ナイトエコノミーを全力で受入整備へ🌌
昨年までならこの時期、夏休みが終わった高松市では連日、多くの外国人観光客が訪れているのを見かけていた。昼間はどこかの観光地を巡っている彼ら。夕方になりホテルに帰ると、夕食を済ませ自由な時間を過ごす。
都会には様々なナイトアクティビティのプログラムが揃っていて、それこそ選び放題である。別にそんな観光商品に参加をしなくても、街は夜遅くまで賑わっているので、それこそ買い物や飲食などに思う存分、時間を費やすことが出来る環境がある。しかしこれが地方都市へ来ると事情が異なる。飲食店くらいしか開いていないというところもザラ。
地方の夜は早い、7時を過ぎには暗くなるのが当たり前だ
高松市には立派な商店街が縦横無尽に張り巡らされていて、結構遅くまで安心してナイト散歩が楽しめる空間がある。実際に彼らが宿泊するホテルの建つ近所の商店街は安心して歩きを楽しめる格好の散歩道だ。
手には思い思いに買い集めた土産物を下げて帰る様子はほほえましい。商店街の中にぽつんとある写真スポットだが、普段は日本人には誰も見向きもしないが、ことのほか外国人には好評の様であるのも面白い。
宿泊した街の思い出をたどる旅のアルバムにしっかりと写真が残される。滞在型観光地を目指すのならば、まずはこうしたなにげない街角をもっと魅力溢れるものにしなければならない。それこそが磨くということであろう。
そして是非提案をしたいのが主要エリアの主な建物に、永続的なライトを当てて欲しい。
普段はライトアップされない建物もライトアップで魅力的に
少々老朽化した建物でもあまり目立たないのだ。
ライトアップするための器具もLED化されたことで、電力代は劇的に安くなった。夜間、外出をするきっかけづくりにはこうしたイベントが重要。例えば香港では毎夜、8時過ぎになると香港島のビル街の壁面が光り、屋上からレーザー光線が夜空を照らすショーが開催される(シンフォニーオブライツ)。
ライトそのものの瞬きを楽しむのもいいが、歴史的な建物のしつらえを改めて浮かび上がらせるライトアップも面白いものだ。最新のビルでも古民家でもライトの当て方次第で、思いのほか魅力的な姿を見せてくれる。
世界の観光都市は街の主要な建物をライトアップしている
昼間だとビル街に埋もれてしまっていた歴史の証人となってきた建物達が夜になって元気を取り戻す様だ。ここにこんな建物があったのかと記憶をたどらなくてもその存在は見る人を魅了し、自然とその街への愛着も生まれる。
もちろん最新型のビルならば、窓ガラスも多用され、LEDを予め組み込むことで、どう照らせばビルが映えるかよく研究された設計になっており問題はない。古い建物ならばほぼ外から光を当てないと内側からの光はあまり漏れないのだ。
最近では太陽光で発電した電気を貯めて夜のライトアップに生かせるような機器も増え、ぜひ計画的に街のライトアップ整備を考えてみることも大事な施策と言えよう。
屋島から見る高松市内の夜景の秀逸さ
毎年秋の時期になると、県内各地でナイトエコノミーを念頭にした、試験的なイベントが複数行われてきているが、今年はこのコロナ禍でそういった動きが出なくなった。是非、自治体の補助を受けなくても継続出来る様なレベルにして欲しいものである。
少し都心を離れたところにそびえたつ屋島は、高松市内の夜景と瀬戸内海の夕景を同時に見られる場所、として貴重な観光資源である。現在、高松市では新たな山上観光のビジターセンターも建設している。
ここがどのような運用時間を描いているかはわからないが、当然、夜景観賞にとっての拠点となる運用も考えられているものと思われる。その完成に合わせて屋島から見渡す高松市街地の夜景のすばらしさをどう県外からの観光客に伝えていくのか。
夜景鑑賞スポットで有名になってもおかしくない屋島
これからは高松市内に宿泊した人が夜のオプショナル観光として、ぜひ屋島で時を過ごしてもらうためのソフト面の整備を考えていかないければ間に合わない。いつの日か函館山や稲佐山のように観光客が多く訪れる目的地へと変貌をしている姿を想像して着実な前進を図ってもらいたいと願う。
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