保有資産の「時価」って重要でしょうか?
先日、久しぶりに取材を受けました。その番組の放送を見て感じたことは以下の記事に書いた通りです。
取材を受けたのは結構久しぶりです。
こんな記事 とか、こんな記事 なんかをつくっちゃったせいか、依頼そのものが激減しました。また、お断りするケースも数件ありました。
今回久しぶりに取材を受けてみて、あらためて感じたこと。
それが
時価ってそんなに大事ですか?気になりますか?
ってことです。インタビュアーの人からの問い
「現在の保有資産はおいくらですか?」
この質問は、過去に対応した全ての取材で投げかけられました。
しかし、一度も具体的な数字をお示ししたことがありません。
「家賃(年収)、ナンボなん?」といった問いがフツー、日常?とされる(ケンミンショーで見ました)関西に育った僕ではありますが、この種の「ポートフォリオ、ナンボなん?」「保有資産の時価はいくらですか?」と訊かれても、答えたくはありません。実際、答えていません。
ウン千万円、ウン億円という数字こそが関心を惹きつけるのだ、そうした固定観念があるのでしょうね、マスメディアの人たちには。「億り人」という表現なんて、それを象徴していますよね。
僕がそうした数字を明かさないのは、セキュリティという部分もあるのですが、それ以上に、ポートフォリオの時価、数字にあまり意味が無いでしょ、と常々考えているからです。
今そのタイミングでの評価に過ぎないでしょ、「時価」って。今どうしても換金しなきゃならないならその数値、数字に大きな意味があるでしょうけど、そんな必要が無いのなら、いかほどの意味があるの?って思うんです。
他の投資家さんの発信でその投資家さん自身の保有資産の時価を見て、「おお、スゴい」と感じることはもちろんあります。でも、その数字だけでその投資家さんの発信に関心が湧くということは、まずありません。
感心はするけれど、関心は生まれない。
ってことです。
関心が生まれるかを決めるのは、次の3つです。
その1、どんな会社、ファンドに投資されているのか
その2、その投資先のウエイト、資本配分がどうなっているのか
その3、それぞれの投資先をいつごろから保有されているのか、保有期間
上記の内容が示されていて、かつ、その判断に至った過程が述べられていると、俄然、その投資家さんへの関心が高まります。
たとえば、僕が #会社が好きな投資家 として尊敬する、ろくすけさん。
2022年1月末のポートフォリオを示されています。
ググってみると
最近では、ご自身の投資先の会社について、とても詳しく、そして、強い愛?を感じさせるシリーズを発信されています。
株主総会のシリーズもいつも非常に楽しみにしています。
#前田工繊 さん #SHOEI さんは僕も投資信託を通じて関わりのある会社ってこともその理由の一つです。
株主総会といえば、まるのんさんの記事もスゴいですよね。
感心だけじゃなくて、もちろん関心も生まれます。
その1、どんな会社、ファンドに投資されているのか
その2、その投資先のウエイト、資本配分がどうなっているのか
その3、それぞれの投資先をいつごろから保有されているのか、保有期間
この3つは、投資信託にも当てはまります
10年保有していたら十数倍になった、そんな投資信託もあります。ダメだ、ダメだと言われまくっている日本の会社を投資対象にしているのに、です。天然記念物的な存在ではありますけれど。
そういう驚異的な成績を見たら、僕は「スゴいねぇ」と大いに感心します。
でも、その投資信託の月次レポートや運用報告書を眺めてみて
その1、どんな会社、ファンドに投資されているのか
その2、その投資先のウエイト、資本配分がどうなっているのか
その3、それぞれの投資先をいつごろから保有されているのか、保有期間
この3つを確かめます。
その結果、凄まじい成績のファンドの多くは、関心がちっとも湧いてこないのです。
感心はするけど関心は生まれない。
「忍耐強さ」があるかなあ、感じられるかなあ、って。
こちらの動画でティリングハストさんが強調されていました。
この動画の存在を知ったきっかけは、まろさんの記事です。
まず「忍耐強さ」。これは、運用報告書でどのくらいの期間、個々の投資先を保有していたか、を確認すれば一目瞭然です。
ティリングハストさんは「一貫性」の重要性も指摘されています。投資先の中身、ポートフォリオを忙しく、慌ただしく入れ替える。それをずっと続ける、ってのも一つの一貫性と呼ぶべきものかもしれません。でも、そういう一貫性には全く関心がありません。
「時価がナンボですか?」ではなく、
投資したい会社をきちんと選んで、評価して、重みをつけて、
しっかりと保有する、見守り続ける
そのプロセスに強い関心を持つ、そんな株式投資家でありたい、と思います。
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