ジムの規制も緩和され、日曜日のボディコンバットのクラスにも出られるようになったがトレッキングはやめられない。
例の彼の猛威で社会がこんなになってから週6で行っていたジムのボディコンバットのクラスに行かなくなったので、運動のための外出が許可されていたのをいいことに日曜日に友達と二人でトレッキングをしている。
トレッキングなんていうとカッコいいことをしているようだが、ブッシュウォーキングとも言う、ただの山歩き、野歩きだ。
オーストラリアに自然が豊富なのは皆さんご存じだと思うが、住んでいるところのほんのすぐわきっちょにとてもいいトレッキングコースがある。
俺はノースショアといいうエリアの主要ポイントであるチャツウッドという街を拠点にしているが、割と大きめのそんな街でさえ、ちょっと脇に入ればブッシュウォーキングができる。
最初はそんなことも知らずに、電車とかバスとかで適当な町に行き、そこからチャツウッドを目指して道路を歩いていた。普段は歩いたりしないところをテクテク歩くのはそれはそれで楽しかった。
でかい一軒家が多いところやアパートだらけのところなど、名前しか聞いたことなかった場所のちょっとした特徴などを感じると、シドニーに長く住んではいるけど、何にも知らなかったことに気が付く。
それが5週目のウォーキングのときに好奇心からちょっと寄り道をした際、思いがけずブッシュと水辺を歩くはめになった。ちょっと驚きだった。「あれ、こんなところがあるんじゃん」と興味が湧いた。
それで友達に「もっと探して」とコース探しを押し付け、週替わりで歩くこと今日で7コース目。まだまだ沢山あるらしい。
チャツウッドからスタートしてコースのスタート地点まで歩き、そのままコースを歩いて、またチャツウッドまで歩いて帰る。あ、帰り際に必ずチャツから一駅南のアーターモン駅の前の「ラーメン元気」で飯をテイクアウェイして、一駅分歩いてチャツウッドまで帰るのだ。だいた14,5kmから長くて17, 8kmになる。
ブッシュターキーが突然表れて、俺らを先導してくれる時もある。もしかすると俺らから逃げようとして道を走って行ってるだけかもしれないが、先導してくれているように見える。
日が暮れてまだブッシュのコースにいるのに真っ暗になってしまい、携帯電話の灯りだけを頼りに歩いたこともあった。雨がジャンジャン降ってきてびしょびしょになったこともある。
ただ、友達と二人なのである程度のことは怖くはない。知らないところと言っても地元からそんなに離れているわけではないので、二人いればどうにでもなると思っているからだ。
6月半ばからジムの規制も緩和され、日曜日のボディコンバットのクラスにも出られるようになったが、トレッキングは楽しくてやめられない。
オーストラリアって本当に幸せな国なんだな、と
木漏れ日の向こうに見え隠れする太陽に向かって思うのだ。