あふれる郷土愛。 - - - 海に向かって 讚(ツァン)! を叫び続けた女性 - - -
讚 !(ツァン)とは「良いね!」のこと
溢れる郷土愛
その女性の 讚 ! の連呼はもはや 郷土愛の爆発的発露だった。故郷の海を愛するあまり、溢れ出る感情が抑えきれないようでもあり、抑えようとする素振りもなかった。それが止むことなく、声になって出続けていた。
横に居た私もつられて讚 ! を連呼した。
海に向かって連呼
この女性が ツァン!
一瞬おくれて私が ツァン!
海に向かって延々と続く2拍子
ツァン! ー ツァン!、、、
ツァン! ー ツァン!、、、
ツァン! ー ツァン!、、、
2018年7月15日
一泊二日の短い金門島の旅の締めくくりは地元のタクシーのおまかせ観光だった。民宿の老闆が知り合いの運転手を呼んでくれた。行き先は鄭成功関連のスポットを2,3指定して、それ以外はすべておまかせした。
その一つが、南石滬公園だった。
そこから海を眺めた。
響き渡る 讚 !
女性は 讚 ! と叫んだ。
そしてまた 讚 ! と叫んだ。
その後も続く。
叫んでいるうちに 讚 ! が止まらなくなった。
この人がタクシーの運転手だった。
前半のスポットでは普通にふるまい落ち着いていた。それが、この海にきて激変した。
さらに主客が逆転し、この女性の号令に従って私も叫ぶという状態へ 、、、
ツァン! ー ツァン!、、、
ツァン! ー ツァン!、、、
ツァン! ー ツァン!、、、
それにしても、ストレートに郷土愛を叫ぶとは実に爽快だ。
台湾人の素朴な郷土愛
ここまで熱烈ではないにせよ、郷土愛、台湾愛をストレートに表現する人は台湾ではめずらしくない。
時の政権への批判や、グループ間で考え方の違いによるぶつかり合いは有れど、台湾をディスる人を見たこと無い。
多様な社会をつなぐ横串
多民族、多文化、多元な社会の中にあって、それぞれのエスニックグループが敬愛する歴史上の英雄は異なるかもしれないが、郷土愛、台湾愛では皆みごとに一致している。
多様であっても決してカオスではない
だから多様であることが社会の分断にはつながらない。
直感です
換言すると、
「共通の価値観を持たない多様化を政策的に進めると、社会の分断とカオスをもたらす危険性が潜む」と直感した。
台湾社会と対比した時の日本社会の昨今の動き、政治動向に危うさを感じる。
台湾は、社会のありようとして素晴らしいと感じるし、羨ましくもある。
こんな素敵な旅の記憶、危うく忘れてしまうところだった。書き留めておこう。