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「課題解決」から始める学校水泳の受託

こんにちは。ルネサンスnote編集チームです。

ここ数年で、民間スポーツクラブが取り組む学校水泳の受託は度々話題になっており、学校の働き方改革においても有効な取り組みとされています。

ルネサンスでも、以前より取り組んできた小中学校の水泳授業の受託が、この夏、日本全国に拡がっていきました。

今回のnoteでは、私たちがなぜ学校水泳の受託に取り組んでいるのか、どんなことを強みとしているのかを、地域健康推進部 地域営業支援チーム 主任の吉成 太紀(よしなり たいき)さんにお伺いしました。

【プロフィール】
吉成 太紀(よしなり たいき)
地域健康推進部 地域営業支援チーム 主任  

2013年入社。入社後は関東地区や九州地区の店舗で水泳指導やクラブ運営を経験し、2020年に社内企画公募制度を活用し、地域健康推進部に異動。
現在は主に学校水泳授業を中心とした自治体に向けた子ども事業を担当中。

学校の抱える課題。私たちの提案するソリューション

ーーここ数年でルネサンスのみならず、民間事業者の学校水泳の受託が度々話題となっています。学校はどのような課題を抱えているのでしょうか。

これまでに自治体のご担当者の方や学校の先生方とお話してきましたが、共通しているのは、先生方が6・7月にしか実施しない水泳の授業にたくさんの時間を費やさなければならないことと、水泳指導の専門性に差が出てしまうことです。

学校水泳では、シーズン前には先生方が総出で2日間ほどかけてプールの清掃をしたり、授業のある日には早朝に出勤して、水質管理をしなければならないことなどが負担となっていました。もちろん、プールを維持するためのコストも、毎年発生していきます。

また、学校の先生方が共通して水泳の経験があるわけではないですし、お子さんに対する水泳の指導経験がない方もいらっしゃいます。

そのような課題に加えて、ここ数年では猛暑や集中豪雨によって計画された授業回数の半分も実施できず、生徒さんの水泳学習の機会が減ってしまっていることなど、課題が多岐に渡ってきています。

ーーそのような課題に対して、ルネサンスはどのようなご提案をしているのでしょうか。

いくつかご提案のパターンがあります。

・学校のプールへ、ルネサンスのスイミングコーチが出向いて指導をするパターン

・ルネサンスのプールをお貸しして、先生方が指導をするパターン

・ルネサンスのプールに生徒さんが来て、ルネサンスのコーチが指導をするパターン

・先生方へ指導のノウハウをお伝えしたり、生徒さんに水泳に関する教材をお届けするパターン

この4つのパターンを各自治体、各学校が抱えている課題に応じて、組み合わせてお届けをしています。

同じ自治体の中でも学校によって抱えている課題は変わってくるので、先生方とのコミュニケーションをとても大事にしています。

ーールネサンスが受託することで、指導の現場からはどのような声をもらっていますか?

生徒さんからは、「コーチが授業の中でたくさん褒めてくれるから、楽しくプールができた」など私たちの指導に関してや、「プールに虫がいなくて綺麗だった」など設備面でのポジティブな感想をもらいます。

先生方からはそれに加えて、授業の負担が減ったことへのお礼のお言葉や、普段私たちが当然のようにやっている安全管理の体制について、驚きのコメントを頂戴しています。

「ルネっ子」だった私。経験を社会の役に立てるために

ーー吉成さんは学校の水泳受託に関して、このような広がりが生まれる前から着目され、事業化の提案をされてきたとお伺いしました。どのようなきっかけがあって、この取り組みに興味を持たれたのでしょうか。

少し遡ると、私自身がルネサンスのスイミングスクールに通っていた「ルネっ子」でした。

進路選択で大学を決める際に、「スイミングコーチにもなりたいし、学校の先生になって教育にも携わりたい」と考えていて、ルネサンスでお世話になったコーチに相談したんです。

そのコーチからは、「ルネサンスで培ってきた経験を活かして大学で学びを深めなさい。そして、その学びを社会の役に立てなさい」と言われました。

その言葉を受けて、大学は水泳部に所属していたのですが、競技者としての活動だけで終わらせないことを心掛けていました。

その中で、水泳授業の受託に興味を持つようになったきっかけが、2つあります。

1つ目は、東日本大震災です。
水泳部のメンバーで、被災地ボランティアとして宮城県気仙沼市で、現地のお子さんに向けて水泳教室を実施しました。

ここでは、水泳を通してお子さんの笑顔を生み出すことができると改めて実感しましたし、同時にスポーツクラブのような施設が無い場所で、子どもの水泳の機会や場を創ることの必要性を感じました。

2つ目は大学のプールを地域に開放して、水泳部のメンバーで水泳指導をした経験です。
このような取り組みを大学で実施することができたので、スポーツクラブを地域資源として、地域の皆さんにご利用いただくこともできるのではないかとその当時から考えていました。

学校の授業で指導をする吉成さん

学校の水泳授業に取り組むことで、新たに見えてきた課題

ーー吉成さんが社内提案をされた当時は、ルネサンスは学校水泳の受託にどのように取り組んでいたのでしょうか。

まず、受託している学校の数がそこまで多くはなかったことに加えて、取り組む理由としてはどちらかというと、スポーツクラブの販促活動としてが主だったように思います。

私が提案したのは、水泳授業を受託することによって、学校や先生方が困っていることのお役に立つこと、抱えている課題を解決したいということでした。

ーーここ数年で受託する自治体の数も増え、実際に色んな課題やボトルネックも見えてきているのではないかと思います。

いくつかありますが、先生方の水泳の指導力の基礎を作っていくことに取り組み始めています。

先ほどお話したように、学校によって水泳授業の受託のパターンが異なります。
例えば、先生が今の学校では指導する必要は無いけれど、異動先の学校では指導しなければならないというケースが生じてしまうことがあり、どの学校に行っても水泳の指導ができるようになる必要がありました。

千葉市では、このようなケースにも対応できるように、先生方に向けた指導研修の場を設けさせていただきました。

学校の先生方に向けた指導の様子

大切なのは、学校水泳の目的を正しく置くこと。課題に寄り添うこと。

ーー今後この水泳授業の受託を拡げていく上で、心掛けていきたいことは何でしょうか。

まずは自治体や学校に対して、水泳授業の目的に即したご提案になっているかをしっかり起点にしたいと考えています。

そもそも学校水泳は、1950年代に起きたフェリーの沈没事故を受けて、水難事故による被害を防ごうということが起こりとなっています。学習指導要領の中にも、その主旨が記載されています。

私たちが普段スポーツクラブで指導しているのは、「泳ぎを上手にすること」が目的ですが、学校水泳では「自分の身を守ること」が目的です。
この目的を忘れてはいけないなと思います。

それに加えて、地域や学校の課題をちゃんと理解できているかが大事になってきます。

この取り組みを始めて、学校や先生方だけでなく、自治体のご担当者の方のお話をお聞きすることも心がけています。

「水泳授業の受託を始めたい」という自治体の担当者の方に対して、「良いですよ、何曜日の何時~何時でプールをお貸しします」では、本当の意味での課題解決にはなりません。

その自治体がどんなことに困っていて、どんなことを実現させていきたいのかを寄り添ってお伺いし、ご提案していくように意識しています。

ーーご提案の起点として、吉成さんが「課題解決」を重視できているのはなぜですか?

この考えは私に限ったことではないと思っていて、チームメンバーの皆さんが、地域の抱えている課題を本気で解決したいと考え、日々行動しています。

この考えの根っこには、ルネサンスの企業理念である「生きがい創造」という言葉を大事に、ルネサンスに関わるより多くの方々のお役に立ちたいというマインドが、私たちの中で育まれているからではないのかなと思います。

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このような取り組みを通して、ルネサンスは「人生100年時代を豊かにする健康のソリューションカンパニー」を目指していきたいです。

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