売り込み営業=Old Sales
こんばんは。
お久しぶりです。
最近諸々多忙で更新が遅れました。つまり、びっくりするくらいのインプットをしていました…笑
最近の商談で改めて感じたのですが、売り込み営業は古いなと…。
前からお伝えしている質問型営業こそがNew Typeの営業であり、至高の営業であると実感しています。
やはり、納得させるよりも相手の言葉で誘導するほうが受注率は遥かに高いものになります。
改めて質問形営業について私の理解をまとめたいと思います。
質問型営業で解消する営業の悩みがこちらです。
営業の方法に自信が持てない
毎月のノルマが達成できない
顧客との会話は盛り上がるが、契約まで至らない
商談ではクロージングまで至らない
では見ていきましょう!
質問形営業が必要な理由
定義:質問を主軸としたトークで、受注率を最大化すること
理由は以下2点です
顧客との情報のアシンメトリーさが少なくなるため
膨大な情報の中から、顧客は自身に合致した商品を自分で選べないため
①顧客との情報のアシンメトリーさが少なくなるため
これまでは、営業とお客様との間には、圧倒的な情報量の差がありました。
インターネット普及前と現在とを比較してみると明らかですが、現在なにかを買う、調べるため「プロに聞く」よりも「まずGoogleで検索」という選択肢を取る方がほとんどと言えます。
過去の営業は、専門的なプロとして、情報提供や商品説明を行うことが一つの大きな強みでした。
なので、営業から商品購入を強引に勧める「押し売り営業」をされたとしても、「プロに勧められた商品だから、大丈夫だろう」と考え、購入したり契約書にサインするケースも少なくなかったのです。
さらに、上手く商品説明ができる「説明型」の営業スタイルも、
お客様に「さすがプロ!」と思わせる安心感を与えることができ、契約をもらうことができていたため、顧客との接触量(営業活動量)さえ確保できれば簡単に誰でも売れる営業になることができたのです。
現代のように高度なIT社会となった今、誰でも簡単にインターネットを介して、膨大な情報の中から、必要な情報を手にいれることができる時代となりました。
Googleやヤフー等の検索エンジン、このNoteというプラットフォーム、FacebookやTwitter、Instagram等のSNS...
何かを調べる労力や、学ぶ敷居は圧倒的に低くなりました。
営業と差分のない情報を入手できるようになった顧客に、小手先のテクニックは全く通用しなくなったと言えます。
これが説明型ではなく質問型で営業すべき1つめの理由です。
②膨大な情報の中から、顧客は自身に合致した商品を自分で選べないため
上記と逆に、情報が簡単に入手できる反面、自分がどの商品を選ぶべきなのか、正しい判断を下せないという問題があります。
具体的には、今のライフスタイルや収入、今後の生活に照らし合わせて考えたとき、
「本当に必要なのはどの商品なのか」という
自分の真のニーズを理解できない、ニーズに合う商品を選べないという悩みです。
そこで営業の役割は「十分な情報量を持ち、商品を説明する能力」から「お客様のニーズを深堀し、本当に必要な商品を教える能力」が必要になりました。
営業の仕事は「情報の整理をし、何が欲しいか顧客の欲求を最大限引き出し、背中を押すこと」に変化しつつあります。
営業は、ニーズを引き出し、整理し、共感し、理解し…
お客様の「買いたい」から「買おう」への後押しをする仕事です。
昔のように、営業が売るのではなくお客様に買ってもらうほうが重要です。
上記2ポイントの理由により、質問型営業が受注率向上を最大化する方法となる訳です。
質問形営業のメリット
質問型営業に切り替えると、以下のメリットがあります。
お客様とのコミュニケーションの中で、ニーズを引き出すことができる
お客様が購入の必要性を認識できる
お客様が自然に情報を開示してくれる
ニーズのないお客様を追いかける必要がなくなる
顧客満足度が上がる
そして、技術の前に質問型営業とはなにか?が重要になります。
質問型営業とは以下2ポイントに集約されます。
お客様の潜在的なニーズを顕在化させること
お客様の気持ちに共感することで真のニーズを引き出すこと
単純なことですが、表面上のニーズに答えるだけでは売れません。
本当に困っている問題の根本を解消するようなものや、いま本当に欲しい物、本当に欲しい理由を「気づかせること」ができなければ質問型営業を行うメリットはありません。
また、いくら適切な質問、ニーズの提示ができたとしても、寄り添う気持ちがないと相手の言葉を引き出すことが出来ません。
質問型営業で顧客の言葉を聞けないというのは致命的です。
共感をし、相手の立場で考えることができないと質問に答えていただけません。
営業以前に、人として重要な素養でもありますね。
上記目的をしっかり理解した上で、手法について見ていきましょう。
質問形営業の方法
状況理解
商談の場面で、すぐ商品説明を始めてしまう営業は少なくありません。
いきなり商品を勧められたお客様は、心の中で「この営業マンは、私のために提案してくれるのではなく、自分のノルマを達成するために商品を提案しているんだな」と思っていることでしょう。
私はいつも「この人ノルマやばいんだろうな…」と感じてしまいます。
そうなったら商品の話は頭に入らず、トークの癖や営業手法分析ばかりをしてしまい、「購入」という意識は消えてしまいます。
そもそも、お客様が本当に求めているモノを理解していない中で、商品の説明をしても、相手が納得するはずがありません。
商談では、最初に質問を繰り返し行い、相手のニーズの全体像を把握することに全力を注ぎましょう。
しかし、いきなり質問を始めると、お客様は尋問をされている気分になり、不信感を持ってしまいます。
質問する前に枕詞が重要です。
「先にお客様の状況を理解したいので、いくつかご質問させて頂いても宜しいでしょうか?」と一度断りを入れてから、話しましょう。
質問する内容は「先に理解しておけば、その後の商談がスムーズに進むような答えを拾うこと」を目的として実施します。
聞き出すべき質問の回答の例はこのあたりになるかと思います。
商品・サービスに興味を持った背景
顧客の属性・現状
今、顧客が不足していると感じていること
購入予算
これらの項目をヒアリングできていれば、顧客情報はある程度把握することができたと言えるでしょう。
また、購入に対しての本気度も図ることが出来ます。
質問はオープンクエスチョンとクローズドクエスチョンを交えて実施します。
こちらの記事がわかりやすかったので、ご存じない方は参考にしてみてください。
質問誘導
状況理解のあとは、誘導です。
ただ質問するだけでは意味がありません。インタビューです。質問型営業とは、誘導してこそ効果を発揮します。
車の購入で見てみましょう。
営業:今ご利用のお車は6名まで乗車できますが、普段何名で乗ることが多いですか?
顧客:普段は4人くらいだね
営業:4名様ですね、それはご家族の御人数でお間違いないでしょうか?
顧客:そうだよ
営業:ということは、今回はファミリーカーをご検討されているのでしょうか?
顧客:そうだね。ちょっと大きめの車がいいね
営業:大きめといいますと、セダンやSUVのクラスでしょうか?
顧客:そう。アウトドアに出かけることも多いしね
営業:なるほど、アウトドアならSUVが人気ですね
顧客:私もSUVが良いと思っていたんだよ
営業:アウトドアにはバッチリですね!ちなみに新車と中古車、ご希望はありますか?
顧客:そうだなあ、安いに越したことはないけど、新車を考えているよ
質問を中心としたやりとりから「SUV」と「新車」のキーワードがお客様から出てきました。
この次に質問するとすれば
「これ以上かかるなら検討外だという価格はどれくらいか、イメージは持っていますか?」
と質問すれば、お客様の購入希望額の上限を理解できます。
聞きたいことをストレートに質問してしまうと、相手は拒絶反応を示してしまいます。
しかし、自然な流れで繰り返し質問し、聞きたい項目までジリジリ詰めていくことによって、上手く相手の情報を理解することができます。
これは予算に限らず、購入するかどうか、相手の温度感を理解することにも使うことができるため、行き当たりばったりにならないよう、質問で誘導する流れを構築することを意識しましょう。
質問の中で、話が脱線してしまうことがあります。
営業中なのでお客様の機嫌を取るためと、ついつい話を聞き入ってしまうことがあります。
しかし、軌道修正をしないと「検討しますね」という結果になりかねません。
私も質問型営業を始めたときはよく陥っていました。
昔は、The・説明型営業でしたので、商談以外の話を聞くのが苦痛でしかたなかった時期がありました…笑
話好きのお客様の場合、会話が脱線してしまうことがあります。
お客様も悪気なく話していることが分かっているため、なかなか話を元のテーマに戻すキッカケがなくて困ってしまうこともよくありました。
例えば、子供向けの健康食品を販売している商談中、息子さんの学校の成績が話題の中心になったと仮定します。
その場合、共感しながら、ある程度耳を傾けた上で
「学校の成績は本当に親として一番心配の種ですよね。その成績を上げるには、やっぱり健康維持や体作りも大切になりますが、何かお子さんの体作りに気を遣って取り組まれていることはありますか?」
といった質問によって軌道修正することが肝要となります。
ポイントはあくまで「共感」が前提であることと、お客様の話題を無視しての誘導を行ってはならないということです。
そのためには、お客様が話している内容と商品の接点や関連性を考え、その関連性を軸にして商品ニーズへ関わる質問へと切り換えることが求められると言えます。
どんな話でも、しっかり共感をしつつ、自身の話との共通点を常に探りましょう。
これだけで軌道修正力はマスターできたと言っても過言ではありません。
テスクロ
テストクロージングです。
テストクロージングとは、お客様が購入する意思を持っているか、確認するための心理学を用いたテクニックです。
「もし購入するとしたら、どのような条件を優先しますか?」
上記の質問をしたとき、お客様から具体的に条件を聞き出せるケースと、曖昧な回答が返ってくるケースがあります。
お客様から「優先する条件は見積もり価格だ」と言われたら、あとは金額次第で商品を購入してくれることが分かります。ですが「まだ分からない」などの答えの場合、まだ購入する意思が固まっていない情報収集の段階であることを理解できます。
質問型営業では、お客様の潜在的なニーズを知るとともに、会話の途中でテストクロージングを挟み、提案内容をお客様自身が納得した上で進めることができているか、確認する上でも有効な手段となります。
以上が質問型営業で重要な事項です。
質問は無限に方法があるので、細かい話は省略しました。
重要なのはポイント2点だけです。
お客様の潜在的なニーズを顕在化させること
お客様の気持ちに共感することで真のニーズを引き出すこと
この2ポイントのみ頭に叩き込んで、実践で質問の精度を上げていきましょう。
考えて実行しなければ、この質問型営業は身になりませんし、売れることも出来ません。
しかし、これからの時代必須ともいえる営業手法です。
「後でいいや」「今度やってみよう」では一生身につきませんし、気がつけば時代遅れの遺産営業になってしまいます。
時代の流れの速さは驚くべきスピードです。
いまやらないと、できません。
後回しにしていると、他の優秀な営業がどんどん学んで置いてけぼりになります。
一朝一夕では身につかない技術だからこそ、今始めてみてはいかがでしょうか?
お客様も、あなた自身もメリットのある方法になってくれると思います。
では、このへんで。お疲れさまでした!