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「勝ち」にこだわる投資家は”価格””株価”を追いかけ、「価値」に目を向ける投資家は”ありがとう”を探す
この記事をつくった後に、考えたことです。
負けたら存在価値がない
こんな説もSNSでは多数見かけます。
アクティブファンドは9割負ける
勝つファンドを事前に見つけ出すことは不可能
インデックスファンドを選好する投資家の皆さんの多くがお題目、念仏のように唱えられているように感じます。
こうした説には「負けたくない」、「勝ち負け」への強い執念のようなものを感じるのは、僕だけでしょうか。
「勝ち」「負け」を決定するのは、株価、価格です。ですから、「勝ち」「負けない」にこだわる投資家が株価、価格を追いかけるのは当然でしょう。
一方、冒頭の記事に書いていますが、僕は勝ち負けに、あまり関心がありません。
「勝ち」ではなく「価値」が気になります。大いに関心があります。
価値の源泉は、投資している会社がその事業を通じて創り出している、実現している商品やサービス。そして、それに対価を支払ってくださる顧客、原材料その他を提供する仕入先。なにより重要なのは、その会社で働いてくれる人たちです。
保有している株式の株価、投資信託の基準価額。毎月確認していますが、あくまで記録という捉え方です。特に短期、1ヶ月、1年で増えた減ったも見ていますが、一喜一憂することはありません。
5年前、10年前、15年前の数字と見比べて、ああ、こんな感じだったのか、とその頃を思い出そうとすることはあります(が、あまり思い出せません笑)。
その頃の時価を見てもピンと来ないことが多いのですが、当時保有していた資産の中身を見ると、記憶が少し蘇ります。「あの頃は、そんな考え方をしていたのか」と。
たとえば10年前、僕の資産の7割近くがパッシブ運用になっていました。僕は「負けない」を重視する「勝ち負け」にこだわる投資家でした。ですから、投資している会社の事業への関心は非常に希薄でした。「価格」を追いかけることに終始していました。
「勝つ」「負けない」から「価値」に関心が向かうようになった理由
2015年くらいから自分の資産にアクティブファンド、特に「厳選型」のファンドを加えていくようになりました。この種のファンドを少しずつ買い増していくうちに、「投資の成果はどこからどうやって、誰のおかげでもたらされるのか」という問いを意識するようになりました。
確かに、投資の成果は「価格」の騰落で測られます。でも、その「価格」の裏付けになっているものは何か、と。それは投資先の会社の業績や財務です。特に時間軸を長く取れば取るほど、会社の創り出す、実現している価値が重要になってきます。
「価値」は、顧客の課題を解決したり、満足を提供することで生まれます。
農林中金バリューインベストメンツの奥野一成さんは、「お金は「ありがとうの印」と表現されています。
ありがとう は、顧客の課題解決、満足の結果、生まれます。
株式投資とは、より多くの「ありがとう」が集まるように、より心のこもった「ありがとう」を受け取れるように研鑽を続ける会社の関係者、オーナーになるためにお金を使うこと と捉えることもできるように思えてきました。
株価、価格は「影」
株価、価格が「影」。
ずっと前から読んだり、見たり、聞いたりしていました。でも、腹の底から納得できていない時間が長く続きました。ホント、わかっていなかった、、、
上場会社の株価は落ち着きなく動き回り、時に大きく変動します。しかし、それは「影」。実体は別のところにある。それがようやく腹の底から納得できたのはこの数年のお話と言っても良いくらいの感覚です。
「勝ち」「負けない」にこだわり株価、価格を追いかけることは、すなわち、実体ではない「影」を追いかけているに過ぎない。こればかりは、もっともっと早く腹の底から理解、納得しておきたかった、と常々感じています。
「価値」に目を向ける投資家は”ありがとう”を探す
難しい課題がいとも簡単に解決されたら、きっと大きな”ありがとう”が生まれ、そこにそれに応じた対価(売上)も付いてくる。その実現した価値に見合うだけの利益をその会社が得る。
”ありがとう”が「価値」の源泉なんだろう、って思います。その「価値」を独自の、他社では実現し得ない、マネの出来ない手法で実現、提供する会社。それを継続できる会社は”ありがとう”を増やし続けられる。お金を増やし続ける。
「勝ち」ではなく「価値」に目を向ける、強い関心を寄せる投資家は”ありがとう”を探しているのだろう、と感じました。
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