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下村淳史 「ヴィクトリアン・ホテル」
下村淳史 ヴィクトリアン・ホテル
ホテル・エンターテイメントとして読んでいたら、思いがけず深い感動がありました。
優しさとは何か、というメッセージがこめられているエピソードが幾つかあります。
人に優しくしたことで誰かに批判されて損した気分になったことがあったり、人を思いやることに疲れた、という方に良いかも知れません。
私は性格診断の結果では、奉仕力が高い、という特性があり、これはネガティブに言えば、恩着せがましい、ということがあります。
(性格診断についてはこちらのページにて→ https://dnamatrix.jp/ )
優しくする、思いやる、というのも一方的では、時に誰かを苦しめたり、傲慢になったりするものです。
この小説を読んでいると、そんなエピソードが幾つも描かれていて、自己内省にもなります。
ただ、思いやりや優しさは人間の自己満足や偽善なのかと思い悩むと、それは一方的な自己理解のみで終わってしまい、何と言うか、、勿体ないと思います。
自分以外の目線で自分をとらえる、相手からのフィードバックをうけとる、そして次からは、より深く考えてから、また優しくする。
それで、思いやりや優しさがプラスに働く。その繰り返し。
人間関係の悩みの原因の一つに、相互誤解というものがあると思います。
リアリティのある小説の中で、様々な人間関係の誤解を一つづつ解いていくストーリーを読んでいくことで、自分のためになるような疑似体験ができると思ってます。
「ヴィクトリアン・ホテル」は100年の歴史あるホテルで、翌日には幕を降ろす、つまり閉館する、ということが冒頭で記されます。
ホテルが舞台となっていて、一貫して重厚な気品のある雰囲気に身を置きながら物語に没頭できます。
そのホテルの様々な宿泊客により紡がれていく長編ミステリーとして楽しみながら読み進められます。
#ヴィクトリアンホテル
#下村敦史
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