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マンガでわかる お金を増やす思考法 (監修・奥野一成さん) を読んでみた

今年も半年が過ぎようとしています。1月から、一部のnoteの記事をつくる際に「パーソナル編集者」の みずのけいすけ さんに伴走していただいてます。記事のテーマの検討、記事の中身の構成や表現のブラッシュアップ、記事づくりの様々なプロセスで壁打ち相手として沢山のアドバイスを頂いてきました。

そのみずのさんと一緒に創った記事をまとめたマガジンです。ぜひ覗いてみてください。

みずのさんとの協働、共創でアウトプットに向けていく過程での学び、気づき、発見はたくさんあったのですが、最も印象深い一つが「タイトル」でした。

記事のタイトルです。僕独りの創作では頭に浮かんでこないものでした。もちろん、ベストなタイトルみたいな正解があるわけじゃない、そう思っています。でも、タイトルの持つ意味を、この半年であらためて再認識させられた感覚です。

タイトルって深いなあ、と。

そうでした、この記事は 農林中金バリューインベストメンツ 奥野一成さんが監修、先日出版された本を読んでみた話です。

『マンガでわかる お金を増やす思考法』でビビビッと来た3つの場面

マンガの主人公は 地方のスーパーで働く26歳の女性、富澤さん。その富澤さんの前に現れるナゾ?の投資家が奥野さん。こんな設定です。富澤さんが奥野さんのアドバイスを得て新しい価値創造にチャレンジしていくストーリーです。

物語が始まってすぐにビビビっと来たシーンです。

緑のシールは付箋です

”世の中が成長しているなかで現状維持は後退しているに等しいんですよ”

現状維持で、というマインドセットではなく、新しい価値を創る、その価値は小さなものでもいいから、そのために自分には何ができるのか考えようよ、という富澤さんへのメッセージでした。

この物語はもちろん、本の「はじめに」でも強調されていること。それが「お金はありがとうのしるし」です。

お金は、人間が抱えている課題を解決することができる人・組織に集まります。大きな利益を継続的に上げることのできる企業は、顧客や社会の課題を解決する偉大な企業です。そういった企業のオーナーになることこそが、お金を長期的に増やすことのできる王道だと考えています。

課題が解決される際に生まれているのが「価値」だと思います。「価値」を創っている、実現している。それが持続的にできれば自ずとお金は集まってくるもの。

「現状維持」という言葉でご紹介したいのがこの記事です。

twitter のトレンドを見ていると、時折出てくる「インデックス投資」について、こう説明されています。

日々の株式市場では、将来収益に関して、市場の想定とは異なった新たな情報が出た場合、それに合わせて株価(時価総額)は修正されます。インデックスファンドは常にそれを追認する形で動きますから、言わば「現状追認型」の運用です。インデックスファンドの組み入れ上位に、すでに成功して評価が高く、有名な大会社がずらっと並んでいるのはこのためです。

僕もこの考え方に賛成、同意です。現状追認と現状維持、よく似た言葉だと思いましてね。もちろん、現状追認の運用だと利益が得られないというわけではありません。また、自分の意思を反映したからといって多くの利益が得られるというわけでもありません。

どう判断して行動するかは人それぞれです。しかし、株式投資を通じてどんな「資産」を保有しているのか、その点だけはよーく理解しておく必要がある、そう思います。

ビビビっと来た2つ目の場面です。

”投資をすることで「価値」と「価格」の違いに敏感になります”

物語のエピローグに近づいたところ。奥野さんが主人公に伝える言葉です。

この言葉は耳が痛い、というか、読書だから目が痛い?

株式投資を始めて20年が経ちます。それだけ続けてきたのに「価値」と「価格」との違いを自分の頭、思考法にガッチリと据え付けるところに至れたのはこの3〜4年ではないか、と思っているからです。

「価値」への関心を高めることなく「価格」を追いかけ回す、そんな行動を何年も続けていました。

「価格と価値は違う」これをもっと早く自分の思考法に取り入れていれば僕の「資産」はもっと変わっていただろうに、と考えています。この辺りの詳しい過程は以下の記事に書いていますのでご興味あれば覗いてみてください。

ビビビっと来た3つ目の場面です。

企業型DCの可能性

企業型DC についてのこの主人公のセリフ。

全ての国民に企業型DCを。奥野さんのツイートです。主人公のセリフで企業型DCのポテンシャルが示されています。

人的資本経営。今、かなり盛り上がっていますよね。

人的資本経営の開示内容のアイテムとして、企業年金がどうなっているか、って結構重要じゃないか、と感じています。

企業型DCが導入されているか、従業員はそれをどれだけ積極的に活用しているか、です。リスクある「資産」に多く配分しているから従業員が多いこと、イコール、学びに積極的、ということにはならないと思います。しかし、リスクある「資産」に多く配分している従業員の割合が多いことは、それだけ会社側が手間をかけて継続教育に投資していることを示唆するのではないか、と。

個人的な仮説ですが、人材を惹きつけるという観点で、企業型DCがどう運営されているか(商品や継続教育等)がもっと注目を集めるだろう、と推測しています。長期的な視点で人的資本経営に影響してくるのでは?、と。

以上が ビビビッと来た3つの場面でした。

タイトル、「お金を増やす思考法」について

記事の冒頭で、タイトルって深いなあ、という話をしました。

本をザッと読んでみて、というか、本を読む前から思っていたことです。

この本はきっと「お金」そのものを直接的に増やす、そんなトーンではない、ということです。

持続的に価値を創れる、実現させることができる「資産」を、自分のバランスシートに積み重ねていきましょう、そんな思考法を身につけましょう、これがこの本のメッセージなんだと思います。『第1章 生涯収入を最大にするジブン・ポートフォリオ』がこの点について詳しく説明されています。

お金を(短期的に)増やしたい。その希望、願いにこの本は沿えていません。しかし、運良く短期的にお金が仮に増えたとして、お金だけではどうしようもない。そのお金をどう活かすのか、という問いが生まれるはずです。

結局のところ、持続的に価値を創る、実現する可能性が高い「資産」を持つ、増やしていくことが大切になってくる。そうした「資産」は時間と共に評価を高めていく可能性があり、結果としてより大きな「お金」に換金しやすくなる。

増やそうと努める対象は、お金ではなく、「価値」を創る「資産」

さて、ここで、本のタイトルはこれで良かったのか、という問いが浮かびました。

結論から言えば、大正解だと思います。

短期的にお金を増やしたい、そう考えて本を手に取った人にとってはミスマッチかもしれません。

でも、株式投資=お金を増やすこと、こんな先入観を持っている人に理解してもらえる、発見してもらえる可能性があると思ったからです。

投資とは価値ある「資産」を手に入れて積み上げていくこと、そうしてジブン・ポートフォリオを築くことなんだ、ということが分かってもらえる一冊だと思います。

株式投資=お金を増やすこと、と考えている人の手元にこの本が届きますように。

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