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吉本ばななさんのトークイベントで深い感銘を受ける

先日、吉本ばななさんと宮崎智之さんのトークイベントをオンラインで聞いた。参加者さんより、吉本ばななさんの小説は高尚でスピリチュアルな感じがするが、いつもどうゆう気持ちで小説を書いているのかの問いに、
「小説に限って言えば病気とか死にたくなった人にも読んだ時に重さに耐えられるものを書こうと思っています。例え死の間際に読んでも損した気持ちにならないようにと思って書いています。」
とおっしゃっていて、すごく感銘を受けた。
そんな覚悟で書いているんだ!だからいつも重い話だけど、希望もあって、苦しくなりすぎないんだ!と思って良い話しを聞けて良かったなあ。と思った。そしてプロの作家さんはやっぱり志というか、心持ちというか、違う次元に生きているんだな。と圧倒された。
吉本ばななさんの小説で好きな文章がある。
「デッドエンドの思い出」という短編集にある「ともちゃんの幸せ」という話に出てくる。

 いずれにしても神様は何もしてくれない。
 でも、それは神と呼ぶにはあまりにもちっぼけな力しか持たないまなざしが、いつでもともちゃんを見ていた。熱い情も涙も応援もなかったが、ただ透明に、ともちゃんを見て、ともちゃんが何か大切なものをこつこつと貯金していくのをじっと見ていた。

「ともちゃんの幸せ」よしもとばなな

この話は主人公のともちゃんは絶望的に不幸なことがたくさんあり、読んでいるのが辛くなる。
でもこの文章が希望を持たせてくれている。
そしてすごく共感した。20代の辛かった時期、この小説に励まされた。祈りのような、願いのようなそんな文章だな。と感じていた。
その秘密はそういった吉本ばななさんの思いによって書かれていたんだな。納得。
この「デッドエンドの思い出」は辛い話が多いけれど希望の言葉がたくさん書かれてあり、お勧めだ。これからも何度となく読み返すだろう。

#読書感想文


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レモン
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