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「義務教育では習ってない」などと調子こいてぬかす輩がいるが、こういう奴は義務教育で確実に習ったことも覚えてはいない。

本日は教室に仏様がいらっしゃった。

と書くと、「れん、居るかな」と低い声で仰いながら、暖簾をくぐってにょっきと仏様が書道教室に俺を訪ねてきたように思うかもしれないし、全然思わないかもしれないが、そんなことはこれまでない。

これまでにないからと言ってこれからもないと断言は誰にもできないわけで、この文章を書き終わった直後にいらっしゃるかもしれないし、いらっしゃらないかもしれない。

まあいい。

こういうのを思いがけずと言うのか、思いがけずとは言わず、思いもよらずというのか、それも言わないのか、今朝目が覚めたときにはまったく予想もしなかったことだった。いったい誰が目が覚めた時に「あれ、今日仏様来そうだな」なんて思うだろうか。

と、全然話が前に進まないように思うかもしれないが、とにかく本題の前に、仏様にはランクがあるのをご存知か?

こういうことを言うと「義務教育では習ってない」などと調子こいてぬかす輩がいるが、こういう奴は義務教育で確実に習ったことも覚えてはいない。

まあいい。
簡単に書く。

一番上のランクは『如来』。
ここにはお釈迦様である「釈迦如来」や、阿弥陀様である「阿弥陀如来」、お薬師様である「薬師如来」などがおられる。

次は『菩薩』。
「弥勒菩薩」や「観音菩薩」などがおられる。

意外かもしれないが、道端にひっそり佇むお地蔵様は実はかなり偉くてランクはここである。「地蔵菩薩」とおっしゃる。

そしてその下が『明王』。
「不動明王」や「愛染明王」。総じて顔が怖い。睨んでいる印象しかない。
ただいくら強面であってもお地蔵様よりランクは下である。

で、その次が『天』。
「毘沙門天」や「弁財天」、「大黒天」、「韋駄天」などがおられる。ヒンドゥー教の神様が仏教に帰依した状態らしい。

これらはみな仏様で神道の神様とは違う。だから手をたたいてからお祈りはしない。だって宗教が違うから。

で、教室にいらっしゃったのは、「多聞天」と「増長天」。
四天王の二尊でそれぞれ北と南を護ることを役目としている。

日本に帰国する友人からフィギアの組み立てキットをもらったのだ。
一つは彼が日本に持って帰り、もう一つは共通の知人の空手の先生がもらった。俺が二つというのは顔は物欲しそうにしていたからかもしれない。

ちなみに「多聞天」を独尊として信仰するときは「毘沙門天」と呼ぶらしい。「毘沙門天」は戦いの神、武神である。戦国武将の上杉謙信は己がこの毘沙門天の生まれ変わりだと信じていたらしい。

仏様は人が死んだ後の世界のことが専門だから現状の収束に関しては神様にすがるのが筋なのだろう。せっかく来ていただいた多聞天様と増長天様だが現世のことは範疇ではない。

でもここまでおおごとになってくると神様にも仏様にも一刻も早い終息を願ってやまない。

いいことが起こってほしいと思うのは人間の欲だが、これ以上悪いことが起こらないでほしいというのも人間の欲。

もうこれ以上悪いことが起こらないように是非お願いします。




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Ren Yano
英語圏で書道を紹介しています。収入を得るというのは本当に難しいことですね。よかったら是非サポートをお願い致します。