本の感想4『ジョークで読むロシア』菅野沙織

最近小難しい内容ばっか投稿してたからジョークで一息。この本は、ロシアンジョークを読みながら、ロシアというものについて知っていこうという洒落たもの。おもしろいと思ったものを紹介していく。

良いニュースと悪いニュース

A「さて、ニュースが二つある」B「いいニュースから始めてくれ」A「誰が、いいニュースがあるって言ったんだ?」

これ、今度使いたい。

仕事はほどほど


猛暑の中、ロシアの保健省がアドバイス。「たくさん飲んで、仕事はほどほどに。」人々「なんだ、いつもやっていることじゃないか」

政府側(保健省)から、仕事はほどほどにというアドバイスが出るのがいい。

男がレストランに入りウェイターに言った。「ウォッカをデカンタでくれ。あとは、何か君の好きなものでいい。」ウェーターは注文を書きとめた。「ウォッカのデカンタ2つ。」

この話が個人的にMVP。飲み会とかで使いたい。

この話の続きを個人的に考えたが、ロシア人ならウォッカのデキャンタ2つが置かれたのを見て

◯当然のように二つとも飲む
◯客がウェイターと意気投合する

とかになるんじゃないかな。怒るなんてナンセンス。

リーマンショック

男二人が話している。A「この経済危機は離婚よりはるかに大変だ!」B「いったいどうしたんだい?」A「聞いてくれ、資産が半減したというのに、女房はまだ家にいるじゃないか」
リーマンショック後の中小企業の社長らの話。A「景気はどうですか?」B「そりゃもう大変ですよ」A「うちも相当厳しいです。従業員には、もう会社に来なくていいといったのにまだ来ているので困っているんです。」B「うちもそうなんです。来なくていいといったのに、毎朝やってくる。どうすればいいんでしょうか。」A「私にいいアイデアがあります。会社の前に改札機を置いて、入るたびにお金を取るんです。こうすれば、さすがに来なくなるでしょうから。B「それは名案だ。うちでもやってみます。」数週間後。A「改札機の効果はどうでしたか」B「無駄でしたね。お金を払っても、毎日やってくるんです」A「うちはもっとひどい。連中は節約して、月曜日に出社すると金曜日まで帰ってくれなくなったんです。」

たくましさがすごい。あとポジティブ。


子供「ねえ、お父さん、教えて。好景気ってなんなの?危機ってなんなの?」パパ「よく聞けよ、好景気とはシャンパン、メルセデス、きれいな女の人だ。そして危機とはレモネード、地下鉄、それからお前のお母さんだよ」
プーチン大統領が首相に声をかけた。「危機から脱出する方法を思いついた。一つ目は、火星人が来てロシア人を助けてくれるのを待つこと。二つ目は、何とかして自力で危機から立ち直ること」すると首相はこう答えた。「大統領、二つ目の方法は非現実的だから検討すべきではありません」

このジョークは、面白いだけでなく秀逸でもある。というのも、割と冗談ではなかったことらしい。

事実この時の危機を救ったのは、「原油価格の上昇」という、どこからともなく表れた火星人であったのだ。(たしかに、ロシアは石油や天然ガスの生産量が世界一だった気がする)

屈強

ロシアとドイツが、お互いに交換した自動車の技術を試しあうことになった。ロシアのチームにはドイツ製自家用車「オペル」100台が、ドイツのチームにはロシア型大型トラック「カマズ」100台が与えられた。二年後、試験結果が発表された。ロシア側「オペルは大した車ではない。たった2年でぼろぼろだ。」ドイツ側「カマズは大した車だ。たった2年で国中の道路がぼろぼろだ。」

ニューヨークのロシア人街。道端で二人のロシア人が立ち話をしている。すると車がやってきて、窓から男が顔をだし、流ちょうな英語で二人に話しかけた。「すみません、ここから一番近いガソリンスタンドはどこでしょう?」二人の男は無言。車の男は繰り返すが、反応のない二人にしびれを切らし走り去った。二人の男の一方が言う。「見ただろう、英語が上手でも何の役にも立たないってことを」

お前が言うな!笑

自分で事実を無理やり作り上げるところが面白い。

終わりに

おもしろい中にも、時事や政治的なことも含まれていてうまい。どれも実話をなぞらえててなおおもしろい。

ちなみにロシア人はあまり保険に加入している人が少ないという。金銭面的なこともあるが、そもそも金融機関や保健機関を信用していないそう。

ロシア人は陽気で、ウィットに富み、すがすがしい性格をしているのかな?司馬遼太郎の『坂の上の雲』の中でも、登場人物の秋山好古がこのようにロシア人将校を絶賛する。

「こんなに愉快にお酒を飲んだのは初めてだ。」「なんとさっぱりしていて熱い奴ばっかであろう。」

他国の人間性とか文化とかを知るのって、新しい見方がついてやっぱりおもしろい。






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