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『RAINBOW MAN』
想像力の毒を塗り 俺に放てよ雨の弓
今日は、イエモンことTHE YELLOW MONKEYをネタにお話ししてみます!
言わずと知れた邦楽ロック界の大御所バンドのひとつでグラムロック然としたゴージャスなサウンドと歌謡曲的な情感をもった歌メロが特徴ですね。私をロックンロールかぶれにさせた犯人のうちのひとつです。
そもそもMステや紅白に出演するような人気バンドだし今更紹介することも別になくね?とは思ったんですが、ある懸念に気づいてしまったため今回は記事にしてみようと決めました。その懸念とはこれです、『JAM』の印象が強すぎて他の曲に触れられない問題です。
イエモンって「いませんでした〜」の印象あまりに強すぎて、知名度の割にアルバム曲やカップリング、下手したらシングルまでもがイマイチ存在感薄いと思うんですよ。(宴会やスナックのカラオケでも『JAM』以外ウケた試しがない)
もちろんファン同士ならアレ良いよねーコレ堪んないよねーなんて話はたくさんあります。初期だと『This is for you』だったり『Welcome to My Doghouse』や『真珠色の革命時代』が評価が高いですし、解散前だと『峠』や『カナリヤ』あたりはかなりの名曲です。ただ、どいつもこいつもタイアップも何もないアルバム曲なので多分ファン以外誰も知らないでしょう。
というわけで、あえて『JAM』を避けて別の曲の魅力についてお話していけたらと思います。そこで取り上げるのがタイトルに掲げ、冒頭で歌詞を引用しました一曲『RAINBOW MAN』です。
この『RAINBOW MAN』ですが、アルバム曲の中では、非ファンに聴かれた回数は多い方ではあると思います。なぜならイエモンの中で一般に最高傑作とされる6thアルバム『SICKS』の収録曲だからです。レンタル屋とかでおすすめコーナーに置かれがちなのはベスト盤かコレでしょ!というくらいには評価が高いし実際売れた作品です。そのわりにはイマイチ人気がないと思うので紹介してみたいよってのが今回の動機なのです。
『RAINBOW MAN』がイマイチ触れられない理由のひとつに異様に長いってのがあると思います。なんと7分42秒もあります、イカれてますね!2018年に大ヒットした映画でもフィーチャーされた世界的名曲、クイーンの『Bohemian Rhapsody』ですら6分です!!そう考えるとヤバイですね。文字でウダウダ書いてもしょうがいないので聴いたことない方/どんなのか忘れてる方はとりあえず聴いてみましょう。
はい、お疲れ様です。
いかがだったでしょうか?『Bohemian Rhapsody』みたいな派手な変化がないからなんだかダルい。とか思わなかったでしょうか?僕は初めて聴いた時思いました。
ただこの曲とんでもないスルメ曲なんですよね。
この曲の持つ魅力、BPMは特別早くないのにやけに疾走感のあるバンドアンサンブルや、ジェットコースター的な緩急のついた構成に気づくと頭から離れなくなります。
まずサウンド面に目を向けてみます。
オマージュもとは多分この曲です(ちがったらごめんね)
説明不要の大スター、DAVID BOWIE の『Rebel Rebel』じゃないかと。
このドライブ感、近いものがあるんじゃないかと思います。こっちもやっぱかっこいいですね!!
さて、この曲と比べて『RAINBOW MAN』の面白いところは、ケレン味にあると思います。軽快でスタイリッシュな『Rebel Rebel』に比べて『RAINBOW MAN』は過剰なまでのゴージャスさ、大袈裟さが強いです。また、イントロが顕著ですがそこはかとなくアジアンテイストです。このアジア感の理由は歌詞のモチーフになった特撮ヒーローが関係しますが今回は触れられません(観たことないので、すみません🙇♂️)
そして2番目に挙げたジェットコースター的な緩急のついた構成についてですが、おそらくこの部分がこの曲の中毒性の犯人です。脱力がすんごいんです。
通しで聴いた方はわかると思いますが、
この曲、4分5秒の時点からまさかの休みに入ります。僕は初めて聴いた時は、「ふぅ、だいぶ聴いたなー」なんて思ったらシークバーがまだ半分じゃねえか!?って驚きました。
歌詞に関しても
陽だまりの中を寝転ぶ小鳥が俺を呼んでいる 深呼吸 リラックス
という具合ですし、スイッチがOFFになります。ここが重要だと思います。
速度的には早くもなんともない"ジェットコースターの登り部分"がドキドキするのは、次にスリリングな落下が控えていることを知っているから。ですよね、登り部分のみを単品で抜き出したらハイキングで乗るロープウェイやケーブルカーと体験としては一緒ですからね。
曲展開にも同じことが言えると思います。この曲は、5分30秒あたりからクライマックスに入りますが、そのことを前提とした状態で休み部分を聴いてみると絶叫マシンがなくてもスリリングさを味わえると思います。
しかも盛り上がる箇所の肝心な歌詞が
外野のノイズは殺せ(死ね 死ね 死ね 死ね) 邪魔な雑念は消しちまえ (死ね 死ね 死ね 死ね)
ですからね。あまりにロックすぎる。
あぶない昂揚感があるんで思わずカッコ内のコーラスを真似したくなりますがあぶない人に近づいちゃうのでやめた方が無難でしょうね。余談ですがこのコーラスも前述の特撮ヒーロー由来とのことです。
というわけで音楽レビュー第2弾でした。
今回は時間があったので丁寧に書いてみたんですがどうしても文字数が多くなってしまいますね。私の記事では最長かも知れません。今後はもうちょいサクッと紹介していきたいものですね。
ではまた🤙