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ネンを入れる
夏の暑さにやられているREORGです。
今回はレザークラフトにおける「捻(ネン)を入れる」という話。知っている人にとっては目新しいことでもない話ですが、もし今後レザークラフトをやってみたいと思っている人はもちろん、ハンドメイドの革製品を買いたいと思っている人にも知っておいてもらえると嬉しいな、という内容です。
「ネンを入れる」とは?
革製品の中には、革のフチの部分(コバと言います)に沿って線が引かれていることがあります。この線を引く作業を「ネンを入れる」または「ネン引きをする」などと言います。
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道具、ネンの入れ方
ネンを入れるには、「フチ捻」や「玉捻」などと呼ばれる道具を使います。
これを熱した状態で革のフチに押し当て、スライドさせることで線を引いていきます。きれいにやれば線が引けると同時にフチ部分が少し丸みを帯び、光沢が生まれます。
フチ捻(玉捻)は電気で熱するタイプとアルコールランプなどで熱するタイプがありますが、自分は電気で熱する「電気ネン」というタイプを使っています。
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なぜネンを入れる?
本来の理由としては、革に熱を加えることで繊維が凝縮され耐久性が高まるため、とのことです。そうすることで革の切断された箇所から綻びが出てくるのを防ぐためなのでしょう。
・・・「なのでしょう」などと無責任な表現になってしまいましたが、実際にはその恩恵を実感として感じたことはないのが正直なところ。ちゃんとコバ処理をしていれば簡単に綻びることもないので、実際には装飾的な意味合いも大きいと思います。というか自分はほぼ100%装飾的な理由でやっています。
ネンが入っていたほうがよい?
これは正直に言うと個人の好みによりますので一概には言えないかな、と。個人的には多少高級感を出したい作品にはネンを施すことが多いかな、というくらいですかね。
もちろん入れないよりは入れるほうが手間がかかるので、売り物についてはその手間賃も価格に若干反映させてもらっています。
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最後に一言・・
なぜ今回こんな説明を書いたかというと、ネン引きされた作品を見た人から「これは革ではなくビニールだ」と言われてショックを受けたからです。フチ部分に線が入っていたり光沢が出ていることを指摘したうえでの発言だったのですが、どうして素材全体が革からビニールになるのか・・。
もちろんネン引きという工程なんて知らなくて当たり前ですが、せっかくハンドメイドの作品を手に取るなら、「ネン引きという処理もあるんだよ」ということを知っていれば少しは作品理解の手助けにはなるかな、と思った次第です。