる。際立つのは構成だ。なんだこの流れ!? ちょっとナイーブな、マイナー気味な曲調かと思いきや、この迸る熱量はなんだ!?

 まさに”BLUE”、圧倒的に青い。曲から浮かび上がる情景の青。歌詞世界の未成熟さとそこから生まれる勢いが視界を青く染める。こんな経験ないのになんだか懐かしい。こんな思い出があったような錯覚。

 曲がパーツごとにバラバラのように見えて繋がっている。奇跡の産物だと思う。

 曰く、“スタジオが残り1時間だというときに、遊んでいるうちに出来た曲”らしい。そして“とにかくチープな曲を創りたくって、チープな感じを唄いたかった”とのこと。

本当かあ?

 魂が込もっているようにしか感じないけどね。

非常階段駆け上がった
つい救われちゃった

枯れた涙腺を濡らす心の蜃気楼
まだ何も終わってないさ

 ここで救われちゃう人は多いと思うよ。じゃなきゃこの次に『Candle for minority』なんて曲を持ってこないよ。生きづらい人へのエール(とまではいかなくても共感)だと勝手に思っている。

 かつては入手困難だったけれど今はリイシュー版があるので安心。聴け!!

 ちなみに『shymphony』が唯一のアルバムと書いてしまったが、彼らは2016年に再結成、新アルバムをリリースしている。2018年のライブ以降音沙汰がないのでそろそろ動きが欲しいところだ。


一部引用元

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