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きみのお金は誰のため (著・田内学さん)を読み終えて「ずるいなあ」と感じました
昨日、読み終えました。
2021年9月に出版された田内さんのデビュー作 #お金のむこうに人がいる がとても大好きな一冊になったので、今回の作品をとても楽しみにしていました。
読み終えての最初の感想は 「田内さん、ずるい」でした。
本の主人公は3人。中学生の優斗、投資銀行ではたらく七海、そしてボス。
ボスが優斗、七海とともに、3つの謎、
お金自体には価値がない
お金で解決できる問題はない
みんなでお金を貯めても意味がない
を解き明かしていくストーリー。
このストーリーのなかで、優斗はなんども「ずるい」とボスに食ってかかります。「お金持ち、ずるい」「(大量の国債を抱えさせてきた)大人、ずるい」など。実際に「ずるい」かどうか、はぜひこの本を読んで考えてみてください。
ストーリーはラストに向けて、主人公たち自身の謎にフォーカスされていきます。
そして、本を読み終えて思ったのです、作者の田内さんに対して「ずるい!」と
本を読んで強く印象に残った箇所をいくつかご紹介します。
三流の投資家
昨日の時点で、Amazonのページはこうなっていました。
![](https://assets.st-note.com/img/1697750590803-hoXTQUT8Wc.png?width=1200)
「売れ筋ランキング」のジャンルにご注目。「一般・投資読み物(本)」「株式投資・投資信託」に分類されています。
どんな金融商品を買ったらいいか、NISAのことを知りたい。その種の本を読む前にぜひとも手に取ってもらいたい一冊ですので、Amazonのジャンル分けはグッジョブ!だと思いました。
上記のジャンル分けは「本」の方でKindle版はこうなっています。
![](https://assets.st-note.com/img/1697750863215-aVVL3GTDfK.png)
本の第4章 格差の謎 「退治する悪党は存在しない」 で投資について濃厚な問答を主人公たちが繰り広げます。ボスの言葉です。
株価が上がるか下がるかをあてて喜んでいる間は、投資家としては三流や。
シビれました。僕も同感です。
投資の目的は、お金を増やすことだとばかり思っていました。そこまで社会のことを考えていませんでした。大切なのは、どんな社会にしたいのかってことなんですね
七海の言葉です。こういう言葉を聞くと「何をきれいごとを」という人もいるでしょうけれど、非常に大切な構えだと僕は思います。
ボスはこうも述べていました。
自分のお金を増やすことを否定する分けやない。せやけど、それだけかんがえていてもあかんのや。共有する未来をいっしょに考える必要があるんや
キーワードは、未来。
日本には過去からの蓄積、資本が多くあることがこの本では何度も説明されています。重要なことは、それをどう活かすか、ということ。どれだけ知恵を注げるか。
それを考えるのは、他の誰かでいいのか?、とボスは問いかけているように感じました。
”お金の力は選ぶ力でしかない”
第2章 お金の謎2 「お金で解決できる問題はない」でのボスの言葉です。
お金の限界について問答が繰り広げられます。ぜひ本で確かめてみてください。
お金の奴隷
「働く」という言葉を、「お金を稼ぐ」という言葉に自動変換しているんや
最終章、ボスの言葉。強く印象に残りました。
先日、自宅で夕食を家族と食べていた午後8時過ぎ。自宅の固定電話が鳴りました。番号は「非通知」。電話に出ると、区役所職員を名乗っていました。
そう、特殊詐欺の電話でした。2、3分話しましたが、「なんかおかしくない?」と問いかけると電話は切れました。
本を読んで思いました。電話の主は、自分が犯罪を犯しているという自覚に乏しく「働いている」と認識していたのではないか、と。彼の中で「働く」=「お金を稼ぐ」になっていた?
お金の奴隷になってしまうと、善悪さえもわからなくなってしまう。この種の犯罪が増え続けるのは、お金の奴隷になってしまう人が毎日、毎日ふえてしまっているからではないか、と。
ボスは優斗、七海にこう諭していました。
問題なのは、『社会が悪い』と思うことや。社会という悪の組織のせいにして、自分がその社会を作っていることを忘れていることが、いちばんタチが悪い
お金の奴隷になり犯罪に走ってしまう人をふやしているのは、実はぼくたち自身なのだ。その認識を持つべきだと感じました。
本を読み終えると、プロローグのタイトル「社会も愛も知らない子どもたち」の意味が沁みてきます。そこで思ったのです、「田内さん、ずるい」と。
「ずるい」で思い出しました。田内さんのポストです。
SNSもインターネットもない30年前の学生時代、MBSのラジオ番組、ヤングタウンが毎晩の楽しみだった。
— 田内学 経済教養小説「きみのお金は誰のため」10月18日発売予定 (@mnbtauchi) September 29, 2023
特に木曜は欠かさず聴いていた。聴き始めた頃のパーソナリティはダウンタウンで。しばらくしFUJIWARAにかわった。… pic.twitter.com/Xlh9HUWRv4
僕も阪神地区で中学、高校時代を過ごしました。田内さんより少し前のことですが、ヤングタウン木曜日は強く記憶に残っています。僕が聞いていた頃のヤンタン木曜日は島田紳助さん。今井美樹さんがメンバーの時期もありました。
その後、ダウンタウン時代へ。僕は1995年4月に上京したのでつんくさんが出演の時代は全く聴いていません。田内さんの↑のポストを見て、つんくさんがヤンタン木曜日のメンバーだったことを初めて知りました。
で、です。つんくさんのバンド、シャ乱Qの代表曲の一つが「ズルい女」。
ずるいなあ、とのつながりを勝手に感じました。
田内さんの記事です。
本を買い求めた時、こうXポストしました。
#きみのお金は誰のため
— renny | 投資家 (@renny_29) October 17, 2023
本屋さんで取得しました! pic.twitter.com/mM4U9Aj7Fw
「買った」ではなく「取得した」と。この本の読書体験は「資産」になるはずだ、という予感があったからです。「資産」なんだということをより強調するために「取得」という言葉を選びました。
この読書体験は確かに「資産」になりました。取得するのに使ったお金、そして、時間も素晴らしい「投資」となりました。この「資産」が僕の未来に何をもたらしてくれるか、楽しみです。
#きみのお金は誰のため 僕が始めた本屋”Reading As Investing"でぜひとも取り扱いたいと考えています。
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