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うつ病だったことが子育てに役立つなんて
修学旅行の班決めでみんなの前でひとりぼっちになってしまい、不登校になってしまった発達障害ADHD(注意欠如・多動症)の次男。
担任の先生、校長先生、精神科の先生と話し合いをしたり、通信制中等部のオンライン説明会に参加したりと、周りでバタバタ動いていた。
精神科の先生にはとにかくゆっくり休ませるように言われていた。
次男は、昨日までは学校を休んでいる間も、自分で勉強したりしていた。だが今日、わたしが仕事から帰ったら、ベッドで横になっていた。
「どうしたの?具合悪い?」
と心配するわたし。
「ううん、違う。ただ横になってるだけ。今日は勉強もゲームもしていない。YouTubeだけ少し観たけど」
となんとなく虚ろに答える。
夕食はしっかり食べたが、また布団に入って横になってしまった。
「今日はお風呂に入りたくない。」
どうしたんだろう。急に無気力になって。
何もやる気が起きないようだ。
帰宅した夫に報告すると、
「やっぱりすぐにでも新しい環境を作って何かやらせた方がいいんじゃないか。」
と言う。
違う。そうじゃない。
わたしは知っている。うつ病だった時、どうしても身体が動かなかったこと。心が前に進めなかったこと。ただただじっと待つしか出来なかったこと。ゆっくり休んで、好きなこと見つけて、ひたすら自由にしていたら、心が回復して次に進もうと思えたこと。前を向くまで2年近くかかってしまったけど、ちゃんと元気を取り戻したこと。
次男もきっとそうなんだ。
心が回復して、次に進もうと思えるまで、充電期間に入ったのだ。やっと彼は「休もう」と思えたのだ。
うつ病の経験がこんなところで役立つなんて。
人生ってうまくできてる。
前に進もうと思えるまで、どれくらいかかるかわからない。一週間かもしれないし、一ヵ月かもしれない。一年かもしれないし、もっとかかるかもしれない。
それでもわたしたちは待つことしかできないのだ。彼の回復力を信じて、じっと待つしかない。
そして、動きたいと思ったその時に、選択肢を用意しておくことが大切だ。
大丈夫。今はゆっくり休む時。
人生はまたまだ始まったばかり、これを乗り越えればきっと大海原に乗り出していける。わたしがそうだったように。
明日は次男の大好きなマックを買ってきてあげよう。小さな楽しみを積み重ねていってあげよう。
手を出さず、見守る。
わたしたちの子供は、今、大きく成長しようとしている。
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