変化に強い事業組織を作るのは『すごい人やアイデア』ではなく『シミュレーション体制』ではないかというお話
どうも、森勝です。
リモート生活が続き、リアル対面力を日に日に失っています。気がつけばふらっと寄ったカラオケバーで見知らぬ方との朝までデュエットみたいなイベントはもう遠い日のことです。
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記事を書いた経緯(余談)
前事業のクローズ
当時は私から発信すべきことも特別なかったので、当時の代表の石井にお任せする形になっていましたが、1年半ほど前に、立ち上げていたSaaS企業をクローズすることとなりました。
多くの学びが生まれました。ご利用いただいていたお客様には、使い続けていただく選択肢を提示できずに無念だったというのはもちろん、特に、「クリティカルなニーズとして認識されていづらい」事業課題をソフトウェアとして解決することの難しさを非常に感じました。
それと同時に、そういった「ほっとかれると誰もやらなそうな課題解決」というものに非常にやりがいを感じる人間であることを再自覚しました。
勝つべくして勝てそう、今後必ず重要になる、といった文脈のものは探せば意外とある気がします(といい聞かせています、笑)が、その考え方は「投資」と非常に似ています。
自身のメインワークともなれば生活の依代でもあり、成功の確度が高いほど良く、「投資思考」は正しい選択の仕方とも言えます。若いうちほど、その選択が2度目3度目のチャンスを生みます。
私自身、先述の事業を畳み、次に何をするかフラフラとしていた時に、様々なビジネスモデルの趣向の可能性を探るためにも、本当にたくさんの企業様にお邪魔させていただきました。
最後まで残ったのは、社会課題系IoT、ビジネスパーソン向けSaaSで、どちらの経営陣とも何度も面談を重ね、オファーをいただいた状態でした。
そんな折に、目にしたのが現所属の代表・木村さんの熱(苦し)いnote、でした。
結構長いのにさらっと読めたのは、文中にもある通り「諦めない」という決め込みに、熱量を感じたからだと思います。
そして、予実管理や経営管理系のサービスはありますが、意外と「事業計画・シミュレーション」ができるサービスは知らないことに気が付きました。
当時から事業計画(特に、収支計画)とは、
仮説が問題ないかチェックし深め直すため
ステークホルダーやメンバーとのコミュニケーションを行うため
と考えていた私にとっては、調べて出てくる近いサービスはどれもテンプレチックで、ここがちゃんと行えそうなサービスは無いように見えました。
プロフィナンスはそうした事業計画がもたらす価値に、フォーカスをしていそうで本質的に感じました。
事業計画という領域、これ何を正解とするかが大変そうだけど、できたらめちゃくちゃ助かること多いだろうなあ
シミュレーションとしての開発自体も技術的に大変そうだな
エクセルもある中で求められるようになるには、かなり営業労力いるなあ
デザイン面やプライシングもっと頑張れそうだな〜
PMコミュニティで募集かけてたし、困ってはいそうだな…
まだオファーへの返答はしていないものの、タイミングが合えばなあ〜、これはひっそり応援していこう、と思いTwitterで引用RTをしてそっと閉じました。
もう想像はつくかと思いますが、そこからは、早かったです。
光の速さでDMが飛んで来て、軽いトーク・次回は飲みましょうという話になりました。
色々と話を聞く中で、想像通り(?)開発体制や仮説検証、マーケティングに困っており、うちに来ませんか?という話にもなりました。
オファーを頂いた2社は、ある意味PMFを目前としている段階にあり、大枠はできあがっていた状態でしたので、「どう訴求を改善するか」「どう伸ばすか」の段階にあり、苦難度で言えばプロフィナンスの方が圧倒的にまだまだでした。
が、先述の通り「ほっとかれると誰もやらなそうな課題解決」というものに取り組み、「勝つべくして勝てそう、今後必ず重要になる」といった文脈で言われるようにすることそのものが「面白い」と感じる人間です。
傍から見て勝ち筋は思いつきませんでしたが、こういう状況が好みだな、とも思いました。逆に言えば、内側の情報を持たない人から見て、なんか勝てそうと思える状況だとしたら、少なくともガワだけPMFしたようなものです。
起業(制作開発会社)や経営企画・事業企画を行った経験と、PMとしてのロードマップ設計力、ブランドデザイン・開発技術、全てが求められており、全てを如何なく発揮できるステージです。
今ジョインするならココだな、とめぐり合わせを感じました。
ジョイン、第2創業、MVP開発
記事にもありますが、2022年1月に旧プロダクトである「ProfinanSS」をリリースを行ったばかりでした。ジョインを決めたのは2022年3月。
前事業のクローズに伴うアレコレもあり、正式には2022年7月のジョインとなりましたが、関わり始めてからは色々ありました。
まず、代表の木村さんと毎日のようにディスカッションを行いました。
掲げているビジョンの言語化と整理
プロダクトで解決したいことの整理
実際に売れるのかの検証(プロトタイプでの営業)
など。株主の皆様や、当時在籍していたメンバー陣とも会話の機会をガッツリいただき、各自の現状整理等を行っていきました。
当時のプロダクトは、できることが限られていたためプライシングも安価で、本来的にやっていくべきことが明確になっていく傍ら、経営面も含めて根本的な方針転換が必要だと考えるようになりました。
そして、ロードマップを引き直したあたりで、メンバー陣の退職意思も出てきました。小規模組織ではありましたが、小規模なりの大改革ではあり、大きく権限も頂いた中で、各自の考えを充分に吸収しきれなかったことが原因だと思います。
彼らが作ったプロダクトがあったから木村さんの投稿があり、私は今この記事を書いているのですから、非常に丁寧な引き継ぎ資料を開く度に、一緒にやっていく道もあったのではないかとよく思い返します。
会社は木村さんと、本業の傍らで頑張ってくださっている取締役の宮田さん、私、の3名になり、木村さんが稼ぎとPMM的活動を、私がデザインと開発、既存プロダクトの運用を行いました。
プロトタイプ検証に3ヶ月、開発に約半年の期間を経て、2023年1月に無事に早期アクセス版をリリースすることになりました。
記事を書いた経緯
起業前の方も対象にしていた、ある種の to C プロダクトだった ProfinanSS でしたが、アイデア検証前の「高度なシミュレーション」と、事業の成長サイクルの概念を大きく変える提供価値として「動的な予実管理」を掲げる to B として生まれ変わり、Vividir(ビビディア)とリネームしました。
この「ついエクセルで取り組んで、毎度メンテやチーム作業で苦しむ」「ひいては事業成長と計画の歯車が回ってない」という苦悩に含まれる様々な課題は、「探せばありそうなソリューション」に感じられますが、なかなかなかったのです。
早期アクセスでは、様々な洞察が得られました。
まず、開発前から契約頂いてくれた企業様以外にもちゃんとソリューションとして刺さるものができてきたように思います。もちろんプロダクトだけではなく、サービスも含めて。
また、新たに強力なメンバーに入社いただいたことで、プランの棲み分けや、運用環境の整備もでき、様々な企業にお使いいただいても「どんどん改善できる」状況になってきました。
これを機に、早期アクセスでのUI、アルゴリズム、レスポンス速度などを大きく改善し、リリースから8ヶ月が経った9月初頭に、無事に正式版をリリースいたしました。
モダンなビジネス組織の理想は、シミュレーション体制の強化にある
私のような人間にとって、ビジネスはある種のライフワーク感があります。特段大きなビジネスをしてきたわけでもありませんが、チームで作った仮説を検証する、ということの繰り返しの中には、やはりフェーズがある思っています。
また、そのフェーズが進んだタイミングごとに何度もエクセルを開いては、「最新版」を作成しますし、フェーズが進んでなくたってスピードを求めて小さくピボットすることがあります。そして、同様に「最新版」をドラフトします。
(これをチームでシェアするのが非常に大変。Gitを下さい、と常々思ってました)
ついでに、フェーズの中でも「収益性」や「成長ドライバー」の妥当性を評価するフェーズは非常に難しいものです。
多くの企業でも、そういったフェーズについては体系化された図というものがあったりしますが、完璧なロジックというのは存在し得ないものですし、そうしたビジネスモデルの変化やモニタリング指標の変化は「早いほうが良い」です。
など。思い悩んだことのある方も多いのではないでしょうか。
この問いが生まれるのは、構想の時間と検証をトレードオフにしているからだと思うのです。だったら答えは「迅速に深いシミュレーションをする」しかありません。
事業をやっていれば、いくらでも仮説は浮かんでくるものです。
その仮説に対して、1:1レベルでサクッとシミュレーションを立ち上げたり、会議をしながら変数をチームでいじってみたりすることで、結果的に「意思決定のスピード」は上がります。
また、意思決定した方針に対して、モニタリングの検証土台を作っておくことも重要です。これも一撃で解決できれば、「変化に強い組織」と言っても過言ではありません。
もし、これをエクセルで行う場合、
仮説を思いつく
エクセルを改修する、作り直すのがめんどくさい
頑張って数日にわけてつくる
意思決定するのに各所の確認や会議を重ねる
あっという間に数ヶ月経つ
実績集計を入力する箇所が変わるので、エクセルを拡張する(数日にわける・・・)
という具合です。システム連携をしていたり、開発や露出関連の様々な影響ももちろんありますが、事業の方針やKPIをちょっと変えるだけでも時間が溶けます。
令和にもなったビジネス組織が、AIがなんちゃらと騒がれてる時代に、なかなか仮説検証スピードが高まらないのは、フットワークの重さにあると思うのです。
その初動となるべき「シミュレーションをしまくる」行為のめんどくささ
その後の想像しただけでやる気を削がれる諸作業の数々
実は、こうした細かい論点が、言ってしまえば『シミュレーション体制』が強くないことそれ自体が『すごいアイデア』や『すごい人』になったであろう可能性を閉ざしている根本的な原因だったりするのではないかとさえ思います。
Vividir(ビビディア)が望むこと
Vividirの名前の由来は、"vivid direction" です。
誰もが素早く、鮮やかな道筋を描けるようにしたいのです。
生成AIが発達してきたように、多くの人が特定のプロセスをこなすことに障害がなくなってきています。
Vividirを通して、そのアイデアいけそう・ここ深掘りしましょう、といったことを、数値でもガッツリシミュレーションして、その後のモニタリングやビジネス開発の基盤となれるよう尽力したいと思います。
誰かの課題を解こうと全力投球される皆様方の、その道筋を照らせるプロダクトサービスを届けてまいりたいと思います。そういったサービスがVividirを通して、私の周りを始め、日本や、世界や、なんならプロフィナンスから、爆誕しまくることを想像しています。
今死にものぐるいで突き進むあなたも、未来の起業家・事業家のあなたも、未来のメンバーかもしれないあなたも、この生まれたばかりのVividirをどうぞお見知りおきください。
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