【感想】逆転美人|藤崎翔
●あらすじ
●ミステリー史上初の伝説級トリック
手記である『逆転美人』がまるまる掲載されている、二重構造の作中作。冒頭から7割は美人の半生を書いた手記で、残り3割がその本が出版されたあとの追記という形の二部構成。
不幸な人生を送った美人の話なので、前半はかなり胸糞で、ちょっと読むのしんどいかも。美人=勝ち組と思っていたけれど、幸せに生きられるかは本人の性格によるかぁ、と考えさせられます。
『紙の本でしかできない仕掛け』に関しては100%そうでしょう。電子書籍では完全に不可能なトリックです。おさらいしながら読み直すのも楽しかった。
作者が「これ、実現できればものすごいトリックのはずなんだけど、本当にできるのかな……」と思いながら書いたというのも納得です。藤崎先生は元お笑い芸人とのことで、【伝説級トリック】のキャッチコピーも出版社が煽っているのではなく、ご本人発信なんですね。
『史上初の伝説級トリック』かと問われれば100%そうだとは言い切れませんが(これ以上書くとネタバレになるので難しい…)、作中作という性質上、これが本当にあった事件で本当に出版された本であると考えたら納得できます。ワイドショーやYoutuberが連日めちゃくちゃ盛り上がるだろうなぁと思いながら読みました。
●満足度
★★★★☆
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