”つみたてNISA、iDeCo やらなきゃ損?”
日経平均が3万円に達したことで「株」に関心を持つ人が増えているように思います。そう感じる理由は先週の記事でも書きました。
関連して、こんな煽り?をあちらこちらで目にするようになりました。
つみたてNISA、iDeCo やらなきゃ損ですよ!?
僕自身、NISA(つみたてNISAは使っていません)、iDeCoとも利用しています。しかし、「(つみたて)NISA, iDeCo を利用しないのは損だ!」という理由ではありません。「株式の長期投資」を実践する上でメリットがあるから、自分の保有している資産の一部をNISAやiDeCoの口座で保有しているのです。
つまり、ですね、
NISAがあろうがなかろうが、iDeCoがあろうがなかろうが、
株式(を投資対象にした投資信託)を毎月、コツコツ買い増します!
ってことです。NISAやiDeCoは確かに有り難い制度です。でも、より大事なことは株式への長期投資が資産形成に貢献してくれるだろう、そこへの納得です。
株式等への長期投資が資産形成に貢献してくれる、そこへの納得が無いままに、つみたてNISA、iDeCo を始めても十分な効果効能を得られないと僕は思っています。短期の値上がり益、価格の上がり下りを予測する「投機」を視野に入れた制度ではないのですから。
「やらなきゃ損?!」というのは実に酷い煽りだなあ、と感じます。特に、こんな風に株価に過熱感が出て来ている時期に。
このように関心が高まってくると、こんなことも起きているようです。
誤った知識で実践を始めるのは非常にキケンだと感じます。正しい知識を得るように、然るべき本を読む、そういう手間を掛けるべきだと思います。
それから、NISAは今後、ますます複雑怪奇極まりない仕組みになっていくそうです。竹川美奈子さんがツイートされていますが、これからスタートする人は、NISAは「つみたてNISA」一択だと僕も思います。
ただ、現行のつみたてNISAは、アクティブファンドを愛好する僕にとっては全く魅力的ではありません。信託報酬の率の上限が定められていて、その上限を超えるアクティブファンドは「つみたてNISA」の口座で買い付けることができません。
毎月定点観測していますが、アクティブファンドで、パフォーマンスとフィーとが逆相関(フィーが安いほどパフォーマンスが良い)になっているとは限りません。
何が言いたいか、というと、つみたてNISAの対象ファンドの選定基準に
信託報酬なんて要らない
ということです。替わりに設けるべき基準は次の5つだと考えています。
一つ、 運用責任者の開示
一つ、 投資哲学の明示
一つ、 投資先選定のプロセスの具体的な説明
一つ、 市況ではなく行動(投資判断や売買)を受益者に具体的に報告
一つ、 受益者対象に定期的な運用報告会の実施
投資信託事情 2020年4月号「つみたてNISA /アクティブファンド選定基準をゼロから作り直そう!」への寄稿で提起したものです。
これらの基準を挙げた理由は、こうしたサービスが提供されることで「株式投資とは一体どういうことなのか」という理解、納得が深められると考えたからです。
長く株式投資を続けるためには、「株式投資とは一体どういうことなのか」という理解、納得が不可欠、必須です。
「やらなきゃ損!」という煽りから闇雲には行動を始めるよりも、正しい知識を得るように手間を掛ける方がベターだと僕は思います。
でも、
まあこれは、言うは易し、横山やすしですよね。
「言うは易し、横山やすし」 これを使ってみたかったんです(笑)。
株式投資は時間とともに。これが大原則だと僕は思います。
もう一回繰り返します。
「やらなきゃ損!」という煽りから闇雲には行動を始めるよりも、正しい知識を得るように手間を掛ける方がベターです。